13.都合の良い占い

 占いを信じているか?と聞かれれば、私がご都合主義なもんで、自分にとって良い結果は信じて、あまり気に入らない結果は信じない。かといって、良い結果をずっと覚えているか?と言ったら、そんなことはない、雑誌を読んでその辺に置いた時点で忘れている。それでもなんだか、雑誌の占いはチェックしてしまうし、朝、7時50分、または6時50分に起きられたら、めざましテレビの「今日の占いカウントダウン!」を見てしまう。別にその後に影響を及ぼす訳ではないのに、どうしても見てしまうのだ。

 雑誌「OZ」は、半年に一回、上半期と下半期の占いを集めた特集号が出る。B6サイズの雑誌の見開き分いっぱいにひとつの星座が特集されているため、じっくり読むには立ち読みだと罪悪感が湧いてきて買ってしまう。その日のうちの占いや一週間、一ヶ月程度の占いはさっぱり忘れてしまうのだが、この雑誌の占いは、例えば上半期なら、1月から6月までの、それぞれ一ヶ月ごとの運勢が書かれている。私が、2月にオーディションがあったとする。その2月に「挑戦するなら今!」なんて書いてあったら、良い結果が出るんじゃないか!?と期待してしまう。そういった後押しがある分、落ちた時のショックは大きい。良いことが書いてある分、ある程度は「占いだから」と割り切っておかないといけないが、やはり自分がそこにかけているときに良い言葉が書いてあると、どうしてもそれを信じてしまうのだ。

 では反対に、悪いことが書いてあったとしたら。もし前述のように、オーディションが2月に迫っていて、「2月は挑戦は避けるべき、堅実に」なんて言われたら、おそらく私はこの占いのことを忘れるだろう。持っていても仕方のない情報だからである。それか、「オーディションでは変なことをせず、堅実に受けよう」というように、自分に都合良く解釈してオーディションに望むだろう。良いことを言われた時より、悪いことを言われた時の方が、傷は浅いような気もする。

 「占いはあくまで占い」、そんな線引きは私の中でもきちんとしているつもりだし、占い結果を信じるも信じないも自分次第、という意識はちゃんと持っている。しかし、やはりコンビニによれば雑誌の占いを見てしまうし、朝のニュースでは占いをチェックしてしまうのだった。