「よきおとずれ」を 加山 久夫
「時は満ち、神の国は近づいた。
悔い改めて福音を信じなさい」(マルコ1:15)
と、福音書記者マルコは
イエスの宣教の内容をまとめている。「アンゲロス」(メッセンジァー、天使)とは、「エヴ・アンゲリオン」(福音)と同根の言葉。
われわれの「あんげろす」が多くの方々の参加を得て豊かなメッセージを伝えるものとなるよう期待したい。
(かやま ひさお 所員)
所長就任にあたって 中山 弘正
森井学長の時代に、キリスト教学の教員だけで構成されてきた研究所が改組され、他の専門領域の人々が加わった。私もその時加えられ、85年度主任を務めた。港区との公開講座が軌道にのりはじめた年で、その企画・運営にも携わった。92年度の公開講座の責任が久々に当研究所にまわってくるということもあって所長に引っ張りだされた。工藤英一所長時代の「人権とキリスト教」が澁谷所長のしたで発展し、今年度は結実する。それで今度は3つのプロジェクトをスタートさせることになり、うち2チームの研究員人事も内定した。このうちの一つは「キリスト教主義教育研究」についての研究だが、それはもとはといえば「学長クリスチャンコード」問題に端を発している。国内外の他大学の例の調査も含め、研究を進めたい。このことも含め、学内外の皆様の積極的参加とご支援をお願いしたい。
(なかやま ひろまさ キリスト教研究所所長)
『あんげろす』発刊にあたって 澁谷 浩
このたび明治学院大学キリスト教研究所の所報『あんげろす』が刊行されることになった。中山弘正所長の創意による新しい試みである。ここ1,2年の間に所員の数が、小さな研究所にしては、かなり増えた。所員それぞれが自分の専門分野の研究に励むとなると、所員の学問的関心の領域はかなり拡散する。それは当然のことであるが、当然のこととして放っておくことは出来ないだろう。所員相互の理解と共感のためには、僅かしか論文を載せられない『紀要』のほかに、気負いたたないで自分を紹介できる所報がなければならない。それは同時に研究所の外に向かって研究所そのものが自己紹介することにもなるだろう。『紀要』の編集は寄稿者がいるからには楽なものである。所報は編集者の腕一つで魅力的なものになったりならなかったりする。新所長の手腕に期待して発刊を待とう。
(しぶや ひろし キリスト教研究所前所長)
研究所プロジェクトについて 水落 健治
研究所の主な活動は、プロジェクトの形で行われます。今年度は、これまで5年間にわたって行われてきた「人権とキリスト教」のプロジェクトが終わり(研究成果は『人権とキリスト教』の書名で今年度中に出版の予定です)、外部から研究員2名を向かえて、新たに3つのプロジェクトが始まりました。
「古代キリスト教とヘレニズム思潮」
古代キリスト教思想家の著作を当時のヘレニズム思潮(ヘレニズムユダヤ教、中期プラトン主義、ストア派など)との関連において哲学的・文献学的に考察し、日本におけるキリスト教・教父研究に積極的貢献を行おうとするものです。専門分野の研究として、高度に学問的な成果を生み出すことを目的としています(参加者:柴田有、水落健治、久山道彦)。
「ヒューマニズムとキリスト教」
西洋近世のルネッサンスから生まれたヒューマニズムは、同時期の宗教改革ときわめて微妙な関係を保っていました。本プロジェクトは、この「別個のもの」とも「同じもの」といえないふたつのものの関係を15,16世紀から考察していき、両者の本質を明らかにしようとしています(参加者:澁谷浩、千葉茂美、吉田泰、川島堅二(研究員))。
「キリスト教主義教育研究」
本学の教育理念である「キリスト教主義教育」の内容、歴史、現代社会との関わり、カリキュラムとの関わりなどの問題を批判的に地道に検討して行こうというプロジェクトです。研究領域としては未開拓の分野ですが、様々な仕方で本学の教育理念が問われている現在、豊かな成果をあげることが期待されています(参加者:中山弘正、加山久夫、畠山保男、飯島啓二、長村亮介(研究員))。
これら3つのプロジェクトに加えて、アメリカPresbyterian Church(PCUCA)の援助のもとに、"Christianity in East Asia Atudy”の国際プロジェクトも継続して行われています。(本学参加者:M.マリンズ、R.ヤング、澁谷浩、加山久夫、畠山保男、特別参加:朴憲郁)。
以上のように、研究所の活動も基礎的なものから実践的なものにいたるまでの幅と広がりをもつようになってきました。皆様のご支援をお願いいたします。
(みずおち けんじ キリスト教研究所主任)
主任としての2年間を省みて 畠山 保男
加山先生の後任としてキリスト教研究所の主任になるなんぞということは、全く思ってもみなかったので、その任にあらずということでいったんは固辞したけれど、結局はお引き受けすることになったのがついこのあいだのことのように思える。今は主任を辞めてほっとしているところである。
明治学院大学へ赴任してきて3年の新米が、「人権とキリスト教」の完成年度へ向けて動き出そうとしていたキリ研の活動を円滑に運営するためには、多くの人々の協力を必要としたことは言うまでもない。ことに澁谷浩所長からはこの間親しくする機会を与えられて、多くのことを教えていただいた。また副手の本橋さんはその有能な働きぶりで、こちらの要請どおりに、そしてそれ以上に創造的に仕事をしていただいた。記して感謝したい。
(はたけやま やすお キリスト教研究所前主任)