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【学修目標】法哲学とは、法および法的現象について哲学的な視角から研究する学問であり、通常、(1)法の一般理論(法概念論)、(2)法価値論(特に正義論)、(3)法学方法論(特に法的思考の研究)という3つの領域に区分される。春学期の講義では、これら三つの領域のうち、特に(1)と(2)に関する諸問題を、共時的・体系的な視角から考察することによって、現代法哲学の基本的な問題状況を正確に理解することを学修目標とする。
【講義概要】現代法哲学における基本問題を、教科書に書かれていない最先端のテーマも含めて、共時的な視点から横断的に扱う予定である。
【授業計画】
【第1回】法の現況と法哲学
【第2回】公正としての正義
【第3回】法の全体像
【第4回】法の妥当性
【第5回】近代法の成立と諸原理
【第6回】法システムの構造
【第7回】法システムの機能
【第8回】リベラリズムとパターナリズム
【第9回】正義の観念(1):正義観念の多様性
【第10回】正義の観念(2):プラトンとアリストテレス
【第11回】正義の観念(3):形式的正義と手続的正義
【第12回】価値相対主義(1):新カント派
【第13回】価値相対主義(2):メタ倫理学
【第14回】リベラルな正義論と倫理学
【第15回】定期試験の予定(試験日は未定)
【準備・アドバイス】 法哲学に関する予備知識は要求しないが、教科書の予習とまじめな出席が単位取得の必須要件である。
【教科書】平野仁彦・亀本洋・服部高広『法哲学』(有斐閣、2002年)
【参考書】中山竜一『二十世紀の法思想』(岩波書店、2000年)。他の参考書は授業中に指示する。
【成績評価の基準】定期試験80%、平常点20%として成績を評価する。なお、授業時間中の発言やコメント票の提出は加点因子とし、私語・遅刻入室・途中退室などは減点因子として扱う。
【オフィスアワー】質問は毎回授業の終了時に受け付ける。なお、特別TA制度も積極的に活用してほしい。