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Last Updated: July 15, 2013 by K. Mashiyama



伝言板

What's new?

2013年度は特別研究制度により、研究活動に専念します。授業を休みますので、ゼミも開講しません。2014年度以降については、ゼミの内容を社会的ネットワークの経済学にします。ネットワーク論に興味を持っている諸君はゼミ募集に是非応募してください。質問等がある諸君は、mashiyam@eco.meijigakuin.ac.jpのメールアドレス宛にお願いします。
ゼミ生のための連絡ページをFacebookに登録しました。グループ名は「MGU増山ゼミ・シリウス」です。管理人はゼミ長です。このページはゼミ生だけに公開され、一般ユーザーには非公開です。


Koichi Mashiyama

以上


卒業論文の様式:卒論様式を説明したファイルはここです。facebookのゼミのページにもアップロードしています。




2014年度ゼミの予定

ゼミのテーマ

社会的ネットワークの経済学


ゼミの内容



「社会的ネットワークとは何ですか?」と聞かれると、質問が抽象的なので、答えはすぐには出てこない。「社会的ネットワークの例をあげてください」と言われるとき、どのような事例を思いつきますか?これも抽象的な質問なので、答えることは難しい。「社会的」を取って、「ネットワーク」の例を上げてくださいと聞かれると、すぐに、友達の輪とか、「インターネット」上の友達ネットを上げるでしょう。社会的ネットワークと言う言葉は聞いたことがないので、答えることに戸惑う。社会的なネットワークも抽象的にしか事例を上げることはできない。敢えて上げるとすると、財やサービスの売手-買手ネットワーク、自由貿易協定などを介した国と国との間の貿易ネットワーク、業務提携や共同開発などの企業間ネットワーク、金融資産の取引ネットワーク、facebookやgoogle+などの友人ネットワーク、経済学者など専門家集団のネットワーク、同窓生や卒業生のネットワークなどが思い浮かぶ。いずれにしても、私たちは常に人と人の間に形成された社会的なネットワークの中で日々の生活を送っている。
 私たちが参加しているネットワークを一言で抽象的に言えば、各個人の間あるいは各組織の間に形成されているリンク接続とそこに働く相互依存関係を表現するものである。だから、ネットワークとは、ノード(nodes, vertices)の集合とそれらのノード間を連結するリンク(links, edges)の集合によって記述される。
 ネットワークの研究は、売手-買手ネットワーク、貿易ネットワーク、企業間ネットワークなどの経済的なネットワークのみならず、情報流通やwebのネットワーク、友人関係や信頼関係のネットワーク、ネットワーク上での病気の伝染や技術革新の伝搬など、多領域にまたがる複合領域を研究対象として、近年急速に発展してきた。
 ネットワーク研究の端緒は1960年代における社会学の研究、ハーバード大学のStanley Milgramによる実験から始まった。Granovetter(1973)によると、多くの失業中の人は親密な友人よりも知り合い程度の友人の社会的コンタクトを介して雇用先を見いだしているという。Uzzi(1996)はニューヨークのアペレル企業間におけるネットワーク効果の事例を、また、Munshi(2011)は、労働市場や途上国における起業活動などにおけるネットワーク効果の事例を報告している。
  社会的経済的ネットワークはそれを構成するノード(結節点)が人間あるいは人的組織であり、人間あるいは人的組織の意思決定がネットワーク上で相互関係している点に特徴がある。よって、社会経済ネットワークの重要な特徴は、ネットワーク内のリンク接続の構造に依存するだけでなく、ネットワーク構造上で起きる行為の相互干渉の性格にも大きく依存する。ネットワーク内の各主体あるいは組織の意思決定はネットワーク上で相互依存するので、社会経済ネットワークの分析ではゲーム理論の枠組みが必要となる。
 ハイブリッド・コーンや新薬の伝搬事例に見られるように、新技術の伝搬は新技術を採用した人物からの口コミによって拡大していくことが知られている。為替レートや株価の乱高下は投資家達のネットワーク上における情報カスケード現象と理解できる。また、政治的なブログに見られるように、新しいSNSの発達は各個人がより多様な意見を持つようになることを必ずしも保証しない。多分、SNSの進展は、他者の行動や意見を過剰に模倣する烏合の衆、群衆化を急速に作り出す可能性を持つ。このようなネットワーク内の各主体あるいは組織の意思決定が他の主体に影響を持たらすことをネットワーク効果という。このネットワーク効果とはどのようなメカニズムで働き、どのように作用するかを分析することが重要になってくる。だから、この分析で用いられる分析手法はゲーム理論が中心となる。
 経済学の伝統的な理論では、すべての売手は多数の市場で出会った無匿名の買手と商品の取引ができると想定されている。しかし、現実の市場取引を観察すれば明白になるように、多くの財やサービスは自動車や住宅のように異質的な性格を有し、部品等の取引に典型的に見られる通り、その取引にはある特殊な社会的関係が必要とされ、取引相手を見出すための費用と可能性は、輸送コスト、社会的人間関係、情報や広告、技術的整合性や共同開発の機会などに大きく影響される。こうした現実の経済取引を十分に説明するためには、経済取引が各主体間に巡らされた社会的ネットワークを介して行われることを明示的にモデル化する必要に迫られる。最近年になって、経済活動をネットワーク的に連結した経済主体間の取引として明示的にモデル化する研究が急速に進み、社会的ネットワークの経済分析と呼べる領域が深化しつつある。
  社会的ネットワークを理解するために、1990年代頃から新しいネットワークのモデルが登場してきた。代表的なものはWatts and Strogatz(1998)によるスモールワールド・モデル、Barabasi and Albert(1999)によるスケールフリー・モデルである。これらの解説書は、

ダンカン・ワッツ著『スモールワールド・ネットワーク:世界を知るための新科学的思考法』(阪急コミュ二ケーションズ)、

アルバート=ラズロ・バラバシ著『新ネットワーク思考:世界の仕組みを読み解く』(NHK出版)

これらは数式がまったく使用されていないので、誰にでも容易に理解できる。社会的ネットワークの経済学に興味がある人は最初にこれらの解説書を読むことが必要です。残念ながら、社会的ネットワークの経済学に関する専門書(英文です)は存在しますが、学部レベルのテキストや解説書はまだ日本語では利用できません。興味ある人は、以下にアップロードした「社会的ネットワークの経済学」の解説PDFファイルを読んでみてください。


ゼミの具体的手順


1.予備ゼミでは、アルバート=ラズロ・バラバシ著『新ネットワーク思考:世界の仕組みを読み解く』(NHK出版)を輪読します。

2.3年次では、Easley and Kleinberg著『Networks, Crowds, and Markets』Cambridge University Pressから主要なトピックスを選択して、テーマとして取り上げて議論します。
関係する読物として、
(1) スティーヴン・ストロガッツ著『SYNC:なぜ自然はシンクロしたがるのか』早川書房
(2) ダンカン・ワッツ著『偶然の科学』早川書房
(3) 英文ですが、Gladwell著『The Tipping Point』Back Bay Books (Hush Puppiesがなぜ突然売れだしたのかなどのメカニズムを説明している、ある意味で、マーケティングのテキストとも言える)
(4) 適宜、補助教材として、以下にアップロードしている増山著「ゲーム理論」と「社会的ネットワークの経済学」を用います。

3.4年次では、卒論を中心として、各自の研究テーマの追求します。

私が作成した解説PDFを以下に示します。
(1)社会的ネットワークの経済学のPDFファイル:難解な箇所が2カ所ありますので、そこを飛ばして拾い読みすることを進めます。
(2)ゲーム論のPDFファイル:進化ゲームと協力ゲームを初歩から説明してますが、若干の数学が必要です。
(3)ネットワーク理論のPDFファイル:確率論の数学が使われてます。
(4)ネットワーク・ゲームのPDFファイル:ゲーム理論の基礎知識が必要です。
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