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2010年5月24日 消費情報環境法学科設立10周年記念WEBページを立ち上げました。
   
   
   

 


「消費情報環境法学科10周年に寄せて」

法学部長/渡辺 充

 

 消費情報環境法学科は、2000年4月に、昼間主定員75名、夜間主定員75名、合計150名の定員で発足しました。
 法学部では1998年の4月から新学科設立への具体的な作業を進めておりましたが、当時、なぜ新学科の設立が必要であったかというと、それは明治学院だけではなく全国的な問題でしたが、いわゆる二部問題の解消でありました。法学部には一部と二部がありましたが、二部法律学科に入学を希望する者がどの大学でも減っており、そのような状況下で、より質の高い法学教育を目指そうと考えるとき、二部は将来、改組転換すべきだということになり、二部法律学科を昼間主と夜間主の学生が自由に行き来できる昼夜開講制にし、さらに社会に対してより積極的な意味を持ち得るような一つの新学科を設立しようと考えました。
 さて次に、「消費情報環境法学科」という学科の命名についてです。多少長い学科名ですが、学科のコンセプトがそのまま生きた名称で、我々の先輩はまさに先見の明があり、10年が経った現在でも、まさに時代に即応した学科名となっております。当時は、たとえば社会環境法学科や先端法学科、現代法学科などといったような別の候補もありましたが、次のような理由で命名が行われました。以下の文書は、当時の法学部長で本学科名の名付親でもある京藤教授が、「消費情報環境法学科第1期生卒業記念・・・この4年間」(http://www.meijigakuin.ac.jp/~cls/shoukai/shoukai/zadankai.pdf)とう座談会の中でご発言されたものです。若干長くなりますが、学科命名の重要な意味が示されていますので、直接引用します。
 「この『消費情報環境法学科』というのは、長い名称で、どこで息継ぎをしたらよいのかで混乱しがちなのですが、文書に即して正確に言いますと、公式文書では、『消費』に関する『情報環境』の『法』という区切り方をしています。人は外界と接触して生きているのですが、この外界を我々を取り巻く情報環境と捉えるなら、人は外界という情報環境とのやりとりを通じて、生活し、また成長して行く。このような形で、われわれの日常の生活をとらえることができますが、今日の日本の社会は、この情報環境のなかでも、消費に関する情報環境がわれわれの生活に非常に大きな意味を持つような社会です。
 この消費に関する情報環境という角度から、今ある多様化した法制度を束ねることはできないだろうか。このようなコンセプトから現代法を眺めてみると、これが消費情報環境法の消費と情報と環境とをどこで切るかという問題につながるのですが、消費者というものをベースに置きながら消費に関わる情報環境の法を眺めてみると、まず、消費者の利益を今日どう保護するかという消費者法の問題、そして次に、消費者が対峙する企業に関わる企業活動法の問題、そして最後に、これは消費者が今生活する場合にはグリーン・コンシューマーという視点が欠かせませんが、まさに人たる消費者を取り巻く環境に関わる環境法の問題は欠かせません。この現代の法が急速に発展している三つの法領域を束ねるようなコンセプトとして、消費情報環境法という言葉が適切ではないかと考えたのです。」
 以上のとおり、まさに名は体を表すといいますが、消費情報環境法学科は、「消費者法関連」、「環境法関連」、「企業法関連」を学科の3本柱としてカリキュラムを組んでおり、さらにすべての学生にノートパソコンを携帯させ、コンピュータを用いた情報の収集・処理・発信の技術を習得できるよう情報処理科目も充実させている点に本学科の大きな特徴があります。

 10周年を迎え、消費情報環境法学科の卒業生は1000人を超えました。現在でも、消費情報環境法学科は、斬新で、ユニークさと魅力を失っておりません。我々は学科の名称に誇りを持つと同時に、ますます本学科を進化・発展させて行くつもりです。今後とも消費情報環境法学科をよろしくお願いします。