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消費情報環境法学科設立10周年によせて

黒田正明


 

 

消費情報環境法学科が設立されて丸10年が過ぎたが、最初の10年は多難な10年であったと思う。私自身は新学科設立に伴って移籍したために、設立に関する詳しい事情は知らないが、法学部の二部を改組して作ったという成り行きのせいか、または、夜間主コースが設けられていたせいか、法学科の二部というイメージがなかなか払拭できなかったうえに、法学科の学生と共通で履修することのできる科目が多数あるので、新学科の独自性を訴えることがそれほど簡単ではなかったと思う。


また、消費情報環境法学科の16名の教員のうち、設立当初からいる教員は半数だけで、後の半数は定年退職したり他大学に移ったり、その他さまざまな事情で学科を去っていった。かわりに新たに多くの優秀な教員が来て下さったことは、新学科にとって本当にありがたいことであったが、新学科の教員の移動が激しかったことは、ちょうど時を同じくして全国に法科大学院ができたというやむをえない事情があったとはいえ、学科の設立当初の理念を展開していく上で不便なことであった。


わたしが担当している情報処理1について感想を述べたい。設立当初のパソコンの機能は今では考えられないほど低かったし、パソコンを使ったことのない学生が大多数であった。電池の駆動時間は短く、インターネットはPCカードを差し込んで使っていたし、CDドライブが外付けであった。USBが標準になっていなかったので、マウス、CDドライブ、プリンタの接続端子がそれぞれ別になっていて、ねじで固定して使っていた。持ち運びには3.5インチのフロッピディスクにデータを保存するのが普通で、一枚のフロッピディスクには1メガの画像が一枚しか保存できなかった。USB対応のスティックメモリはまだそれほど普及していなくて、それも256メガ程度の容量だったと思う。
昨今の学生は、すでに高校の授業でパソコンを使ったことがあり、日本語入力ができるものが多い。その分、情報処理1の授業の多くをワードの練習に充てることができるわけであるが、ある特定のワープロソフトに特化して練習しても将来性がないので、授業では時々コンピュータの基礎知識全般についても解説することにしている。

 

10年の黎明期を過ぎた今、入学者の質の向上と、カリキュラムの刷新、教育の質の向上が学科の次の目標であると思う。微力ながら学科の発展に貢献できれば幸いである。