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サックス,シェグロフ,ジェファーソン「会話のための順番交替の組織」(『会話分析基本論集』[世界思想社]の第1論文)
ディスカッション用質問リスト

  1. 「序」第1段落(8ページ)に挙げられているもの以外で,順番交替で行なわれる活動の例を挙げなさい.ただし,「発話の交換システム」とそうでないものを,それぞれ一つずつ(計二つ)挙げること.また,逆に,順番交替で行われない活動はあるか.一つ例を挙げなさい.
  2. 「序」第2段落に「異なる諸活動を組織するのに異なる順番交替システムが用いられる」(9ページ)とあるが,具体例を挙げてみなさい.例えば,授業の順番交替のあり方とおしゃべり(「会話」)での順番交替のあり方はどう違うか.
  3. 「序」第2段落に「活動は順番交替システムに制約される」とあるが(9ページ),具体的に考えてみなさい.例えば,授業という活動は,順番交替のあり方にどう制約されているか.
  4. 「序」第4段落で,これまでの研究で,発言や沈黙の分布が考察されることはあっても,順番交替の組織そのものが考察されることはなかったと,述べられている(10〜11ページ).この二つの考察の違いは何か.
  5. 「序」第6段落で「文脈から自由で,かつ文脈に敏感」ということが述べられる(14ページ).どういうことか.自分なりに解釈しなさい.(余力があれば,原注8にある「言語学者は・・・まったく異なるふうに使う」ということの意味も考えてみなさい.)
  6. 「序」における(1)〜(14)までの「観察できる諸事実」(16〜17ページ)でわかりにくいものがあれば,指摘しなさい.
  7. 「序」の上の諸事実のあとの(b)における「相対的分布」(19ページ)とは何を指しているか.
  8. 3.1節第1段落の「単位」(19〜20ページ)とは,何の単位か.「順番」との関係は?
  9. 3.1節第1段落の「予測可能性」(20ページ)は,原注12においてどのように証明されているか.
  10. 原注13の(a)で,サラはどのようにして次の話し手を選んでいると言えるか.
  11. 原注13の(c)で,ケンとロジャーはどうして自己選択したと言えるのか.
  12. 28〜29ページの規則群をアルゴリズム(yesかnoかにより次にどう進むかを示す図)で図示してみなさい.
  13. 原注14の(a)と(b)には,(c)には見えないある現象が観察できる.どのような現象か考えてみよう.(とくに次の話し手の自己選択が開始された直後に注目.)
  14. 規則(1b)が規則(1a)の選択肢の実行に制約されているだけでなく,規則(1a)の実行が規則(1b)の存在に制約されるとある(31ページ)が,どういうことか.
  15. 同様に,規則(1b)の実行が規則(1c)の存在に制約される(32ページ)とは,どういうことか.
  16. 二つの順番割り当て技法のあいだに序列がなければ,「一人ずつが話す」ということが損なわれるかもしれない(32ページ)とあるが,なぜか.
  17. 33ページに,順番間の切れ目と重なりの最小化は「問題を局所化する」というやり方で達成されるとある.どういうことか.
  18. 4.1節の事実(話し手の交替は繰り返される)はどのように説明されているか.
  19. 4.2節の事実(一人ずつが話す)はどのように説明されているか.
  20. 重なりには体系的基盤があると述べられ,2つの体系的基盤が紹介されている(4.3節).それぞれどのようなものか.それぞれ事例(2)と(3)および(5)〜(7)に即して説明しなさい.
  21. この2つの重なりの基盤と,重なりが短いという事実の関係を考えなさい.
  22. 4.4節に「もちろん,ある程度の切れ目や重なりが生じるための構造的な基盤もある」(43ページ)とあるが,「切れ目」が生じるための構造的基盤として,どのようなものが考えられるか.
  23. 4.4節で続いて「そもそもその基盤は,通常であれば切れ目も重なりもない順番の移行を保証する当の規則群に由来する」と述べられるが,どういうことか.
  24. 43ページで言う「順番の順序」とは何のことか.
  25. 順番の順序が多様になるのはどうしてか.簡潔に述べなさい.
  26. 44ページ最後のジムの発話("Agree::n'.")と45ページのジムの発話("No.")について,それぞれ,ここで論じられている「偏り」という観点から,どのような特徴をもつ発話と言えるか,考えなさい.
  27. 4.6節の(a)には,順番の大きさが多様である2つの理由が述べられている.何と何か.
  28. 4.6節の(b)の理由の実例となっている例を,本文のなかから探し,解説しなさい.
  29. 50ページの「単一の会話」とは何か.
  30. 発言順番の内容が多様であるとはどういう意味か.また,52ページに「『次の順番』は,『先立つ順番』によって,様々なやり方で制約を受けることがある」と述べられているが,どういうことか(具体例を挙げながら考えなさい).
  31. 53ページには,「現在の話し手が次の話し手を選択する」という技法を用いるときの(順番の内容に対する)制約について述べられている.どのような制約か.
  32. 4.9節の冒頭に「規則群は,『次の話し手でありうる者』の集合を最大化する」とあるが,どういうことか.またこのことと,「順番の相対的分布の多様性」とは,どのような関係にあるか.
  33. 4.10節について.会話者の数はどうして多様でありうるか.一言で述べてみよう.
  34. 58ページに「『会話者数』をパラメータとして」とあるが,どういうことか.
  35. 61〜62ページのデータ(14)は,何をどのように実証しているか.
  36. 62ページ最後の行の「あえて異なるやり方」には,例えば,どんなやり方があるか.
  37. 63ページに順番の大きさの多様性への歯止めについて述べられている.「会話者が3人になると,順番の分布が多様にな」るとは,どういうことか.また「順番の分布が多様にな」ると,どうして順番の大きさの多様性に歯止めがかかるのか.
  38. データ(15)は,何の例か.また,データ(15)の(最初の2つの)矢印の直後の(2つの)発話には,共通した特徴が見られる.どのような特徴か考えてみよう(本文には書かれていないので,各自いろいろ考えてみてください).
  39. 65ページの「語らいが連続的でありうること,この可能性は規則群により保証されている」とは,どういうことか.
  40. 語らいの不連続性の可能性は,どのようにして与えられるか.(65ページの最初の段落と66ページの2つ目の段落を合わせて考え,答えてみよう.)
  41. 「中断」の出現しうる位置が制約されているというのは,どういうことか.65〜66ページの記述に即してまとめてみよう.
  42. 4.12節の(a)では,「現在の話し手が次の話し手を選択する」技法の典型的なやり方について述べられている.それは何か.
  43. テキストに挙がっているもの以外の,「隣接ペア」の例を,考えてみなさい.
  44. 4.12節の(b)(c)(d)は,「典型的なやり方」からのずれが述べられている.それぞれについて,何がどうずれているのか,まとめなさい.
  45. 79ページに「こうして,順番の大きさを最小化するよう,両方の側から圧力が加わる」とあるが,「両方の側」とは,何と何か.
  46. 4.12 (c)における「規則(1c)後の規則(1a)」とはどういうことか.(30)(31)における矢印の発話が,これに近い.この例に即して考えてみよう.
  47. 80ページで「そのとき,自らの発言を,最も早くに開始しながら,しかも同時に,単位タイプの始まりから[現在の発話と重なることなく]開始できるか」という問題があるといわれているが,どういう問題と解釈できるか.次の3点について考えなさい.
    ・ なぜ「単位タイプの始まり」から開始できない可能性があるのか.
    ・「単位タイプの始まり」はどうして重要なのか.
    ・この問題への解決の1つとして「付加表現」の使用が挙げられているが(81ページ),これはどういう解決か.
  48. データ(23)のポイントを(f)の記述に即してまとめなさい(とくに「特定の単位タイプの産出」との関連で).
  49. 85〜86ページで,順番構成単位のタイプと統語法の関係が語られている.どのような関係だと語られているか.データ(24)(28)に即して述べてみよう.
  50. 「音の産出法」が重要でありうる(90ページ)とは,どういうことか.
  51. 統語構造と順番交替構造のあいだ」の相互作用(91ページ)とは,何のことか.
  52. 93ページの事例(32)と(33)のポイントは,何か.
  53. 4.14節のタイトル「順番交替の誤りや違反に対処するための修復のメカニズム」とは何のことか.次の点について答えなさい.
    ・順便交替の誤りや違反としてどのようなことが述べられているか.
    ・その修復としてどのようなことが挙げられているか.
  54. 「順番交替とは関係ない修復も,順番交替システムの制約を受ける」(99ページ)とはどういうことか.
  55. 5節において,「このモデル」は,a) 局所的な管理運営のシステム,b) 会話者自身により管理されるシステム,c) 相互行為的に管理されるシステム,という3つ特徴をもつといわれる.これと関連して,
    ・「局所的」とはどういうことか.
    ・「順番の大きさの決定も,局所的になされる」(103ページ)のは,なぜか.
    ・107ページから108ページにかけて,「順番の大きさもまた,・・・相互行為的にもたらされた結果である」とあるが,(最も単純に考えると)これは,どういうことと言えるか.
  56. 109ページの「受け手にあわせたデザイン」とは何のことか.
  57. 6.1節で,「聴くことへの動機付け」はどう与えられると述べられているか.
  58. 6.3節の「分析のための『証明手続き』」とは,具体的に何のことか.(何がどうやって証明されるのか.)
  59. 7節で「会話の位置」はどのような位置と述べられているか.