4.高いところ 今はほとんどなくなったが、私は昔高所恐怖症であった。高いところに行くと、自分がそこから飛び降りてしまうのではないかと自分が信用できなくなってしまう感覚が怖かった。小学生のころからいままで、よく見る夢に「飛び降りる」という夢が多くある。ある時はビルから飛び降り、ある時は階段から飛び降りる。しかも、自分から進んで飛び降りることが多い。大体は飛び降りる時点でその夢は終わり、目が覚めるか、次の夢に移動している。2歳の頃にベッドサイドから落ちて腕を骨折したことがあった。痛みの記憶は全くないのだが、落ちる時、床が自分に近づいてきているという記憶だけが残っている。私の高所恐怖症の原点はここにあるのかもしれない。 自分が高所恐怖症だと認識したのは螺旋階段を上った時。その階段は段のあいだから下がよく見えた。その隙間から下が見えることがとても怖く、次に足を踏み出すごとに底が抜けて落ちるのではないかと思ってしまう。階段の中腹で怖くて動けなくなっているところを友人に引っ張ってもらってなんとか上がったことを覚えている。 しかし、高い山の上は好きだ。この前散歩がてら近くの山に登ってきた。よく街が見えるところでギリギリのところに立って下のほうを見下ろしてみたが、そこまで足がすくむような恐怖は感じなかった。そこから見える景色は別に怖くない。京都旅行に行った時清水の舞台にのぼったが、そこでも恐怖は感じなかった。むしろものすごく高いところを想像していたため「なんだ、こんなもんか」と拍子抜けしたことを覚えている。しかし、螺旋階段は怖い。最後にのぼったのが中学生の頃のため、今は怖くないかもしれない。しかし、螺旋階段を上った時のことを想い出すだけでも寒気がする。 高所恐怖症の人に話を聞くとジェットコースターが苦手、という人もいる。しかし、私はジェットコースターは大好きである。ますますわからない。私は高所恐怖症なのか。心理的な問題のためはっきりとしたことがわからない。とりあえず機会があればもう一度、最も恐怖を感じたシンフォニー彫刻に挑戦しに行ってみようと思う。 |