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消費情報環境法学科の創設10周年を寿ぐ

福田清明先生


 

 2000年4月に、明治学院大学法学部の第三の学科として消費情報環境法学科が誕生した。私は、創設時に、法律学科から新学科に移籍した教員のひとりであった。2003年に、執行秀幸学科主任の後任として1年間、学科主任を勤め、2004年の明治学院大学法科大学院の設立時に、河村寛治教授、京藤哲久教授、坂本正光教授とともに、消費情報環境法学科から法科大学院に移籍し、現在に至っている。消費情報環境学科の10年の道程を学科内部からまた同じ大学の他機関から見てきた。学科の専門性を支える専任教員が揃い、ますます発展している様子を間近で拝見し、学科に所属したことのある教員として嬉しく思っている。


 学科創設10周年のお祝いを申し上げるとともに、もはや歴史の一コマとなった、最初の卒業生を出した2003年当時の学科の状況を叙述する。当時を知る教職員及び卒業生及が懐かしんでもらい、また、現在の学科の皆様が過去の断面を知って頂ければ、幸いである。そして宣伝も一言付け加えさせてもらった。


 2003年当時は、学科は、昼間主・夜間主制をとっており、入学定員は、昼間主、夜間主ともに75名であった。翌年度から、昼間主のそれは100名に増員された。


 カリキュラムの大枠は、2003年度までと、2004年度以降は、図示するような相違がある。



2003年度までのカリキュラムの模式図


旧カリキュラム


2004年度からのカリキュラムの模式図

新カリキュラム

 

このカリキュラム改革は、一言で言えば、消費情報環境法の基礎科目群を、解消して、消費者法科目群と企業活動法科目群と環境法科目群に分属させ、法律基礎科目群とその上に位置する3つの柱に整序したのである。情報技術の科目は、改革の前も後も変わらず4つの科目群と並立して、設営された。


 2003年当時の教員スタッフは、冒頭に氏名を挙げた教員以外に、阿部満先生、伊藤千秋、菅野忠先生、黒田正明先生、齋藤規夫先生、佐藤一雄先生、高橋順子先生、鶴貝達政先生、宮地基先生、平川幸彦先生がおられた。消費情報環境学科共同研究室に勤務していたのは、渡辺香織さんであった。2003年度は、学科の完成年度が終了した翌年度に当たり、制度的な手直しをすることが多く、学科会議も頻繁に開いた。小所帯ゆえに気心がしれていたせいか、または論理的に明解でザッハリッヒに議論をする自然科学の先生が多数いたせいか、サクサクと議事は決まっていた。学科の学生達は、他の学科と比較すると、よく学科共同研究室に顔を出していたように思う。持つことが義務づけられていたパソコンのことで、どうしても渡辺さんの所に来ざるをえないこともあったが、入学定員が少なく比較的少人数教育であったからかもしれない。私も共同研究室で学生からパソコンのことを時々教えてもらった。消費者法のプロパーの教員及び環境法プロパーの教員は、まだ学科専任教員にはいなくて、民法又は経済法と掛け持ちで担当していた。私も、法律学科の学生に民法を教えることのほうが多かった。2004年度4月に、明治学院大内での移籍及び他大学への転出で、専任教員の顔ぶれが大きく変わった。


 最後に、学科名称について触れる。法律学科と政治学科が法学部にあるのは、明治以来の日本の伝統であり、外国にはない組み合せだとしても、我が国には定着しており、両学科の名称と内容は特に説明を要しないであろう。法学部にある一学科の名称が消費情報環境法学科であることについて、疑問を呈する外部の声も聞かれた。その理由は、長すぎる(省略形は、「消環法」か「消費」であろうか)とか、伝統的でなく志願者にとって中身がよく分からないのではないかといった点にあった。消費者法と環境法を中心に情報技術を身につけつつ学修するのだ、又は消費情報という環境を対象にした学科なのであると、学科専任教員は理解していたようである。英語の学科名は、current legal studiesである。ここから、消費情報環境法学科のホームページのURLは、http://www.meijigakuin.ac.jp/~cls/となった。和訳すれば現代法学科(このような名称の学部は他大学に現にある)である。私自身は、この英語の名称が体を忠実に表していると考えている。伝統的な法律学の上に現代的な問題を法律で扱うこともしなければならない。学科が志願者に宣伝する場合には、「一粒で二度おいしい」と言うことができる。しかし、入学した学生は、「二足の草鞋(わらじ)」を履かねばならないので2倍の勉学が必要である。もっとも、ちゃんと卒業すれば「引く手数多(あまた)」となるであろうから、それは苦労の甲斐があるというものである。しっかり勉強して3年終了後に明治学院の法科大学院に来ることもできる。飛び級制度も用意されているし、消費情報環境法学科になじみのある法科大学院の教員もいる。


 消費情報環境法学科の一層のご発展を心より祈念しております。