コラム「キャンパスCLINIC」

八つぁんどうしたんだい?

白金通信2005年07月号

「八つぁんどうしたんだい?股座押さえて。」
「ご隠居かぁ。いや - どうも小便すると先がひりひりするんです」
「またどこかの得体の知れない女といたしたんだろ?」
「そんな。うちはかみさんとしかしやしませんよ」
「そんなはずはないな」
「だって…。」
「まあ、いいや、今の八つぁんの症状はどうもSTDってものだろうね」
「STD?UFOの仲間ですか?」
「性行為感染症のことだよ。英語でいうSex Transmitted Diseaseの頭文字をとってSTDさね。」
「今どんどん増えてるんだよ」
「そら怖いですね。なんでそんなに増えるんです?」
「ああ。木原正博先生(京都大学大学院医学研究科国際保健学講座教授)の全国一般集団性行動調査(18 - 59歳)によって見出された日本人の性行動のパターンを欧米の諸国と比較すると、

  1. 性交頻度、同性間性的接触者の割合は欧米に比べて低い
  2. 多数(5人以上)の相手をもつ者は欧米並
  3. 過去一年間買春をした男性の割合は他国が数%、日本は13.6%
  4. 初交年齢は早期化、男女差は若くなれば差がなくなる
  5. 不定期の相手は若者で急増
  6. 売買春の相手のいた人は若い世代に急増
  7. 知り合って一ヶ月以内に SEXした人は18 - 24歳で男性が6割、女性が5割
てな結果が出たんだよ。初交年齢は早くなるし、SEXパートナー数は増える、SEXパートナーに売買春おっと最近じゃ援助交際っていうんだったな、そういう相手が混ざってきて多様化し、性行為がカジュアル化してると踏んでるんだ。」
「若者は元気っすね。うらやましいっすよ」
「そうか?今度は 全国国立大学生性行動調査の結果を教えてやろうか?これは聞き取り調査なんだがそこで出てきた結論は
  1. STD/HIVの予備知識 - 男子学生の予備意識は低い。女子学生の予備行動はかなり受動的で消極的
  2. STD罹患経験者?女性の6割は決まった相手が1人(定期)男性の3割がパートナー数が3人以上なんだそうな。「私は彼とだけよ」と女性がいっていてもその相手の彼がその彼女だけかどうかは全然わからんのだ。
更に首都圏10代カップルの調査(300カップル)でこれまでのSEXパートナーの数を聞くと4人以上が男子の4割、女子の3割いて、「10人以上」なんて猛者も1割いる。
しかも同時にコンドームの使用状況を聞くと約6割(大学生は7割)でSEXパートナーの数が多い人ほどコンドームの使用率は低い(大学生と同じ結果)という結果も合わせてみるとこりゃこれでいいんかとならんか?おお?八つぁんどこいくんじゃ?」
「もうじき夏休みが始まりやす。うちの大事な娘と息子にもよく言って聞かせなきゃならねぇんで!」
2001年度5月例会での木原正博先生(京都大学大学院医学研究科国際保健学講座教授)の「若者とSTDの広がり」の講演内容を一部改変しました。

校医 朝比奈崇介