No.38  韓国ドラマ『宮廷女官チャングムの誓い』

 

角田真理子 記 

 毎週楽しみにしているドラマがある。『チャングムの誓い』という韓国ドラマ(NHKBS11木曜22時〜23時)である。このドラマは15世紀末から16世紀の韓国で、王の主治医にまでなった実在の女性をモデルにしたもので、はじめは王宮の料理担当女官になり、その後医女になって行くというストーリーである。ちなみに韓国では、50パーセントを超える高い視聴率を取ったドラマだということである。

 まず、ドラマとしてとても面白い。主人公の父が不思議な老人に会い、3人の女について予言され、3人の女に出会っていくのだが、その3人目が娘でありこのドラマの主人公チャングムである。チャングムは子ども時代の子役と成長してからの役と2人が演じているが、2人ともとても魅力的である。子役のチョ・ジョンウンは、もっと美人の本命を退けて抜擢されたというが、さまざまな逆境を乗り越えていく役柄を本当にチャーミングに演じている。また、成長してからを演じるイ・ヨンエは美人で聡明だが何だか天然という役柄にピッタリである。

 敵役のチェ一族との争いで、毎回、さまざまな試練がありそれを果敢に乗り越えてゆくドラマチックな展開が主だが、そこに恋愛もあり、毎回目が離せない。

 もうひとつの魅力として、食や医療をはじめとする韓国の文化や歴史に関して興味が尽きないことである。チャングムの母が宮廷料理人であったが、罠に係り毒殺されそうになり、結局追っ手に殺されてしまう。チャングムはその死に立会い母の望みをかなえるべく、まず、宮廷料理人になる。しかし、身に覚えのない罪を着せられ身分を落とされて済州島に追放されてしまう。そこで医療に出会い医女になっていく。

 韓国の王族の歴史やさまざまな宮廷料理、そして16世紀には完成していたという漢方の知識などさまざまなものに毎回興味をそそられる。韓国の食は体調と密接に結びつき、まさに医食同源といったものである。また、明国からの使者や倭寇なども登場する。

 さまざまな面白さがあるが、最も魅力的なのは、ひたむきに生きるという姿勢ではないかと思う。チャングムは、逆境にあえばあうほど強くなり、それを乗り越えていく。その乗り越え方が、運と才能だけではなく、強い意志とひたむきな努力に支えられている。

 『おしん』に近いともいえるが、全編それよりドラマチックである。7月の後半に前半27話までの集中アンコール放送をしていたが、秋からはNHK総合(1チャンネル)で土曜の夜(23時〜24時、現在放送中の『オールイン』の枠)に放送予定であるとのことで、また観てしまいそうである。

ページトップへ戻る