調査・研究部門 2002年度 公開事業活動

レイナ・ラップ(Rayna Rapp)講演会

Cell Life and Death, Child Life and Death: Genomic Horizons, Genetic Disease, Family Stories

社会学部 付属研究所 調査・研究部門主催

レイナ・ラップ氏(Rayna Rapp)について

講師のレイナ・ラップ氏は、現在、ニューヨーク大学人類学部の教授で、フェミニズム医療人類学の立場から、いわゆる「科学・技術の社会研究」の独自の展開をこころみています。遺伝子研究、遺伝病の医療、胎児の遺伝診断など、遺伝子にかかわる科学「現場」において、患者や親へのインタビュー、遺伝に関するカウンセリングへの参与観察、研究所での参与観察にもとづき、人びとの文化的アイデンティティ、技術、(胎児を含む)様々なオブジェクト、技術への態度などが、相互に琢磨され構成されていく様子を丁寧に分析しています。2000年にRoutledgeより公刊された著書Testing Women, Testing the Fetusは、とくに羊水検査や超音波検診に焦点をおきつつ、そのような研究の一つの総決算になっています。そこでは、LatourやCallonのactant network theory、Harawayのsituated knowledgeの議論など従来の様々な科学の社会研究を土台に、独自の議論が展開されており、それは、医療人類学にとってだけではなく、社会と医療と科学・技術の関係を考えようとする者にとってきわめて重要な洞察に満たされています。

今回の講演も、遺伝学研究所における参与観察、および遺伝病をもった子どもの家族へのインタビューにもとづくものです。当日は、とくに通訳をつける予定はありませんが、講演原稿のコピーを資料として配布する予定です。原稿にもとづいて、ゆっくりお話ししていただくようお願いしてあります。


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