1.靴下

 私は靴下が大好きである。季節ごとに自分の好きな靴下のブランドの新しいラインは絶対にチェックするし、靴下を扱っているセレクトショップにもよく足を運ぶ。「靴下屋」という店にもよく足を運んでいる。シンプルな靴下を買って、自分で装飾して履くこともある。好きな靴下のブランドは、Antipast、Kiwanda、Ayame、YAKAなど。どれも色合いがくすんでいたり可愛らしかったり、乙女心をくすぐられ、なのに女性らしくて、デザイン性が高い。

 そもそも私がこんなに靴下にはまったのは、高校生のときだったと思う。夏に、まわりの皆が素足にサンダルをはいている中で、私は靴下を履いていた。まわりからは「暑くないの?」と何度も言われたが、私はクーラーなどで足先が冷えるのが嫌だったのだ。そのような必然性から、夏に履いても暑苦しくない靴下を探すようになり、どんどん靴下にはまっていったのだったと思う。

 私は春夏秋冬と、なんとなく履く靴下を分けている。季節によって素材や色、雰囲気がかわるのを楽しめるのも魅力なのである。春夏はシースルーやチュールなど、すける素材や、綿素材など、涼しげに見えるものを主に履く。色は、パステル、明るい色、春らしい淡い色、夏らしいパキッとした色など…。秋冬はニット素材で分厚く温かいものを主に履く。ベロア素材を部分的に使用したデザインや、ワインレッドなど深い色を使ったものが多くなる。このようにして、靴下のことを考えていると、楽しくてたまらないのである。

 靴下の魅力は、それだけではない。お洋服より安くて、気軽で、たくさん集められるということにもある。洋服はどうしても値段が高かったり、増えすぎると困ったりしてしまうため、買う際に非常に迷う。けれども、靴下はかさばらず、値段も様々な価格帯があり、どの価格帯にも可愛いものを見つけられるので、それも魅力のひとつである。ただ私は、まわりから「高い靴下をはいている」とよく言われてしまう。確かに私がよく購入している靴下ブランドは、一足2000~4000円程度はする。自分で買っていて、高いと思うこともあるが、それだけ生産量が少なく特別感があり、ひとつひとつこだわった作りのものばかりなので、私はその値段を受け入れ、購入しているのである。

 靴下は、一足分の小さな、ぎゅっとまとめられた世界を持っている。同じ形の中に広がる多様性を持っている。素材、色、さわりごこち、デザイン、長さ、靴との相性、ボトムとの相性など、私が靴下にこんなにも惹かれるのは、それが持つ多くの魅力によってなのである。

(画像1。最近購入した靴下。どちらもうすい素材で春物。)