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No.5 『パソコンプログラミング入門以前』を読んで(伊藤華子著、毎日コミュニケーション 1600円)
鶴貝達政 記この本はプログラミングの入門書ですが、題名に「以前」とあるように、この本を読んでプログラムが作成できる (プログラミングの世界では「プログラムを組む」と言いますが) ようになるわけではありません。 パソコンを使いこなせるようになると「こんなことはできないだろか?」とか「プログラムが組めるようになりたい」と考え出すことがあるでしょう。それでも「プログラムミングの入門書は難しい」と考える学生や途中でプログラミングを断念した (情報処理の講義を断念した?)学生もいると思います。そのような学生のスタート (再スタート) のために良い本です。 コンピュータで仕事をするには3つのものが必要です。ハードウェア(パソコン本体)、ソフトウェア (プログラムやデータ) 、ユーザー (コンピュータを使って仕事をする人) です。コンピュータが我々が日常に使用する道具、例えば、食べ物や飲物を冷やす冷蔵庫や衣服を汚れをとる洗濯機を異なる点は、ソフトウェアがあるという点です。ソフトウェアを変更することによって、コンピュータは今できる仕事とは別の仕事をするようになります。 本書はプログラムとは何なのか、どんな部品からできているのか、何をしているのか、プログラムの扱うデータとは何なのか、を特定のプログラミング言語を取り上げて説明するのではなく、身近な例を用いながら、やさしく説明していきます。 例えば、「プログラムとは何なのか」を誰でも子供の頃に遊んだことのある「○×ゲーム」を題材に展開していきます。プログラムを作成する際に必要である以下のような手順: 行動分解 → アルゴリズムの作成 → 視覚化(フローチャート化)→プログラムの作成(コーディング:命令文の入力) → コンパイル(人の理解可能なことばからコンピュータの理解可能なことばへの翻訳)→ ディバッグ(プログラムの誤りを修正) → プログラムの実行が順序よく解説されていくので、わかりやすいでしょう。 プログラミングの面白いところは答えがユニークではないことです。ある仕事が可能なプログラムは無限にあります。しかしながら、良いプログラムと悪いプログラムがあるのです。この本ではその良いプログラムの作り方や悪いプログラムの例も紹介されています。 また、完成品 (長いプログラム) を最初からつくることは難しいので短いプログラムを何本か作成して (実際はプログラム入門書の例題をコピーし、少し変更して実行を確かめることで数本のプログラムができる)といったプログラミングのこつや初心者のみならず上級者でも陥りやすいプログラミングの誤り「無限ループ」等がコラムとして載っているので参考になります。 本の構成はトピックス別になっているので、好きなページから読むことも可能ですし、Webページのようなハイパーテキストにはもちろんなっていませんが、いたるところに参照マークが付いていて、読者の助けになるでしょう。 さあ、この本を読んで、プログラミングを始めてみませんか? |