明治学院大学ボランティアセンター  /  センターの紹介  /  ボランティアセンター長からのメッセージ

ボランティアセンター長からのメッセージ


ボランティアセンター長
心理学部 教授
杉山恵理子

明治学院大学は、創設者ヘボン博士が生涯貫いた精神 “Do for Others(他者への貢献)”を教育理念として掲げ、キリスト教による人格教育を建学の精神として今も受け継いでいます。自己の利益よりも他者の利益を優先するあり方は、ボランティア活動の原則としてあげられる要素ですが、正課カリキュラムでは、全学で毎年70以上の講義のシラバスに「ボランティア」という言葉が含まれています。“Do for Others(他者への貢献)”は明治学院大学の教育に深く根ざしている理念であると言えるでしょう。

ところで、この“Do for Others”ということばは、“Do for others what you want them to do for you”「人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい」という聖書のことばからきています。自分がしてほしいと思うことを他者に対して行う。そのためには、実は「自分がしてほしいこと」、つまり「自分の望み」「自分が大切にしたいこと」が明確でなければなりません。これは、アイデンティティや価値観の明確化、つまり青年期の発達課題そのものと言えます。大学生の皆さんにとって、ボランティア活動は自らの発達課題に取り組むためのとても良い機会となるのです。

明治学院大学では、正課カリキュラムだけでなく、ボランティアセンターにおいても、学生メンバーを始めとした多くの学生が日々この課題に取り組んでいます。「Do for Smile@東日本」プロジェクトでは、東日本大震災からの6年間で、延べ1,708人の学生が、授業後の夜行バスで、あるいは長期休みを利用して東北でのボランティア活動を続けています。キャンパスのある白金や戸塚の地域、日本赤十字社など、様々な地域・機関ともネットワークを広げ、活動を続けてきました。正課カリキュラムと共に、ボランティアセンターの取り組みにより、ボランティア精神は明治学院という土壌に深く広く根を張ってきました。

2017年度、明治学院大学は、2016年度に開始した「明治学院大学 教育連携・ボランティア・サティフィケイト・プログラム」をさらに進め、正課カリキュラムとボランティア活動の有機的関連を深め、学びを統合することにより、学生たちだけでなく、明治学院に所属するすべての人々が、ホスピタリティ* のもと、ひととの関わりの中で成長することを目指します。明治学院の教育理念、“Do for Others(他者への貢献)”を具現化するために。

* 鷲田誠一(『聴くことの力』1999、『<弱さ>のちから』2001)によれば、ホスピタリティの本質は、自分よりも相手の存在が優位を締めるような関係として他者を迎え入れること。自己を差し出し、他者との関係の中に傷つくことも厭わずに自らを挿入していくような行為であり、その結果、それまでの自己をつきくずし、新たにアイデンティティを形成し、成長するきっかけとなる行為を意味する。