No.46 アイアンマン(トライアスロン)参戦記

鶴貝達政 記


 2年前から趣味で始めたトライアスロンのアイアンマンタイプ(3.8kmスイム、180kmバイク、42.2kmラン)に初挑戦するために、8月27日(日曜日)にカナダのペンテイクトンで開催される大会、 アイアンマン・カナダ へ出かけました。

 8月24日(木曜日)成田からカナダへ出発

  トライアスロンのアイアンマンレースには、金曜日には現地に入り、余裕を持って大会に臨むという規則があり、木曜日には現地のカナダに到着する必要があるので、木曜日の夜の19:00便で、カナダへ出発する予定でした。トライアスロンに参加するためには、自分の荷物と一緒に自転車も送らなければならないので、荷物の重量は、通常の海外旅行の2倍位になります。予め、成田に送ってあった自転車を受け取り、スーツケースとともに搭乗手続きを終了し、出国審査を済ませて飛行機の案内を待ちます。ところが、飛行機の整備に時間がかかっているようで「出発時間が遅れる」のアナウンスです。30分、1時間と延長のアナウンスの後、「本日は飛行機の整備不良のため、出発できない」との最終アナウンスです。結局、その 日は成田空港近くのホテルに泊まることになりましたが、出国審査を済ませているため、その手続きを無効にする(パスポートの出国の印の上にVOIDの印を押します)という、初めての体験もしてしまいました。

  8月25日(金曜日)成田からカナダへ(再)出発

 結局、昨日の便のトラブルは解消せず、午前中から午後の早い時間には出発することができません。カナダから呼び寄せた代替便で、20:30にやっとバンクーバーへ向けて出発です。バンクーバーには無事に到着したものの、夏休み真っ盛りのせいでしょうか、入国手続きカウンターでは長蛇の列で、時間がかかります。手続きが終了したのは、ケローナへの乗り継ぎ便の出発30分前です。ここでまた遅れることはできないので、乗り継ぎ便の搭乗口まで走りました。出発時間ちょうどに 無事到着して、ケローナへ出発です。ところが、荷物が走った私たちより早く積み 込まれるはずはなく、ケローナに到着後は荷物のないまま、バスで現地のペンティクトンのホテルへ向かいました。途中、大会に登録する場所によってみますが、終了時間を過ぎているため、明日の朝に登録するように言われてしまいました。ホテル到着後は、荷物もないので、買い物以外にやることがなく、スーパーとリキュールショップに買い出しに出かけます。インスタントラーメン、パン、ハム、チーズ、卵、牛乳、ジュース、ビールなどなど買い込んできました。結局、夜まで待っていた私の荷物は、その日にはホテルに届きませんでした。

 8月26日(土曜日)アイアンマン大会前日

 朝7時に起床します。私の荷物はまだ届きませんが、自転車だけは到着している(バンクーバーからトラックで輸送)ので、自転車を組み立てます。荷物が届いている人々はスイムの試泳やジョギングができますが、私は、朝食を食べた後は、皆の様子を眺めるだけです。9時に大会の登録場所へ出かけて、登録を済ませ、ゼッケンやトランジットバック(スイム、バイク、ランの間に預ける荷物を入れておく、 例えば、着替えや靴など)を受け取りました。朝市が出ていたので新鮮な野菜などを買ってホテルに戻ると、やっと、私の荷物が到着していました。早速に荷物の中からウェットスーツを取り出して、スイムへ出かけます。ペンティクトンは避暑地なので、ホテルの目の前が、スイム会場の湖です。心配していた気温、水温はそれほど低くないので、一安心です。午後は明日のレースの準備(先ほどのトランジッ トバックに荷物を整えて、それぞれの場所に運びます)をして、夕食の後は早めに 休みました。

 8月27日(日曜日)アイアンマン大会

 レース当日は、3時に起床です。持ってきたレトルトのご飯と卵やハムで朝食を済ませます。5時少し前に、大会会場へ向かいます。レースは長いので、途中、補給食が必要になります。特に自転車は降りて補給食を受け取ると時間のロスになるので、可能な限り持って走るため、その準備をしていると、スタート1時間前になりました。バナナを1本食べてから、ウェットスーツに着替えてスイム会場へ入場です。

  狭い岸辺に2500人以上のアスリートがひしめきます。「あなたのスイムタイムはどれくらい?」とカナダの女性アスリートから聞かれます。「そうだな、1時間 30分位だね」と答えると「私もそれくらいだ」と言われました。他の人にも同じ 事を聞いて、自分の泳ぐ位置を探しているようでした。

 スイム・コースは細長い三角形1周回する3.8kmです。

 7:00に大砲の轟音とともにスイムがスタート。長い1日の始まりです。

Swim

 スイムは一周回なので、バトルで争うこともなく、皆、自分のポジションで泳いで いるようです。それでも、2回ほど頭を殴られましたが「I'm sorry !」と言って、先に行ってしまいました。湖は淡水で波も大きくないので泳ぎやすく、その後は問題なくスイムのゴールへ。スイムのタイムは、1時間23分02秒でした。

 スイムからバイクへのトランジットでは、沢山のボランティアの方達が、ウェットスーツを二人がかりで脱がしてくれます。芝生に寝っころがると足の方へ引っ張っ てくれて、脱いだ後は起こしてくれます。感謝、感謝の「Thank you !」です。着替えのテントの中で、まず、朝に用意した梅干入りお握りをほおばります。バイク シャツとバイクパンツに着替えて、いざ、バイクに出発します。

 バイク・コースの最初の20kmは、平坦ですが道が狭いところもあり、他の選手とつながった団子状態がしばらく続きます。右手には湖が広がり、その向こうには 山が見えます。その後は最初の(まだ、小さい)峠です。これは問題なくクリアし て、コースの難所の大きな峠に挑戦します。予め、WEBでコースをチェックして いましたが、予想に反して、これでもか、これでもかと下った後に登りが続きます。 観客の声援に力を貰いながら、頂上へ到着。これを下るとコースの半分(90km) になります。下りきったところで、問題が発生です。左足の甲部分に痛みを感じます。走りながら靴のバンドを緩めますが痛みは治まりません。

Bike

 次に2つ目の峠があることはわかっていたので、その峠が最初のと同じ位か、急な厳しい峠だったら難しいな、と走っているとカナダの選手から「どうだ、元気か?」 と声をかけられます。「だめだ、疲れた、最初のIMなんだ」と答えると「そうか、 ボクもこれが初めてなんだ、がんばれ!」と抜いて行きました。不思議なもので、これで少し元気を貰って残りの力が沸いてきました。その後は左足甲の部分の痛み は治まらず踏む足にも力が入らないので、泣きそうです。次の峠が気になりますが、 走りながら、2つ目のおにぎりをほおばって、それに備えます。さて、最後の峠に 差し掛かります。軽量化のためか、水分を補給するためのエイドでもないところでボトルが山になっています。私も半分以上残っているボトルを捨てて、峠に挑みました。幸いにこの峠は1つ目の峠ほどには急ではなく、比較的緩やかだったので、頂上まで到着。残りの30kmは下りなので、踏まなくてもゴールできるのですが、その後のランが走れるのかが心配になりました。

 バイクを無事終了し、ゴールのラインを過ぎてからバイクを降ります。バイクのタイムは6時間53分45秒でした。長かったなが実感で、ボランティアの方にバイ クを預けて、ランのトランジットバッグを受け取り、着替えのテントへ。バイクウエアをランウエアに着替えながら最後のおにぎりをほおばります。ここで今回の必殺技、友人に教えてもらった「正露丸」を水で飲み込んで、いざ、ランへ出発です。

 ランコースは、バイクコースの最初の湖に沿っての折り返しコースです。心配した 足の甲の痛みはランには影響しないようで快調です。街中を通る時には、応援の方 も多く、「WAY TO GO!」、「YOU CAN DO IT!」との声援に力を貰います。時々、 「がんばれ!」と日本語で声援をしてくれるカナダの方もいて、「ありがとう!」 と答えながら先を急ぎます。暑いです。1マイルごとエードでは、バナナ、オレンジ、ゲータレード、コーラ、氷を貰いながら、右手の湖を眺めて走ります。実際、周りを見ると走っている選手は少なくて、コールを確信してか、楽しそうにお話をしながら歩いている選手がほとんどです。押り返し地点に近づくと今までフラットだったコースにアップダウンが加わり、疲れた身体には堪えます。

Run

 残り折り返しまで、1マイル弱の登り坂に差し掛かり、私の足は停まりました。その後は、トライアスロンの練習仲間に教えてもらった、足が停まったときの対処方法、100歩走ったらご褒美に100歩歩くを繰り返して、ゴールを目指します。ゴール手前の街中では、また、観客の声援も多くなり、最後の力を振り絞って無事ゴール。アイアンマンになった瞬間です。

Goal

 ランのタイムは5時間17分53秒、総合成績は、14時間1分58秒でした。

Finisher

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