読む楽しさ基本の「き」  
  学生が取り上げる楽しい本は,「私小説風」のものが多いのですが,そうしたなかにも社会的なテーマ性を持った小説を取り上げる学生も,時折見受けられます。学生を初め青年が本を読まなくなったといわれて,ずいぶんになりますが,出版業界によって,そうした心にズシンと来るような小説も含めた本の出版が,避けられているのだと思います。  宮部みゆきの『火車』や『理由』は,読みやすさも兼ね備えつつ,社会的なテーマを取り扱った小説か,と思います。また松本清張の社会派小説も読むといいと思います。「日本の黒い霧」や「風の息」あるいは「昭和史発掘」全なども面白いと思います。                      


文章教室基本の「き」書く技法
 原稿用紙を配ります。文字をしっかりと書くこと。上手下手ではありません。丁寧に書くこと。ここが大事です。文章読本は,たくさんありますが,凝った文章ではなく簡明・平易がいいと思います。この点で私は本多勝一の文章が好きです。。どうでしょう。『中学生からの作文技術』本多勝一, 朝日新聞社, 2004.10.(朝日選書 ; 762).なんかがいいと思います。「エー,中学生向け」と嫌がる人には,『日本語の作文技術』朝日新聞社, 1996. -- (本多勝一集 ).はどうでしょう。いずれも明学・横浜・図書館にあります。                                             


取材とレポート基本の「き」:調べて書く
 最後にインタビュー(取材)をして,ある人の二十歳のころをレポートします。話し上手は聞き上手です。人の話をしっかり聞いてまとめる。いい経験になるでしょう。そして自分の人生の肥やしにしましょう。

インタビューをして,それを書く・まとめる技法

@時代背景を知る必要があるから昭和史の年表その人が生まれたころは特に調べる。                                A相手の略歴を調べる。相手が,本などを出していればその本はよむ。そして質問を考える。                           イ:「二十歳の頃の生活状況はどんなものでしたか。           ロ:友達からはどんな影響を受けましたか。                ハ:大学の授業にはまじめに出ていましたか。              二:そのなかで印象に残っている先生はいらっしゃいますか。     ホ:大学を卒業してどうしたのですか。××に就職しました
 などなど,・・・。市井のなかにもその人の人生を生きている人はたくさんいます。                                     涌井の基礎文は就職には役立たないかもしれませんが,人生には役立ちます。                  

 

2007年度入学生

基礎文献購読のすすめ方
 「記憶する勉強」から「考える学習」へ。これが大学教育の最も大切なことです。世界観、自然観の構築に向けて本を深く理解したいものです。自分の考えをまとめ、それを表現したいものです。この基礎文献講読ではそうした第一歩を踏み出す力をつけることを目標にしたいと思います。また、文献、資料の探し方、ノートの取り方なども学びます。
講義概要  教科書以外読んだことがないと言う人が結構多いので驚きますが、最初に比較的読みやすい文庫をとおして読む楽しさを学びましょう。消費者金融(サラ金)問題をとおして,現代日本(経済と社会)を書いた宮部みゆき『火車』を読みます。本多勝一の『中学生からの作文技術』で文章の書き方を学びます。後半以降自分が目標としている生き方をしている人をインタビューし,「二十歳のころ」をいう文章を書きます。

2008年度生

学修目標  「記憶する勉強」から「考える学習」へ。これが大学教育の最も大切なことです。世界観、自然観の構築に向けて本を深く理解したいものです。自分の考えをまとめ、それを表現したいものです。この基礎文献講読ではそうした第一歩を踏み出す力をつけることを目標にしたいと思います。
講義概要  まず書いてみましょう。題目「ふたつの扇風機――今と昔」です。そして推敲する。また教科書以外読んだことがないと言う人が結構多いので驚きますが、最初に比較的読みやすい新書・文庫をとおして読む楽しさを学びましょう。柏木博『日用品の文化誌』(岩波書店,岩波新書赤版619,1999年)を読みます。ここで自分で書いた「ふたつの扇風機」の主題の設定や展開を比較して見ましょう。論文の読み,ノートをとりレジメを作り,発表の仕方を学びます。最後に自分の書いた最初の文章を仕上げます。
授業計画 【第1回】
文章教室基本の「き」その1,まず書いてみる。題目「ふたつの扇風機――今と昔」

日用品の戦後史はこのホームページ
http://www.nipponstyle.jp/modules/news/

【第2回】
文章教室基本の「き」その2,主題をどう選ぶか。どう展開するか。そして自分の文章を直してみよう。
【第3回】
文章教室基本の「き」その3-1,かかりと受け,テンもマルも文字,プリントは下記のURL
【第4回】
文章教室基本の「き」その3-2,文豪の名文も読んでみよう。
【第5回】
柏木博『日用品の文化誌』を読む――その1
【第6回】
柏木博『日用品の文化誌』を読む――その2
【第7回】
柏木博『日用品の文化誌』を読む――その3
【第8回】
論文を読む――その1。論文とは何か。作文と論文の違い。精読ノートをとり,レジメにまとめ,発表する。
涌井秀行「人類史の通過点としてのアジア資本主義と日本」(『国際学研究』第30号,2007年3月)。
【第9回】
論文を読む――その2。
【第10回】
論文を読む――その3。
【第11回】
ノートの提出。
【第12回】
文章を書く・報告する。わたしの文章(1)
【第13回】
文章を書く・報告する。わたしの文章(2)
【第14回】
文章を書く・報告する。わたしの文章(3)
【第15回】
まとめ

【第1回】
読む楽しさ基本の「き」その1私の愛読書
【第2回】
読む楽しさ基本の「き」その2私の愛読書
【第3回】
読む楽しさ基本の「き」その3私の愛読書
【第4回】
宮部みゆき『火車』を読んでみんなで語ろう
【第5回】
文章教室基本の「き」書く技法その1
【第6回】
文章教室基本の「き」書く技法その2
【第7回】
文章教室基本の「き」書く技法その3
文章を書く・報告する「二十歳のころ」の準備開始
【第8回】
文献購読(1)「戦後敗戦論」を読む(1)
【第9回】
文献購読(2)「戦後敗戦論」を読む(2)
【第10回】
文献購読(3)「人類史の通過点としてのアジア資本主義と日本」を読む(1)
【第11回】
文献購読(4)「人類史の通過点としてのアジア資本主義と日本」を読む(2)
【第12回】
文章を書く・報告する「二十歳のころ」(1)
【第13回】
文章を書く・報告する「二十歳のころ」(2)
【第14回】
文章を書く・報告する「二十歳のころ」(3)
【第15回】
まとめ