講義概要  
(1)小中高と国語の勉強をしてきたのに,日本語で文章をかけないことの驚きませんか。自分の考えをまとめ,文章を書く。  この練習をしましょう。本多勝一の『中学生からの作文技術』で文章の書き方を学びます。
(2)教科書以外読んだことがないと言う人が結構多いので驚きますが、最初に比較的読みやすい文章を読んで「読む楽しさ 」を学びましょう。学生が読んだ本を紹介し,発表します。
(3)国際学科は全ゼミ制です。多くは図書を読んでレジメを作って,報告する機会が多いと思います。その要領を習得しまし   ょう。
(4)後半で,自分が「いいな」と思う生き方をしている人にインタビューし,「二十歳のころ」をいう文章を書きます。
==基礎文献購読のすすめ方===
  
「記憶する勉強」から「考える学習」へ。これが大学教育の最も大切なことです。
 世界観、自然観の構築に向けて本を深く理解したいものです。自分の考えをまとめ、それを表現したいものです。この基礎文献講読ではそうした第一歩を踏み出す力をつけることを目標にしたいと思います。また、文献、資料の探し方、ノートの取り方なども学びます。
 「話し上手は聞き上手」です。こういう人素敵だな,いいなー,と思う人にインタビューをして,その人二十歳のころのインタビュー記事を書きます。

読む楽しさ基本の「き」   学生が取り上げる楽しい本は,「私小説風」のものが多いのですが,そうしたなかにも社会的なテーマ性を持った小説を取り上げる学生も,時折見受けられます。学生を初め青年が本を読まなくなったといわれて,ずいぶんになりますが,出版業界によって,そうした心にズシンと来るような小説も含めた本の出版が,避けられているのだと思います。  宮部みゆきの『火車』や『理由』は,読みやすさも兼ね備えつつ,社会的なテーマを取り扱った小説か,と思います。また松本清張の社会派小説も読むといいと思います。「日本の黒い霧」や「風の息」あるいは「昭和史発掘」全なども面白いと思います。また藤沢周平の歴史小説もいいですね。
著作権の切れた小説など「青空文庫」にあります。


文章教室基本の「き」書く技法

  原稿用紙を配ります。文字をしっかりと書くこと。上手下手ではありません。丁寧に書くこと。ここが大事です。文章読本は,たくさんありますが,凝った文章ではなく簡明・平易がいいと思います。この点で私は本多勝一の文章が好きです。どうでしょう。『中学生からの作文技術』本多勝一, 朝日新聞社, 2004.10.(朝日選書 ; 762).なんかがいいと思います。「エー,中学生向け」と嫌がる人には,『日本語の作文技術』朝日新聞社, 1996. -- (本多勝一集 ).はどうでしょう。いずれも明学・横浜・図書館にあります。                                            

取材とレポート基本の「き」:調べて書く

  最後にインタビュー(取材)をして,ある人の二十歳のころをレポートします。話し上手は聞き上手です。人の話をしっかり聞いてまとめる。いい経験になるでしょう。そして自分の人生の肥やしにしましょう。

 野村進『調べる技術・書く技術』(講談社現代新書,2008年)
インタビューをして,それを書く・まとめる技法
@時代背景を知る必要があるから昭和史の年表その人が生まれた
ころは特に調べる。
A相手の略歴を調べる。相手が,本などを出していればその本は
よむ。そして質問を考える。
イ:「二十歳の頃の生活状況はどんなものでしたか。
ロ:友達からはどんな影響を受けましたか。
ハ:大学の授業にはまじめに出ていましたか。
二:そのなかで印象に残っている先生はいらっしゃいますか。
ホ:大学を卒業してどうしたのですか。××に就職しました
 などなど,・・・。市井のなかにもその人の人生を生きている人は
たくさんいます。

  お楽しみ会
                                                                    
書くことを学ぶ。
【第1回】
文章教室基本の「き」書く技法その1
深沢惇郎「天声人語」朝日新聞1974年6月29日
【第2回】
文章教室基本の「き」書く技法その2
深沢惇郎「天声人語」朝日新聞1973年9月23日
【第3回】
文章教室基本の「き」書く技法その3
文章を書く・報告する「二十歳のころ」の準備開始
読むことを楽しむ。伝える。
【第4回】
読む楽しさ基本の「き」 その1 私の愛読書
名作を読む楽しさ島崎藤村『夜明け前
名作を聞く楽しさ
朗読 平野直樹 HP
【第5回】
聞く楽しさ基本の「き」 その2 私の愛読書
朗読 驟(はし)り雨(作 藤沢周平)朗読柳家小三治
藤沢周平「驟(はし)り雨」
日本語の話法 話の間(宿題-聞いてみよう) 
落語 
五代目古今亭志ん生 - 風呂敷 - YouTube
うどん屋 【柳家小三治】   
【第6回】
お楽しみ会(私はこんなヒト)
読む楽しさ基本の「き」その4私の愛読書
芥川龍之介「本所両国」
【第7回】
論文をノートをとって,レジメを作って,読んでみよう。
必修ゼミでの発表の仕方を学びます。
授業時間内にレジメ作成。
文献購読(1)「土着思想」,「執拗低音」としての日本資本主義における土地所有―戦後日本資本主義分析の方法耕運のために― 涌井秀行
       レポート用紙(手書き・Word両用)

【第8回】
文献購読(2)  レジメ作成
【第9回】
文献購読(3)  報告・討論
【第10回】
文献購読(4)  同上
【第11回】
文献購読(5)  同上

インタビュー・取材をして文章を書いて発表しよう。
【第12回】
文章を書く・報告する「二十歳のころ」(1)
【第13回】
文章を書く・報告する「二十歳のころ」(2)
【第14回】
文章を書く・報告する「二十歳のころ」(3)
【第15回】
まとめ

基礎演習A(2014年度春学期)