明学・大槌町吉里吉里復興支援プログラムブログ

2017年6月24日

2017年 スタディーツアー

暑さが日ごとに増してまいりましたが、皆様いかがお過ごしですか。
今回は6月3日、4日に実施しました大槌・吉里吉里スタディーツアーについて報告いたします。

今回のスタディーツアーは、「見る」「知る」「伝える」の三本柱をテーマにしました。震災から6年経った吉里吉里の状況を見て、地域の方の話から震災当時のことや現在の町の様子や防災について知り、今後周りに吉里吉里の魅力を伝えていけるようにその材料を集めたいという目的です。また、復興が進む中で私たちが活動する意味や役割を見つける機会にしたいと思い活動しました。


6月3日(土)
 午前中はおらが大槌の大槌町語り部ガイドの方に町を案内していただきました。ガイドの方からは当時の様子を、事務所にあった震災前の風景の模型や写真を通して、また実際に現地に行ってお話を聞くことが出来ました。
 その中で一番印象に残ったことは、江岸寺と旧大槌町役場を訪れたときでした。江岸寺は、震災の際ガイドの方が多くの年配の方を高台へ連れて行った場所でした。「下の本堂に残ると言って高台に上らなかった人たちが目の前で流されていく様子を見た」とガイドの方はおっしゃっていました。“一瞬の判断が、生死を分けた”と言う言葉に津波の恐ろしさを感じました。
 今まで、東北は数多くの地震や自然災害を経験し先祖から多くの教訓が語り継がれていました。また、碑も残っています。しかし、やはり実際に直面すると、“ここまでだったら大丈夫だろう”と過信してしまった人が多かったのです。震災や津波の教訓を忘れてしまっていたことが一番の原因だったとおっしゃっていました。
 旧大槌町役場は、現在は震災遺構として残されています。この役場で働いていた方の多くはなくなられました。私はこの役場を見て、6年前テレビ中継で、多くの人が役場の屋上で助けを求めている様子を思い出しました。
 今、この役場の建物に関して意見が分かれています。「震災を忘れないために、なくなった息子や娘が働いていた場所を残したい」と思う人々と、「残すのに国でなく我々が管理しなくてはならないのはおかしい」、また、「これから前を向いて頑張っていこうとしている中にこのような苦い思い出を思い返すような建物はもう必要ない」と考える人々の間で討論が行われているそうです。(ちなみにこの役場は大槌町の中心部にあり、これもネックだとおっしゃっていました。)
 お話を聞いた後に、私たちは、役場に設置されていた献花台の前でご冥福をお祈りしました。

 1日目を振り返って、1年前と町並みが変わったとおっしゃっていた先輩方もいましたし、私たち1年生は、自分たちが最初に持っていた大槌吉里吉里のイメージと違った、足を運ぶ意味があったと話していました。今後の活動につながるスタディーツアーであったと思います。私自身の感想としては震災当日にどういう心境で避難し、地域の人や、自らの命を守っていったか、自分には想像できないくらい大変だったことがわかりました。また、震災に対して、なにか他人事でなく、自分の問題のように受け止めることが出来たように思います。
 夜は新入生を中心としたワークショップを行いました。事前に翌日に巡るスポットを二人一組で調べ、それを発表し理解を深めました。どの場所も地域に根ざし、大切な役目を持っていることがわかり、震災や現在の状況に関する背景も知ることができました。



6月4日(日)
 午前中は3つのグループに分かれて、地域の方にお話を聞きました。私がお話を伺った方は、震災を乗り越え、さらに吉里吉里を活発化させたいと考え、地域のつながりを意識した活動に取り組んでいるとおっしゃっていました。
 また、防災に関しては子どもたちを連れて避難経路を教え、訓練をこまめに行っているそうです。地震や津波に対する意識が高いと思いました。私たちが住んでいる東京にも大地震が起こると予想されています。私たちは吉里吉里の町の人たちのように協力して動くことが出来るだろうか、その時に私たちは何が出来るだろうか、と考えさせられました。
 他のグループでお話を伺った方は、自分は震災で生かされた人間で、6年前の震災を語る必要があると感じ、私たちに話をしてくださいました。ツアーの中で何十メートルもある堤防が作られている様子を見ましたが、この方は命を守るためには仕方のないことだとおっしゃっていました。1日目にお世話になった語り部ガイドさんは堤防のせいで海が見えなくなるし、人が寄りつかなくなると考えていらっしゃったので、違う意見を持っている方もいらっしゃるのだなと感じた学生もいました。
 もう1つのグループは、45年間保育園に携わっておられる方にお話をしていただきました。これからも子どもたちと前を向いて生きていこうとしている姿がうかがえました。子どもたちには思いやりを持ち、つながりを大切に出来る人に、そしていつも笑顔でいてほしいと望んでいるとおっしゃっていました。

 午後は先日行ったワークショップを基に、吉里吉里駅・金比羅神社・天照御祖神社・吉里吉里学園中等部・浪板海岸ヴィレッジなどを巡りました。
 実際に歩いてみると、いたるところに震災の跡が残っており、地理的状況などからも当時の津波の規模の大きさが想像できました。伺ったお話にも出てきたように、災害において絶対に安全なことはない、ということが身にしみて感じられました。また、町が復興し再建されていく様子も間近で見ることができました。
 地域の方々とすれ違い際に挨拶を交わすことも多々あり、地域の暖かさや近さを感じました。
 事前学習のおかげもあり、スポットと共に地域についても深く考えながら、吉里吉里の地を眺めることができました。



2日間のスタディーツアーを通して、震災を経験したことで改めて地域のつながりが一層強くなり、一致団結して生きている様子がうかがえました。これからも吉里吉里の町に貢献したいという気持ちが芽生え、この町のために若い世代の私たちに出来ることは何だろうかと考えることができました。今後も地域の方々との交流に参加したいです。

今回の活動を支えてくださった皆様にこの場をお借りして感謝申し上げます。
今後とも活動へのご協力よろしくお願いいたします。



経済学部経営学科1年   内川
文学部フランス文学科1年 高野
心理学部教育発達学科2年 玉崎