第4回 (2008年6月14日)

『なぜ木を植えるのか−住民参加型社会林業−』

平山 恵(明治学院大学国際学部准教授)

ケニアの半乾燥地で農民青空学校(Farmers Field School、以降FFS)が増えつつある。
農民がFFSを通して自ら木を育てて自らの生活を向上しようとしている。FFSの鍵は農民ファシリテーターの存在である。FFSは現在農業分野を中心にFAOが進めている活動であるが、80年代に農薬の過剰使用の問題をきっかけに始まったNGOの農薬の安全使用に関する運動に端を発する。当時、Dirty Dozen (汚い12種類の農薬)といわれる農薬がダンピングされ途上国に流れ込み、特にフィリピンやインドネシアで社会問題となっていた。それぞれの地域で農民が集まり、農薬の危険性や利用方法などについて農民たちが学習した。

ケニアではこのFFSを社会林業で応用している。木はさまざまな役割をしている。日陰をつくり、心をなごませ、また薪は毎日の生活を支え、木材や果樹で収入を得ている。社会林業とはただ木を植えるだけではなく、木を育てることで、その地域を活性化したり、生活を向上させようとするものである。FFSの三つの柱は以下の通り。

1) AESA Agro Ecosystem Analysis : 農民自身が農業エコシステムを分析
2) Group Dynamics :グループの力を使う。エンパワーメント。
3)Special Topics:その土地固有の問題を取り扱う。ニーズアセスメントをしっかりやる。

FFSの良さはKIS(Keep it simple.) 誰でも関われるシンプルさ。それをきっかけに「考える農民」が育つことである。昨年、講演者はその「考える農民」をリードするファシリテーターの研修を行った。その様子を交えながらFFSについて紹介する。

ファシリテーターとは何か。その能力はどのようにして向上できるのか。講演者はケニアで使った同じような手法を用いて過去50カ国の農村や日本の過疎の農村で地域の活性化に取り組んできたので、ケニアだけでなく日本や世界国々の地域発展の課題も提供しながら進める。

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平山 恵(ひらやま めぐみ)先生のプロフィール−

専門分野

 社会開発・街づくりのための社会調査・国際協力

論文・著書
「ホームレスから見える日本社会」『PRIME』25号、明治学院大学国際平和研究所、 2007年3月、99-112頁
「保健教育:マイクロティーチング」『Bon Partage』 137号、SHARE国際保健協力市 民の会、2007年9月