出張報告

大岩 圭之助

 

▼出張期間

2005年3月12日より2005年3月29日まで
                 

▼出張先
ブータン
▼研究テーマ
GNH(国民総幸福)運動の現状(環境保全、観光開発、文化的アイデンティティの維持をめぐって)
▼調査の内容

 国王が提唱し、その後、政府や研究者が一種の国民運動として展開し始めたGNH運動の背景や現状を知るために、16日間かけて国内を視察した。その成果は次の5点に要約できる。 


(1) GNHについて、次の各氏にインタビューした。ブータン研究センター代表カルマ・ウラ、王立自然保護協会代表ラム・ドルジ、元県知事ダショー・ゲルダッ、伝統音楽家ジグメー・ドゥックパ。このうちドルジ氏からは2度にわたって、特に環境保護思想とGNHとの関連についてうかがった。


(2) 一年のうち各地域で行われる最大の祭礼と言われるツェチュを、シェムガン、パロというふたつの町で見物した。このうちパロのツェチュには多くの観光客が世界各地から集まっていたが、シェムガンでは報告者がただひとりの外国人であった。


(3) 僧院、ゾン(城塞)など人々が聖域と見なす多くの場所を訪れ、僧侶の生活や儀礼を観察することができた。


(4) 田舎の暮らしぶりを知るために。観光ルートを外れた地域の民家に住む庶民を訪ねた。特にシェムガンの町からさらに奥地に入ったブリという村の民家に3泊し、村人の暮らしを観察、村の中心人物であるシャーマン的な女性インフォーマントからの聞き書きを行った。


(5) 旅の中で出会った多くの人との会話を通じて、彼らの「幸せ」についての思いや考えを聞くことができた。

 

 

 

▼発表予定の論文・著書等

月刊雑誌(非学術誌)から報告記事や紀行文の執筆の依頼がある。また今後、ブータンでの調査の継続、校外実習の実施の予定もあり、さらに調査をすすめて、その成果を自著へとつなげたいと考えている。