2006年度「白金法学会論文賞」審査結果

1.総評

 白金法学会論文賞は、昨年度に新設されたばかりの賞であり、今回の実施は第2回目に当ります。まだこの賞の存在はあまり学生の方々に知られていないらしく、昨年度は1件、今年度は2件の応募に留まっています。この論文賞の存在をもっと広くアピールし、より多くの方々に応募していただくようにすることは、今後の課題の1つです。しかし、より重要なことは、この論文賞でどのような論文が求められているかについて、認識していただくことでしょう。以下で、そのことについて述べていきます。
 まず、「論文」であるからには、当然、論文らしい形式を有していることが求められます。普通は、問題の提起・背景の解説から始まり、事例の分析・考察を行った後、結論を書きます。文章は終始論理的に展開し、直観的な記述や論拠のはっきりしない議論は避けるべきです。論文を書く際、当然ながら、さまざまな参考文献(単行本、雑誌に掲載された論文、Webサイトに掲載された文章など)を調査・検索し、そこから必要な情報を収集する必要があります。それらの情報をうまく取り込んで議論を展開していくことで、内容の濃い論文を書くことができます。しかしながら、その際、最も注意しなければならないのは、文献引用の仕方です。文献引用の方法には、直接引用(参考文献に書かれている文章をそのまま持ってくる)と間接引用(その内容を自分の言葉で要約する)という2つの方法がありますが、いずれの場合でも引用文献名と引用箇所を明示すると共に、本文中のどこからどこまでが参考文献から引用してきた部分で、どこからどこまでが自分自身で書いたオリジナルな部分であるかを明確に区別する必要があります。そうでないと、他人の書いた著作物を盗用したことになってしまいます。それゆえ、このルールは必ず守られるように徹底しなければなりません。
 今年度応募されてきた2本の論文は、どちらも多くの参考文献をよく勉強し、情報をよく収集して分析した上で、論文と呼ぶにふさわしい形式で作成されていました。また、論文賞の募集要項で注意を喚起していたこともあり、厳密な文献引用に関するルールを守って作成されていました。それらの点は、高く評価できます。しかしながら、その結果、論文に書かれていることの大部分が参考文献から引用されてきたことで成り立っていて、本人自身のオリジナルな意見や考察が質的にも量的にも不充分であるということもはっきりしてしまいました。情報を収集することだけに懸命になって、参考文献に書かれている意見や考察を単に追認しているだけだったり、収集してきた情報を消化しきれずに、浅い考察だけで終わってしまったりしているという印象がありました。それゆえ、今年度の2本の応募論文は、惜しくも「参加賞」に相当するとの結論に至りました。
 参考文献に書かれている意見や考察を充分吟味した上で、参考文献に書かれていることとは異なる意見や考察を述べたり、独自の視点で情報をまとめ直したりするなど、何らかの新しい要素を付け加えないと、本当の意味でオリジナルな論文とは言えません。収集してきた情報に囚われ過ぎず、若い、自由な発想の下に、独自の意見や考察を思い切って展開してほしいと思います。それと同時に、論文の書き出しから結論まで、整合性のある議論の展開が行われるように纏め上げることを忘れないでほしいと思います。優秀賞、最優秀賞は、そのような条件を満たした論文に差し上げたいと思っています。
 今年度の応募者の方々には、是非、来年度も再挑戦していただきたいと願っています。それと共に、来年度から新たに応募する方がどんどん増えていくことを期待しています。

2.審査結果

参加賞:2名


2006年度「白金法学会論文賞」募集

 白金法学会では、2005年度より、明治学院大学の法学部生、法学研究科院生、および法科大学院生の勉学・研究活動を奨励する目的から、「白金法学会論文賞」を設け、優秀な論文に対して賞金を授与することになりました。今年度募集する論文のテーマと応募要領は下記の通りです。この機会に是非、皆さんも論文を執筆し、奮ってご応募下さい。→詳細をダウンロードする

1. 論文テーマ

「最近発生した事件に対する自己の見解について」

(1) 最初に事件の概要を書くこと。
(2) ピックアップする事件は、1年以内に発生した事件であること。複数でも可。
(3) 見解は、その事件をどのように評価し、どのように対処すべきか、あるいは、対処すべきだったのか、について、法学部生として、あるいは自分の専攻する学問的視点からまとめること。

2.応募資格

2006年度現在、明治学院大学の法学部、大学院法学研究科、法科大学院のいずれかに在籍中の学生。

3.論文の様式および分量

(1) 個人で執筆した未発表の論文であること。
(2) 執筆言語は日本語のみとする。
(3) ワープロソフトを用いて、A4版、横書き、1ページ当たり40字×40行を目安に原稿を作成すること。
(4) 字数は8000字程度以上から16000字程度以内(図表の分量は自由)。
(5) 表紙に、論文主題「最近発生した事件に対する自己の見解について」と共に、副題として、取り上げた事件名を書くこと。
(6) 表紙に、所属先・学年、学籍番号・氏名、連絡先住所・電話番号・電子メールアドレスも明記すること。
(7) 文献引用を適切な方法で行うこと(「参考:文献引用の作法」を参照のこと)。

4.応募締切

2006年9月22日(金)必着

5.応募方法

ワープロソフトで作成した応募論文の原稿をWord形式またはPDF形式で保存し、そのファイルをフロッピーディスク、CDなどにコピーして白金法学会事務局へ持参または郵送するか、電子メールに添付して応募して下さい。

(1) 直接持参する場合
   場所:明治学院大学 白金校舎 7号館(ヘボン館)8階 
       消費情報環境法学科共同研究室内「白金法学会事務局」
       開室時間は、月・水・金 13時〜17時。
       但し、夏休み期間中の8月11日〜17日は閉室します。
(2) 郵送の場合
   宛先:〒108-8636 東京都港区白金台1-2-37 明治学院大学
       消費情報環境法学科共同研究室内「白金法学会事務局」論文賞係
(3) 電子メールで送信する場合
   宛先:hogakkai@law.meijigakuin.ac.jp
       電子メールの件名は「白金法学会論文賞応募」とすること。送信後1両日以内(土日をまたぐ場合は3日以内、事務局の夏休み期間をまたぐ場合はその後)に白金法学会事務局から受付通知の電子メールが届きます。この受付通知が届かなかった場合は送信ミスが考えられますから、宛先等に注意して再度送信して下さい。なお、応募締切日を過ぎて送信された電子メールは受け付けられませんので、ご注意下さい。

6.表彰及び賞金

(1) 最優秀論文賞 1点  賞金3万円
(2) 優秀論文賞  数点  賞金1万円
(3) 参加賞    全員  白金法学会オリジナル図書カード(1000円)

7.審査方法および審査結果の発表

白金法学会運営委員会の選考により受賞者を決定します。選考結果は、白金法学会のホームページ上で、10月上旬頃に発表する予定です。その後、最優秀論文賞および優秀論文賞の受賞者に対する表彰式を行います。また、受賞論文の内容を白金法学会のホームページおよび刊行誌上において公表する予定です。

8.問合せ先

〒108-8636 東京都港区白金台1-2-37 明治学院大学
消費情報環境法学科共同研究室内「白金法学会事務局」
TEL & FAX :03-3473-2288
電子メール:hogakkai@law.meijigakuin.ac.jp

9.参考:文献引用の作法

論文を執筆する際、参考文献の著作者が書いた文章を、適切な引用を行わずにそのまま用いることは、盗用(plagiarism)に当たりますから、絶対にしてはならないことです。巻末の参考文献リスト中にその参考文献名を挙げておくだけでは不十分で、自分の論文中の完全にオリジナルな部分と参考文献から抜き出した一文または要約内容を記述した部分とを明確に区別する必要があります。論文において最も重要なのは、言うまでもなく、オリジナリティです。参考文献が適切に引用されていなければ、逆に言うと、論文内容の全てが参考文献に書かれている文章の切り貼りであると解釈されかねません。以下に、参考文献を引用する際の一般的な作法をまとめておきます。

(1) 本文中での直接引用
     参考文献に書かれている原文の一部をそのまま引用する場合、該当部分を「 」でくくり、 」の右肩上に番号(1),(2),(3),…を付ける。
   例:「明学の精神を一言で表すなら、”Do for Others”である。」(1)

(2) 本文中での間接引用
   参考文献に書かれている内容の一部を要約して引用する場合、本文中のどこからどこまでが引用部分であるかを本文中で明確にしながら引用する。その際、参考文献名を本文中に直接書いてもよいし、文献番号を用いてもよい。
    例:明学太郎(明学法学研究、2006年)によれば、(以下要約内容)

(3) 参考文献・注釈リスト
    巻末にまとめて参考文献の詳細情報や注釈のリストを記載して、それらに割り振った番号(1),(2),(3),…を用いて本文中から参照できるようにする。 参考文献が単行本である場合、著者名、書名、引用箇所のページ番号、出版社名、出版年月を記載する。参考文献が論文である場合、著者名、論文名、掲載誌名、巻号、ページ番号、出版年月を記載する。参考文献がホームページ上に掲載された情報である場合、著者名、文章またはホームページのタイトル、URL(httpから始まるサイトのアドレス)、アクセスした年月日を記載する(更新されることがあるため)。
    例:(1) 明学花子、『明学の歩み』、明学出版、2006年4月、110頁.
     (2) 明学太郎、「文献引用の作法について」、『明学法学研究』、第5巻、224-232頁、2006年5月.
     (3) 白金ヘボン、文献引用方法、http://www.hep.net/~burn/sahou.htm、2006年6月6日.