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No.2 「ネットビジネスの法律知識」を読んで(牧野和夫、日経文庫、2001年6月)
河村寛治 記今月の本として、もう一冊是非紹介したい。 この本は最近インターネットの普及により急速の拡大したネットビジネスにつき、高度に利便性が高まった反面、多くの新しい問題が発生していることから、ビジネスを行う際に発生する法律問題とその解決策をわかりやすく整理しコンパクトにまとめたものである。 ネットビジネスにおいては、なりすましによる詐欺取引、他人のシステムへの不正アクセス、ネットストーカー、個人情報の不正入手と取引、ドメインネームの不正取得、デジタル著作物のウェブ上への違法掲載、電子伝言板での名誉毀損、ビジネスモデル特許取得によるビジネスの独占や、わいせつ画像のウェブにおける違法頒布などが問題になっており、また適用される法律や事件を審理する裁判所の管轄の問題や、またネットビジネスにおける税金問題などもある。これらを含め現在起きているインターネット関連の問題をこまめに拾い上げ、わかりやすくまとめている。 同種の本も最近出版されているが、この本はネットビジネスに関係するものを対象とするだけではなく、広く一般の企業人や学生にも理解してもらおうと、インターネット社会で発生する問題を幅広く捉え、新しい問題を非常にわかりやすく整理し、最新の情報をも取り入れながら、説明している点で、他の類書に勝っている。 この著者は、アップルコンピュータの法務部長から、転進し国士舘大学で教鞭をとることになった経歴の持ち主で、このネットビジネスの法律問題においては第一人者であり、ここ明治学院大学法学部においても非常勤講師として最先端の法律問題を教えていただいているわけであるが、この本は、本人いわく、ここでの授業のため準備し整理した成果であるとのことであり、最先端の法律問題を簡単に理解するための最適の書である。 先端分野から法律問題を学ぶとする消費情報環境法学科の学生には、是非読んで欲しい本である。 |