コラム「キャンパスCLINIC」

メタボと骨粗鬆症は若いときから要注意

白金通信2011年7月号

 数年前からメタボメタボと騒がれ、厚生労働省の指示の元で40歳以上の人を対象に特定健診・特定保健指導が行われるようになりました。特定健診の大きな目標は、肥満に基づく高血圧・糖尿病・高脂血症(脂質異常症)など生活習慣病の発症やそれに伴った脳卒中・心筋梗塞・腎不全などをできるだけ軽症のうちに、または発症する前に防ごうということです。

メタボ予備軍は20代から
 これらの生活習慣病は40歳代ころから発症してくることが多いのですが、百貨店の産業医をしていると入社した時点で生活習慣に問題があることが多々見受けられます。グラフで示したように、当百貨店従業員の各年代ごとのBMI値(肥満指数)を比べてみると、確かに40歳代以降にメタボ該当者が多くなるのですが、むしろ体重の増加は20歳代・30歳代の方が顕著にみられ、とくに男性では40歳になる前にメタボ予備群が始まっていると考えられます。一方、女性では若い世代にやせ願望が強く、BMI値18.5以下の割合が20歳代で20%を超えていて、日本は世界の先進国の中でも異例にやせ過ぎ女性が多いと言われています。無理なダイエットは、女性ホルモンの減少をもたらし、生理不順や出産にも悪影響を及ぼしています。さらに過度のダイエットは骨量の低下を来たして、将来の骨粗鬆症の原因となるのです。

学生時代にぜひ運動習慣を
 食生活や運動習慣は、生まれたときから学生時代の若いときに身についてしまっていることが多く、太っているのは親に似たからだと勝手にあきらめている人もいますが、単に遺伝だけでなく生活習慣そのものが親譲りであるとも言えるのです。社会人になれば嫌でも生活が不規則になったり、付き合いも多く、運動する余裕もなくなってしまいがちです。せめて学生時代に運動習慣やいろいろな趣味を持つことが将来の生活習慣病を予防してくれるだけでなく、仕事以外での人とのつながりやストレス回避に大きな意味があると思えます。景気低迷のなかで企業のクラブチーム撤退も目立ち、会社内でのクラブ活動も自粛ムードで横のつながりに欠けてきていることがとても気になる今日この頃です。

 

 

校医 永田茂之