2.日本のおもてなし 日本のおもてなしの心、ホスピタリティは、誇るべきもの、そして守っていくべきものなのではないかと思う。けれども最近、自分が受ける接客が、自信をもって「日本のホスピタリティはすばらしい」と言えるようなものではないことを、考えずにはいられない。 私はもともとファストファッションのお店は、洋服の数が多すぎて選びかねてしまうためあまり足を運ばないのだが、つい最近珍しくH&Mに足を運び、気に入ったカーディガンを見つけた。間もなく閉店の時間だったためか、レジには長い列ができていた。そのフロアにいる店員の方に「別の階のレジなら並ばずに会計ができるから移動してください」と念を押され、別の階へ移動した。けれども別の階にも同じような列ができていた。さらに、前の人にならって並んだにも関わらず、逆側に並んでくださいと言われてしまい、その指示に従うと、うしろに並んでいた人にぬかされてしまう始末。やっとのことでレジの順番がきたが、レジの女性は私が買ったカーディガンをめんどくさそうにたたみ、私の方を一度も見なかった。もちろんその誘導に対する謝罪もなかった。 そのとき、私は海外に旅行に行ったときに受けた接客を思い出した。海外に行くと、その度に日本のおもてなしを誇りに思っていた。以前スペインを旅行したときに、ファストファッションブランドであるZARAの店舗に行った。可愛いワンピースを見つけレジへ持っていき、お会計を済ますまでの間、レジの女性は隣の女性とずっとおしゃべりをしていて、私と一度も目を合わせず、「グラシアス(ありがとう)」もなかった。海外のファストファッションブランドの店舗などでは、このように雑な接客をされることが非常に多いのではないかと思う。洋服が好きでここに勤めているのではないか?と問いかけたくなってしまうほど。 今回私がH&Mで受けた接客は、それと同じように感じた。雑な接客にむかついたというよりも、このままでいいのだろうかと大きな不安と納得のいかない思いを抱いた。もちろん、気持ちのよいサービスを当たり前のものと思っているわけではないが、日本が誇るべきと言われているおもてなしの心がなくなっていってしまうのではないかという不安だった。私は就職活動で、サービス業を受けていることもあり、最近はとくに誰かを喜ばせることだとか、気持ちのよい接客をすることなどについて考えていた。飲食チェーン店などでは、接客がマニュアル化されており、それはそれで違和感を持つこともありますが、私たちの文化が持っているはずの、おもてなしの心というのは、なくしてはいけないものなのではないかを思うのである。 |