コラム「キャンパスCLINIC」

納得・同意・安心・安全・快適

白金通信2009年3月号

このタイトルは、昨年の11月28日横浜校舎で、性教育に長年携わって来られた村瀬幸浩先生に「性感染症 他人ごとと思っていませんか?~大切な人のために、いますべきこと~」と題してお話しいただいた講演会で、一番印象深かった言葉です。

 みなさんは、風邪の予防にうがいをしたり、お腹をこわさないために加熱した食品を食べたりしますね。では、セックスの時は?自分の健康を守るために、何をしていますか?健康という問題を、性だけ特別扱いにしていませんか?

 HIV感染者は、現在進行形で増え続けています。日本では1日に4人のペースです。その感染ルートの大多数は夫婦間、恋人間での感染です。不特定多数との性交渉をしていないから、まじめだから、というのは感染しない保証にはなりません。たった一人とセックスをしたのだとしても、適切な時期に検査をして陰性と確認しているのでなければ、あなたがHIV感染している可能性は誰にも否定できないのです。

 また、九州の複数の高校の協力で高校3年生約3200人を対象にした調査で、性交経験者では男性の7.3%、女性の13.9%がクラミジア陽性という結果が出ました。さらに、陽性者のうち検査前に感染を知っていた人は一人もいません。

 性感染症は、感染していることがわかっていれば、相手にうつさないようにするのは簡単です。わかっていない人がうつしてしまいます。

 性感染症がオーラルセックスで感染する、のどを通じてうつっているということを知っていますか?性風俗産業従事者ではない人の、クラミジア咽頭感染者が増加しています。オーラルセックスは、若者では普通の行為になってきているというデータもあります。妊娠の心配はなくても、性感染症の可能性は十分過ぎるほどです。

 あなたは、パートナーと性についての問題を、率直に話し合ったことがありますか?「愛」という言葉で、すべてをくくってしまっていませんか?あなたとパートナーとのセックスに、心の底からの「納得」、積極的な意思表示のある「同意」、暴力をふるわれず支配や束縛がない「安心」、病気や予期しない妊娠を防いだ上での「安全」、片方だけでなくお互いが気持ちがいい「快適」、はありますか?これらの条件がそろったセックスの時に「愛」があったと言おう、と村瀬先生は提唱されています。

納得・同意・安心・安全・快適、ですよ!

保健師 井上美紀