12.声優の存在 私が声優を好きになるのは、アニメを見ていて自分の好きなキャラクターに声をあてているときである。私が初めて聴いて好きになったキャラクターは、「テイルズオブヴェスペリア」というゲームの主人公・ユーリを演じている、鳥海浩輔さんだ。その演技を聴いて「格好良い!!!」と思った私は、彼が出演する他のアニメをチェックしてみたのだが、それらのアニメでの彼の演技は、ユーリほど自分の好みの演技ではなかった。そこで私は気付いた。私は、声優が好きだが、「自分の好きなキャラクターを演じている」声優が好きなのかもしれない。とすれば、声優とはどんな存在なんだろうか。 声優の仕事は、アニメのアテレコの他にも、吹き替え、ナレーション、朗読、ドラマCD、歌手など、仕事の幅は非常に広い。ゲーム「戦国無双」で直江兼続役の高塚正也さんが、フジテレビの番組「おじゃマップ」のナレーションで名前が出たときは、「こんなところに高塚さんが!」と驚いて、思わず聞き入ってしまったくらいだ。「声優」を、役者としての声優ではなく、○○を演じている●●という声優、といった具合に、「アニメ、ゲームのキャラクター」を介してまず好きになっていく。私が今一番の目標にしている田中真弓さんも、ジブリの「天空の城ラピュタ」でのパズーに感動しなければ、目標にはならなかっただろうと思う。 それはイベントでも特に感じる。今までゲームのイベントは4回ほど行ってきたが、キャラクターが好きで、そのキャラクターを演じることが出来るのはその声優さんだけだから、彼らを応援して声援を送る…という気持ちがある。彼らの人気は、トークの上手さや人柄でファンになる前に、何か一つ、「人気のキャラクター」に声を当てることで爆発的に上がるのではないだろうか。ひとつのジャンルで非常に人気のキャラクターに声をあてていると、どこかでその名前を見たときに、「あ、○○で●●演じてる声優さんだ!」と反応することが出来る。私たちと声優との間には、必ず「キャラクター」という媒体があって、私はそのキャラクターを通して声優を好きになるのだと思う。 近年、漫画やアニメの舞台化が流行っている。基本的に声優ではなく舞台役者を起用するのだが、中には、声優をそのまま起用して公演している作品も出てきている。私は、声優の演技とキャラクタービジュアルで作品を好きになることが多いので、ファンを喜ばせるならそのキャスティングは「あり」だと思う。なので、私も声をあててそのまま舞台に起用してもらえるような演技力を身に付けたいと思っている。 |