コラム「キャンパスCLINIC」

私のダイエット

白金通信2010年7月号

 皆さんは痩せたいと思ったことはありますか?中年にもなると早死にしたくないから痩せたい、となるのですが、若い女性は死んでもいいから痩せたいと思う方もいると聞きます。その価値感の差は考えると面白いのですが、今日は当たり前の話をしましょう。

 私はあまりお腹がへこんでいる方ではないのでカロリー制限をしたり、毎日一駅歩いたりするようにしています。私は糖尿病診療が専門なので特殊な技があるのか?と皆さんはお聞きになりたいでしょうが、何もありません。 それに自分が出来ないことを人に勧める気もありません。だって、レコーディングダイエットのように食べるものを全て書き留める「まめさ」は私にはありませんし、また栄養学的な理想を追って、「栄養素のバランスを保って食事を減らす」ことなんて高等な技は、もし妻にお願いでもしようものならきっと反感を買い、仕返しされるでしょう。その結果、単にやたら野菜の多い(三品あれば二品が野菜)料理にしてもらってカロリーを落としています。運動に関しても、実際に忙しくってジムなんかに通えない(ジムなんかで遅く帰って子供と 今日一日に起った話を話せないのでは人生本末転倒だと思っています)ので、やっと朝1駅歩いています。こういう姑息な方法しかなく、王道はないと思っています。

 一番お伝えしたいことは、「無茶なダイエットは止めましょう」ということです。一般的に皆さんはどうしても結果が早く見たくて無茶なダイエットや運動をする傾向にあります。炭水化物は摂らないとか、晩ご飯はいつもこんにゃくソーメンですとか、毎朝10km走っているとかです。しかしそれまでの日常の生活からかけ離れた、行動するのになかなか厳しいハードルを越えなければならない行動というのは、始まりがあれば必ず終わりがあります。理由、その行動はずっと継続できない行動だからです。かけ離れていればいるほど心理的にも元に戻ろう、戻ろうとします。そしてその行動を止め、元の日常生活に戻った時、再び元の体重に戻ります。これをリバウンドと呼んでいます。が、これは当たり前のことだと思います。しかし、多くの方は痩せると、その体重を維持する新しい能力を手に入れた如くに感じられるようで、元の日常生活に戻しても体重は戻らないのでは?という錯覚を起こしているように思えます。

 ですから「夏までに3kg痩せて可愛いビキニが着たい」というような短期的目標(つまりは夏の間に彼氏を見つけさえすれば、夏が終わって元の生活になって元の体重に戻っても、まあ秋の服なら隠せるだろう、という考え)でない限りは継続的にやれる計画を目標にしてやる方が現実的です。

校医 朝比奈崇介