海外プログラム

2013年9月15日

カンボジアスタディーツアー  5日目

それでは、カンボジアスタディツアー5日目の報告をさせていただきます。

【9/7 ツアー日程5日目】
本日が実質最終日... 朝6:50という早い時間にロビーへ集合。しかしここで遂にトラブル発生... 参加学生の一人が体調を崩して欠席を余儀なくされてしまったのです。非常に残念。

そして7時にホテルを出発。

今日の訪問場所はIKTTとクル・クメールです。

■IKTT(Institute for Khmer Traditional Textile) 森本喜久男さん
 ホテルからバスで一時間ほど飛ばしてシェムリアップ郊外へ。着いた先は穏やかな村...森本喜久男さんが2003年から開始した「伝統の森再生計画」の拠点です。現在は200人余りの人が生活しています。

☆森本さんのお話
 バスを降りると早速森本さんとご対面!そのまま用意された席へ移動。この日は他に生協のツアーで来られた学生の方々もいました。
 全員が席に着くと、森本さんは優しい笑顔で自分がカンボジアに初訪問したときの事からお話し下さいました。
 森本さんは今回訪れた社会起業家の中でもいち早く事業を立ち上げた方で、その分治安が安定していなかった頃の苦労話をいくつもお持ちでした。当初ユネスコに調査を委託した時には「命が危険にさらされる状態でもユネスコは一切の保証はしない」といった旨の誓約書を書かされたり、調査中に兵隊に殺されかけたところを村人に匿ってもらったりしたこともあるのだとか。
 
 そんな森本さんは「何事も心と人が大切」だと語ります。森本さんは京都で手描き友禅の工房に弟子入りし、その後タイで10年間生活する中でカンボジアの絣に注目しました。既に職人歴40年という大ベテランの森本さんは、IKTTは自他共に認める世界最高峰の織物を作っていると言います。
 一般的なアジア雑貨などで売られている「草木染め」は色落ちするのが当たり前のようになっていますが、その常識を変えたのがIKTTの繭から作るクメールの伝統織物です。現在、無印と協同で作られたタオルが無印の店頭に置いてあるとのこと。
 
 ヨーロッパから多数の問い合わせが来ても、あくまで「この場所でしか買えない商品」を目的にしている森本さんは直販しか行わないそうです。揺るぎない自信が品質の高さを裏付けていますね。


☆ハンカチ染め!
 森本さんのお話が終わると、ハンカチの草木染めを体験させていただきました。それもなんと、お話にあった、かつて中国の皇帝にしか使うことを許されなかったエンペラーイエローで染めちゃいました。
 染めている間に、工房見学へ。一つ一つの過程が気の遠くなる作業で、一つ織るのに半年かかるという話に納得です。
 そしてハンカチ制作仕上げへ。みなさん職人の方達にお手伝いいただきながら複雑な物からシンプルな物まで、個人を表すような傑作が出来上がりました!


☆おまけ話
 ここで思いがけない、面白い出会いがあったので紹介しておきます。私たちがせっせとハンカチを紐で縛る作業をしていると、横で散らかった紐の片づけをする男性の方が一人。聞くと数週間前からここでお世話になっているそうで、てっきり大学院生かと思っていたらなんと18歳!自分探しにここに来たとのこと。
 この後村全体を見学させて頂いたときに分かりましたが、大きなゲストハウスがあり、先ほどの生協の方々の様にここに泊まる学生の方も多いそうです。本当に世界には色々な人がいるのだなと感じますね。
 

 そしてそれぞれ個性的なハンカチのお土産を持って次なる目的地、クルクメールへ向けバスに乗り込み、森本さんとお別れをしました。とてものびのびとした居心地の良い村でした。


■クル・クメール 篠田ちひろさん
 クル・クメールの代表である篠田ちひろさんには、実はこの春に明治学院大学のNGOアカデミーでお越しいただき講演会を行いました。非常に明るくて気さくな方です。篠田さんは地雷地域だった土地をハーブ畑に変えて、取れたハーブを日本に販売するフェアトレードを行っています。


☆お話の前に・・・
 クル・クメールに到着するとスタッフの方に連れられ、庭に生えているハーブの原材料となる植物を紹介していただきました。その後二つのグループに分かれて、オリジナルハーブ作りと足湯を体験しました。ハーブは様々な材料を混ぜ合わると色々な効能を発揮するそうで、皆自分好みにアレンジしていました。足湯はパインジュースとマッサージ付きという極めて贅沢なひと時を過ごしました。
 それらが終了してから庭のテラスに集まり、篠田さんからお話しをいただきました。


☆経緯
 篠田ちひろさんは二十歳の時にカンボジアをバックパッカーとして訪問。その時に悪環境にいるカンボジアの人たちが、東京にいる人たちより明るく笑うことに胸を打たれて、「自分に何かこの人たちに対してできることはないか」と考えたそうです。
 それから、国境なき医師団に関する本を読み、学生ボランティア団体に所属。その活動の中で、途上国支援を行うにあたってボランティアでやることの難しさ、寄付を集める事の難しさなどを知りました。
 
 そして内定もとった大学四年の冬に、急に決心して内定を辞退しカンボジアへ。しかし何をしていいかわからず英語とフェアトレードを学ぶためにイギリスへ渡りました。そしてその8ヶ月に再びカンボジアへと戻った篠田さんは、タイやベトナム産のものがカンボジア産として売られている状況を目にして、本当のカンボジア産のお土産を作ろうと考えたのです。
 偶然近所に伝統医療に詳しい知人がいたため、篠田さんはその方から医療を学んだ末に、約3年前に事業化しました。今後はスタッフを50人程度までに増やしたいとのこと。

 お話が終わるとショップへ。どれもこれもお洒落な品ばかりで皆さん大量に購入されていました。商品のほとんどは篠田さんが考えているそうです。
 
 篠田さん含めたスタッフ全員に見送られてクル・クメールを後にしました。この後はクメールの伝統芸能であるスバエクを鑑賞しながらのディナーで、落ち着いた食事を楽しみました。
 この日は早い出発と遅い到着で疲労度はかなりのものでしたが、その分内容の詰まった一日でした!

次回は早いもので最終日です。お楽しみに。

国際学部国際学科 二年 田中優煕