11.フェチ

 あなたは、何フェチ?
 これは、その人自身を知るためによく使われる質問である。しかし、初対面の相手に対して使うには非常に難易度の高い質問でもある。フェティシズムには、匂いフェチ、声フェチ、手フェチ、足フェチ、などスタンダードなものから多く存在する。

 フェティシズムは、心理学では性的倒錯の一つのあり方で、物品や生き物、人体の一部などに性的に引き寄せられ、性的魅惑を感じるものを言う。極端な場合は、性的倒錯や変態性欲の範疇に入る。このように、フェティシズムとは、その人個人の持つ嗜好のことである。そこには、その人自身の隠された願望が潜んでいたりする。つまり、その人自身のうわべだけではない何かを理解するためにとても重要なものであるような気がするのである。

 また、フェチは年齢が上がるにつれて変わっていく、という声もある。
 中高生の頃、友人たちとフェチについて話すときは「手」フェチが多い。しかし、年齢が上がっていくにつれて「声」フェチが増えていくような気がする。女性が男性を選ぶ基準としても、初めは見た目などから入り、次第に声に反応するようになると言われている。つまり、フェチは異性に恋をする際の指標にもなるということなのだろうか。しかし、萌えとタイプは違うという声もある。つまりは、フェチの対象と好きになる対象には何のかかわりもないということだろうか?

 私のフェチは、目フェチである。女の子の場合は下まぶたがわりと真っ直ぐで上まぶたの形がふっくらとして少しはねているのが好きである。男の子の場合は、一重でも二重でもネコ目が好きである。それでも何よりも、目の形がきれいな人であればずっと見ていられる。それは、目を見て話しなさいという教えの元、目を見ながら話していたときに発見した自分の好みである。そしてこの私のフェチは、好みにも関係する。というよりも、好みから生まれたフェチなのかもしれない。ということは、フェチと好みは前後することがあるということだろうか。