コラム「キャンパスCLINIC」

自分らしさを身につけて

白金通信2004年04月号

新年度が始まりました。今回は新入生を意識して書いていますが、在校生に向けてのメッセージでもありますので、在校生の方もご一読ください。
新入生の方は、きっと期待に胸を膨らませておられることでしょう。一人暮らしが始まったばかりで、勝手が分からずまごまごされているかもしれません。友達ができるかなと不安を抱いている方もあるでしょう。サークルで目移りされているかもしれません。いろんなアルバイトをしようと思っておられるかもしれません。勉強、サークル、バイトというのが大学生の3大事業ですね。
資格をとるため早速勉強に取り組む方もいるでしょう。協定校に留学して見聞を広めたいと考えているかもしれませんね。大学では、一定の範囲であれば何でも許されます。もちろん法律や規則を破ることは御法度ですけれど。
しかし大学に入って自由と引き換えに、社会的責任を果たすことが求められます。何をやってもいいし、やらなくてもいいことになりますが、自分できちんと責任をとれることが前提条件です。うまくいかず、失敗し、人から文句を言われることもあるかもしれません。しかし、もはや誰のせいにもできません。あくまで自己責任です。
人生において最も自由な時間のあるこの時期に、できるだけ多くのことにチャレンジしていただきたいと思います。映画を片っ端から観るとか、ケチケチ旅行をするとか、友達と朝まで語り明かすなんて、大学生でないとできません。「よく遊んで、よく学び」ですね。何が人生の糧になるかは分かりませんが、学生時代でしかできないことがあるのは確かなようです。
私自身は、社会人に会ってカウンセリングをする機会が多いのですが、必ずといっていいほど、学生時代のことを聞きます。サークル活動とか、趣味のことを含めてです。豊かな学生時代を送っていて、学生時代にやっていたことを続けている人は、概して健康です。
肝心なのは、学生時代に自分にあったスタイルを身につけることと、それを生涯とまでは言わないまでも、長年にわたって続けることでしょう。
例えば、社会人になって、学生時代にやっていたスポーツを全然しなくなったという話を聞き、また結婚して、生活のスタイルが変わったという話もよく聞きます。こうして調子を崩されるわけです。
恐らく時代が変わっても変わらないものが必要なのではないかと思います。これだけ変化の激しい世の中です。皆さんの生まれ育った街も、小さな頃とは一変していることでしょう。人も変わっているし、お店も変わっていることでしょう。
もし昔ながらであるとすれば、とてもラッキーなことでしょう。物事を新しくするのは簡単です。お金さえあれば。しかし、いい物を保持しいていくことは結構手間隙かかります。
人間、根底にある生物的なものはあまり変わりません。以前に比べて、空調の普及など人工的な空間が用意されていますので、むしろひ弱になったとよく言われます。こころも余り変わっていません。体と同じでひ弱になっているように思います。
出会い系サイトでの出会いはあっても、深い出会いが少なくなっているのが一つの背景にあるのではないかと思います。変わったのは、実は表面的なことでしょう。深層においては大きくは変わらないからこそ、種々の問題が噴出してきているのでしょう。
つまりは、自分らしさを発揮できるような自分のスタイルをこの学生時代に身につけて、環境が変わっても、なるべく、それを保持していただきたいと思います。
では、実り豊かな学生時代を送ってください。

校医 島 悟