コラム「キャンパスCLINIC」

「朝食」は、脳を活発にする源

白金通信2009年10月号

 朝、目覚め窓を開けた時に瞳に飛び込む朝の光は、視神経を刺激し大脳まで刺激を伝えることで、脳からカテコールアミンという物質が出てきます。気持ちが沈みスッと起きられないあなたを奮い立たせる最初の援軍です。しかし、この光だけでは目が覚めても脳が働くためのエネルギーは足りません。

 そこで、朝食の出番です。脳のエネルギー源はブドウ糖だけです。ご飯やパンなどのデンプンが多い食物は、脳や体内の細胞の活動エネルギーになります。ご飯やパンを食べて20~30分すると血液中のブドウ糖(血糖)がピークに達し、やがて元のレベルにまで下がります。血糖は食事の度に上がったり下がったりを繰り返します。前日の夕食から朝食の間が絶食時間として最も長く、しかも睡眠中も脳や体細胞の活動は続き、ブドウ糖を消費します。その為に寝起きの血糖値は低く、脳の活動エネルギーが不足し、当然頭は働きません。朝食抜きで学校に行き「おはようございます」の一言が出なかった為に、朝から気まずいスタートになっては困りますね。

 かと言って、食後の消費エネルギーが少ない夕食の過食は、余分なエネルギーを脂肪に変える為、肥満の原因になります。特に甘いものは要注意です。

 頭が働くには体温も影響しています。体温は高い方が脳の働きを活発にします。一般に体温が最も低いのは、夜中の2時~3時頃です。朝はまだ体温が上がっていません。食事をすると、摂取したエネルギーの何%(炭水化物は6%、脂肪は4%、蛋白質は30%)かが熱に変わり体温を上げます。早く体温を上げて脳を活性化するには、ご飯やパンとおかずが組み合わさった食事が決め手です。流行の「朝バナナダイエット」は、糖質のみで蛋白質がありません。脳のエネルギー源はブドウ糖ですが、脳は蛋白質からできています。脳内の情報交換に使われる物質の材料や、脳にブドウ糖を運ぶのにも蛋白質が必要です。血糖の上げ下げをするホルモンも蛋白質です。脂質は細胞膜の形成や女性ホルモン、ステロイドホルモン、ビタミンDの材料になります。

 脳のエネルギー補給に甘い物やパンとコーヒーのみの食事は、その場しのぎで身体の活力を持続することはできません。
 身体は栄養素が作っています。あなたの命の源は食事です。毎日の食事を大切にしましょう。

 

管理栄養士 田畑章子