国際運転免許証の取得
渡米する前に,国際免許証を取得した。
これは,県の免許センターで申請すれば,簡単に取得できる。
1998年の夏に,2,500円程度かかった。
国際免許証は,プラスチックではなく,免許証の2倍程度の大きさの冊子である。
万国共通の書式である。保管するのにすごく手間がかかってしようがない。
最初の運転
こちらに来て,すぐに,運転の機会を得た。
4日目くらいか。その車は,約10年前のボルボであった。
日本では乗ったことがなかったので興奮していた。
最初は,うまく運転していたのだが,
ワイパーとウインカーを間違え始めたら,もう混乱してしまった。
どうにか近くのスーパーまでたどり着いた。
帰り道,左折の際に,思いっきり反対車線に入ってしまった。
車がちょうどいなく,大事には至らなかった。
車の購入
我が家には,1ヶ月あまり車が無かった。
バス,トロリー,自転車,そして私たちの足が交通手段であった。
便利の良いところに生活していたので,今すぐ欲しいという気が起こらなかった。
しかし,9月後半の土曜日にサンディエゴとティファーナの日本人会に行った。
そこで大きく考えが変わった。車で行けば,20分のところに,2時間かけていった。
途中で,お腹は痛くなるし,散々であった。
そこで知り合ったサンヨーの永井さんが,帰りは送ってくれた。
「ありがとう,永井さん」
「車は本当に便利だ。よし買うぞ」と決意した。
日系の食料品店などに置かれている日系無料新聞をもとに,探索を始めた。
1軒目は見つからなかった。
2軒目も,見つかるに見つかったのだが,イメージと違っていた。
町工場みたいな感じがした。
入るのを躊躇したが,とりあえず話だけでも聞いてみようと思い,入った。
人の良い若社長であった。
車の購入に関する私たちの悩みをじっくりと聞いてくれた。
「リースがいいのか,買った方が良いのか」など。
その後,そこにあった何台かを紹介してもらった。
「もう少し考えたい」と言った。
帰りのトロリーの中で,女房と話をした。
家から,「明日,試乗したい」と電話した。
翌日,2台に試乗してみた。
12,000ドルのトヨタのCAMRYと8,000ドルのフォードのEscort。
気持ちよさでは,12,000ドルであったが,8,000ドルのにした。
同時に,保険に入った。半年で600ドル。
当時のレートで約84,000円。結構高い。翌日,納車となった。

ガソリンを入れる!
納車された時,燃料はほとんど0に近かった。
すぐにガソリンを入れなければいけないという課題に出くわした。
2キロくらい走って,ガスステーションを見つけた。
入れ方は,受け入れてくれた教授に,以前,教えてもらっていたので,それを真似た。
10ドル,前払いをして,ガソリンを入れた。どきどきした。
最近は,この作業に慣れたので,日本に帰って,自分で入れてしまいそうである。
ガソリンの値段は,日本の半分から3分の1くらいか。
最近の価格で計算すると以下のようである。
ちょっとこの1ヶ月,1ガロンにつき約30セント近く値上がりした。
1ガロン 3.89リットル 1.35ドル 162円
0.26ガロン 1リットル 0.35ドル 42円
日本に帰ると,80円から120円くらいだから,ちょっと頭が痛い。
家までは,高速道路を経由して帰った。
結構,疲れた。ちなみに高速道路は金はかからない。
これも日本に帰ると,高い高速料金を払わないといけないのでつらい。
高速道路の運転
その後,手当たり次第,ドライブをした。運転に慣れるためである。
今でも,緊張するのは,高速道路の出入口である。
出る車,入る車がレーンをキープしようと激しいバトルが繰り返される。
この状況は,日本では,料金所の付近を考えるとわかりやすい。
しかし,アメリカには料金所がないから,車は結構「高速」で高速道路に入ってくる。
出る車はスピードを落とし気味である。
入れ替えはなかなか難しい。
最近は,早めにウインカーを出し,自分の状況を知らせるようにしている。
日本では,中心に近い方が追い越し車線である。
アメリカも,基本的にはそうであるが,路側付近のレーンからもがんがん追い越しをかける。
6車線もあればしようがないところか。
周りへの注意を常に心がけている。
警察との付き合い方?
日本の警察のパトカーは,非常時以外でも赤色灯をつける。
非常時は,サイレンを鳴らす。
アメリカの場合,非常時以外は,回転灯もサイレンも動かさない。
だから,夜間に,制限速度をかなりオーバーして走っていると,
いつのまに後ろに付かれて,違反切符をもらうことになる。
私は,制限速度ではもらったことはない。
筆記試験
国際運転免許証は,1年限りである。
滞在期間中に,国際免許証は失効してしまう。
カリフォルニア州の免許証を取得しないといけないと思った。
購入して4日目の10月5日に,
隣のエルカホン(El Cajon)の陸運事務所(DMV)に自動車運転免許証を取得するために行った。
SSN(Social Security Numebr)を取得していないと,試験は受けられない。
女房は,この時点で,SSNを取得していなかったので,門前払い。ヒエー。
僕は,来てすぐにSSNを申請し,9月半ばには取得していたので,すんなりと受験できた。
12ドル(3回受験可能)を払って,筆記を受ける。
日本語の問題もあると聞いていたので,それで受けた。
難解な日本語(例えば,間隔クッション=車間距離)に悩まされ,
50問中,9問に失敗する。落ちてしまった。
「英語の問題にすれば良かったかな」と思った。
茫然自失の中,「自分の運転で」,帰宅する。
日本人の留学生にこの話をした。
彼女は,過去問を貸してくれた。
週末は,それを勉強した。
ちなみに,過去問といっても「モノホン」である。
日本では考えられないが,こちらでは採点済みの答案(問題付き)を返却してくれる。
噂では,日本語の問題パターンは4種類くらいあるそうである。
ということは,5回行けば,間違いなく通る。
「こんなので良いのかな」と思う。
12日,再度受験しようとしたら,祭日でお休み。
翌日,万全を期して,受験。100点満点であった。
この時点で,仮免許証を取得。
今度は,実地試験の予約。19日に受けることに。
妻のSSNの取得のし方
女房のSSN取得に,光明が開けたのもほぼこの時期であった。
日系無料新聞に,取得の仕方が書いてあった。
@SSAO(Social Security Administration Office)に行って,
「SSNがもらえない」という書類を作成してもらう。
Aその書類をもってDMV(Development of Motor Vehicle)に行き,筆記試験を受ける。
B「SSNを持っていないので,実地は受けられない。SSNを取得しなさい」と言われる。
「SSNが必要である」という書類を作成してもらう。
Cその書類をもって,SSAOに行き,SSNの申請をする。
D約2週間後に,SSNが取得できる。
本当に面倒な手続きであった。
1998年9月以降,システムが変わったようである。
10月8日に,@を行った。13日に,A,Bを行った。
14日に,Cを行った。24日に,Dができた。
実地試験
話をもどそう。19日の試験は,緊張した。
日本と違い,コースは事前に知らされない。
試験官が,基本的には,「right」「left」と言うだけである。
保険の有無と車のチェックがなされ,発進した。
「このレーンをキープしたまま,左折しなさい」というのがうまく聞こえなくて,
更に左のレーンによって左折したら,重大なViolationとなった。
とりあえず,15分程度運転させてもらえたが,不合格であった。
「日本でも,ここでもきちんと運転しているのに,なぜ取れないのか」という感じだった。
講評は,そのViolation,Keep Right(日本ではKeepLeft)の不徹底,
交差点での速度が少し速いということであった。
翌20日にも,予約を入れたのだが,今度はKeep Rightを意識しすぎた。
とても幅広の道(右車線だけで,3台くらいが走れるような道)で,
Keep Rightをしたら,「危ない」と怒られた。
そう,こういう道は,日本でも,アメリカでも,センターラインに沿って,運転してきた。
が,先の講評に引っ張られた。
26日にもう一度トライ。もうこの時点では,Confusion気味。
でも,8割方うまくいっていたのだが,終盤に大きなミスをおかした。
自分の道が優先道路で左折する際に,無意味な停車をしたことで不合格となった。
後続車への注意義務違反となった。12ドルを払い,誕生日の前の日の29日に予約。
何度も,不合格となっているが,その日に走った道はきちんと覚えている。
不合格となった後には,まだ試験を受けられない女房に,
いつもどの道を通ったか,ここが難しいなど,失敗の原因を伝授した。
27日には,SSNを取得した女房が初めてトライ。無事合格。
焦ってきた。28日には,大学に行く前に,秘密の特訓をエルカホンで行った。
29日,幾分,憔悴気味で実地試験を受ける。前半はうまくいった。
中盤,子どもたちの行進に出会い,危なく制限速度を超えるところであった。
最後の右折で,危ない状況になった。
「右」「左」「右」と確認して,右折しようとしたら,自転車が右からやってきた。
あぶなく発進するところであった。また,「右」「左」「右」と確認して,DMVに戻った。
無事,合格した。その場で写真を撮り,仮の運転免許証を取得。
正式な運転免許証は,3週間後には届くと言われた。
正式の免許証
が,結局,手にしたのは,僕が,1999年2月8日。
合格して3ヶ月後であった。
その間,一度更新に行った。
女房のは更に遅く,2月27日に届いた。
カンザス州では即日交付のようである。
カリフォルニア州は,ヒスパニックなどの移民問題のため,
SSN,運転免許証にはかなりうるさいようである。
1999年3月31日
1999年5月28日更新