2009年度春学期 明治学院大学公開講座

戸塚で考えるローカリゼーション
     


2009Poster

 

 趣 旨 ●

 地球規模で資本やサービス、モノや人が動くグローバリゼーションが否応なく私たちの生活に影響を与えている。国際的な経済統合を進めるグローバリゼーションは地球を同じ基準で計ろうという立場である。その結果、市場に強さを持たない、しかしそれぞれの風土に根ざした循環型の地域コミュニティは存亡の危機に瀕している。中央に対して「地方」は交付税の削減や合併統合による合理化の大波をかぶって、その行く先を決めかねているようだ。2007年度の内閣府世論調査によれば、「住んでいる地域に元気がない」と答えた人が53%、経済のみならず情報や文化などさまざまな格差は開く一方なのだろうか。

 一方、近年は地域スケールを基準にした生活圏の構築を目指すローカリゼーションが、注目を集めてきている。ローカリゼーションは「地域内の資源循環」をめざすものである。ここでいう資源にはモノだけでなく、人も含まれる。人やモノや、智恵やお金や、社会を構成する重要なものが地域の中で活用されて循環してネットワークを作って活かされていくことをめざすものである。地域内での循環が可能な自然エネルギーの利用、地元産の食べ物や農業を大事にすること、各地域が伝承してきたものを学ぶ新しい教育、伝統医療の復興、さらに精神文化も含めて伝統文化を再生することでコミュニティを作り直していくことである。

 明治学院大学が戸塚にキャンパスを開いて20余年が経つ。大学は十分地域社会のメンバーとして定着しただろうか。この講座では、ローカリゼーションをキーワードにして、戸塚の足下から、さらに白金キャンパスを取り巻くコミュニティの活性化の可能性を考えたいと思う。また、日本や他の地域社会で活力を取り戻しつつある事例を紹介し、そうした取り組みから何を学ぶことが出来るのかを、受講生の皆さんと模索したいと思います。

    <企画者:竹尾 茂樹>
 
日 付
講演テーマ
講 師
1
 5月9日(土)

 本学・国際学部教員
 竹尾 茂樹

2
 5月16日(土)
 本学・国際学部教員
 平山 恵
3
 5月23日(土)
 本学・法学部教員
 鍛冶 智也
4
 5月30日(土)
 旅行家・ミキハウス
 坂本 達
5
 6月6日(土)
 本学・教養教育センター教員
 猪瀬 浩平
6
 6月13日(土)
 戸塚地域ネットワーククリエイト代表       +とつかぞく
 片山 大蔵
7
 6月20日(土)
 コモンズ代表
 大江 正章

 ◆公開講座「戸塚で考えるローカリゼーション」は企画のみ担当。
   明治学院大学 公開講座についてのお問合せは、「公開講座担当」(Tel. 045-863-2177)までお願いいたします。