第11回目の日本語版ダイジェストをお届けします。
*連歌における「冷え」
*公募(ブリティッシュ・コロンビア大学 助教授)
*狂言(座頭)
*源氏物語とキス
*豊原寺誓願房心定『受法用心集』
*博士コース奨学金(ロンドン大学大学院)
*京都トレーニングコース2004年
*平安漢文ワークショップ
*奨学金(南カリフォルニア大学大学院)
もしオフリストで質問者に直接ご返事頂けるときは、それぞれのメールア ド レスに直接返信して 下さい。その他の返事ならびに質問などはwat...@...eijigakuin.ac.jpに送って下さ い。英訳します。
メールの総数: 18
期間:2003年11月23日 - 12月24日
リンクなどは最後にあります。
Date: Sun, 23 Nov 2003 17:50:30 +0900
From: "Dennis Hirota" <dhir...@...kushi-u.ac.jp>
Subject: 連歌における「冷え」
From: Marc Peter Keane <i...@...eane.com>
連歌における「冷え」と「枯れ」の美、これらが「わび茶」の世界にどのよう に移っていったのかということを扱っている論文を探しています。どなたか英 語でも日本語でもかまいませんが、このような問題に関連する論をご存じのか たはいらっしゃいますでしょうか。
特に、中世和歌の世界において何が「冷え」ないしは「枯れ」とみなされるの かという事に関して理解できるような論文がありますでしょうか。
以下の本がお役に立つのではないかと思います。
Dennis Hirota. Wind in the Pines: Classic Writings of the Way of Tea as a
Buddhist Path. Fremont: Asian Humanities Press, 1995. 384pp.
ご質問の要点をズバリ扱っています。また背景となる仏教思想と連歌の作歌と茶の湯の作法についても触れられています。茶の湯に直接的な影響を与えた心敬の書物からの翻訳も掲載されています。
当該書はアマゾンに出ていますが、廉価本(2500円)は龍谷大学の以下の部署から取り寄せも出来ます。
Butten Honyaku-bu
Ryukoku University
Shichijo Omiya
Shimogyo-ku, Kyoto 600-8268
hony...@....ryukoku.ac.jp
Dennis Hirota
dhir...@...kushi-u.ac.jp
Subject: 公募(ブリティッシュ・コロンビア大学 助教授)
From: Joshua Mostow <jmos...@...l.ac.jp>
Date: 2003年11月20日 13:45:18:JST
公募
ブリティッシュ・コロンビア大学
東洋学部
日本文学 助教授(専任トラック)
2005年1月1日着任
日本文学の専門分野に関する規定はないが、映画、視覚文化、ポップカルチャー、理論、ジェンダー論等いずれかを自信を持ってカバーできること。
資格 博士号、ネイティブもしくは、ほぼネイティブの日本語能力
応募方法 文書によること。(以下詳しくは英語版をご参照下さい)。
Subject: 狂言(座頭)
From: Susan B. Klein <sbkl...@....edu>
Date: 2003年12月3日 7:54:54:JST
少し前にStephen Miller氏が座頭狂言についてご質問なさっていらっしゃいましたが、その頃少し忙しい上にパソコンも壊れてしまっていました。しばらくして大学のパソコンからアクセスしましたところ、まだ誰も以下のモニュメンタ・ニッポニカに掲載されたJacqueline Golay氏の論をあげていませんでした。
"Pathos and Farce: Zato Plays of the Kyogen Repertoire" MN Volume 28, Issue 2 (Summer 1973), 139-149.
JSTOR(http://www.jstor.org/)でアクセスできます。「月見座頭」, 「鞠座頭」, 「川上座頭」などについて論じられています。Robert Khan 氏がDon Kenny's <The Kyogen Book>に載せられた「月見座頭」の翻訳について言及しておられましたが、"Sight Gained and Lost"の題目のもと「川上座頭」の翻訳も同書に収められています。
もし同じ情報がすでにpmjsに送られていましたら、重複致してしまうことお許し願います。
Susan
Subject: 源氏物語とキス
From: Michael Watson <wat...@...eijigakuin.ac.jp>
Date: 2003年12月3日 12:40:12:JST
PMJSのリード・オンリー会員(read-only membe=ROM)から以下のような質問が届きました。普通は掲載しないのですが、興味深い話題ではないかと思いましたので載せます。(ワトソン記)
Michael Watson
以下Brendan Elliottからの質問
源氏物語の漫画による受容をテーマに卒業論文を書いています。ある疑問がありますが、どなたかpmjs会員の方からご教示いただけないか、と思っております。
約13種類ほどの源氏の漫画のうち源氏がキスをしているシーンが出てくる漫画が3,4種類あります。これは歴史的には不正確な描写なのでしょうか、というのが私の質問です。
原作にはキスシーンが言及されている場面はありません。平安時代には単にこのような行為は行われなかったという印象を受けたのですが。戦後の社会になるまで、確かにおおっぴらには行われなかったでしょうし、私が見つけた一番早い用例はOda Junichiro の「キス」の訳で、ある芸者が唇に触れることを、「舐める(lick)」( Lesley Downerの「Women of the Pleasure Quarters」)と書かれているものです。
ご教示宜しくお願い致します。
Thank you for your time.
Brendan Elliott
Case Western Reserve University
Japan Connection, President
Computer Science and Japanese Studies
Subject: 源氏物語とキス
From: Lawrence Marceau <lmarc...@...l.Edu>
Date: 2003年12月3日 21:10:47:JST
『土左日記』に以下のような文章があります。
ただ押鮎の口をのみぞ吸ふ。この吸ふ人々の口を、押鮎もし思ふやうあらむや。(角川文庫、三谷栄一訳注)
マッカラの翻訳『Classical Japanese Prose』(77 p.)には以下のようにあります。
People simply kissed the lips of pressed salted trout. Do you suppose the trout found it romantic?
間接的ではありますが、この文章は確かに「口吸」を指していますし、少なくとも、愛情の表現だと思われていたようですね。また確実に私的な行為であって、十字架にキスするとかローマ法王の指輪にキスするというような中世ヨーロッパで行われた公的な行為ではなかったことも明かです。
Lawrence Marceau
Subject: 源氏物語とキス
From: INGP...@....com
Date: 2003年12月3日 23:26:52:JST
どなたか別なかたが、きっと私より適切な用例についてコメントしてくださるとは思うのですが、10世紀の『医心方』には性行為に関するセクションがあり、接吻に関する記述もあります。
I.J.Parker
Subject: 源氏物語とキス
From: Mary Louise Nagata
Date: 2003年12月4日 7:38:33:JST
『御伽草子』の「物くさ太郎」には「接吻」が出てきます。これはキスを意味すると私は思います。間違っていたらお教え下さい。もっと正確な用例を出せなくて申しわけありませんが、参考図書などから今離れたところにいますので、調べることができません。
ML Nagata
Subject: 源氏物語とキス
From: Lawrence Marceau <lmarc...@...l.Edu>
Date: 2003年12月4日 9:43:08:JST
「物くさ太郎」には二カ所「口を吸ふ」という表現が出てきます。どちらも主人公の垢抜けない下品な性格を表しています。
L. Marceau
Subject: 源氏物語とキス
From: Michael Wood <msw...@...kwing.uoregon.edu>
Date: 2003年12月4日 11:46:08:JST
接吻している男女の浮世絵を見たことがありますが、希有な例だとおもいます。江戸時代にロシア、北米、ハワイ、フィリピン、メキシコ等に漂白した人々からキスの習慣についての情報がもたらされました。1814年にシトカ(アラスカ)に滞留した漂泊者が数人の娼婦と一緒の部屋に閉じこめられた様子について叙述しています。ロシア・アメリカ会社の代表(バラノフ)はこの漂泊者を買収して、日本との交易の便をはかる仕事をさせようと、シトカに滞在させます。漂泊者はおどろおどろしく、いかにこの巨大で積極的な女性に顔や唇を舐められたかを説明します。とはいえ、最後の方では、実際漂泊者が暴行を受けたと感じたのか、この経験を楽しんだのかうやむやになっています。他の西洋における接吻の習慣についての記述などをも考えてみますと、江戸期後半においても、これは希な行為だったのではないでしょうか。
michael wood
doctoral candidate
EALL, University of Oregon
Subject: 源氏物語とキス
From: Rajyashree Pandey <rajyashree_pan...@...oo.com>
Date: 2003年12月4日 20:18:42:JST
源氏物語において見受けられる文学的用例と平安時代の実情とには一線を設けるべきではないでしょうか。明らかに平安時代にキスは存在していました。Parker さんが指摘されたように『医心方』にはキスの効用(性的相手の粘液は医学的に有効)が説かれています。『新猿楽記』では体位についてオープンに語られていますが、これは源氏物語などでは考えられないことです。よって、わたしとしてみれば、論点は何が知られていて、実際はどうだったのかということよりも、(物語には)何が描写され、何が描写されなかったかにあると思います。
Raj Pandey
Subject: 豊原寺誓願房心定『受法用心集』
From: Iyanaga Nobumi <n-iya...@....bekkoame.ne.jp>
Date: 2003年12月15日 23:33:43:JST
Hello,
皆様
『受法用心集』の電子テキスト版をアップロードしました。これは有名な(悪名高い)かつて真言宗立川流と呼ばれた性交儀式の記述です。(参照James Sanford, "The Abominable Tachikawa Skull Ritual", Monumenta Nipponica, 1991-1, p. 1-20)これは立川流のしきたりではないというのが私の主張です(これに関して、12月14日に日本仏教総合研究学会にて研究発表をしたばかりで、次号の当学会誌に掲載予定です)。ともかく、テキストそのものはとてもおもしろいです。テキストに注記を加えましたので、当該電子テキストは単なる既存の印刷テキストのスキャン版という以上のものとなっています。ただ注記はまだ部分的ですが、無いよりはいいと思っています。
ともあれ、当該電子テキストが研究者の興味を惹くことを望みます。以下そのアドレスです。
<http://www.bekkoame.ne.jp/~n-iyanag/buddhism/tachikawaryu/juho_yojinshu.html>
Best regards,
Nobumi Iyanaga
Tokyo,
Subject: [pmjs] New version of "multiformat_nisus"
From: Iyanaga Nobumi <n-iya...@....bekkoame.ne.jp>
Date: 2003年12月15日 23:33:51:JST
皆様。
"multiformat_nisus"の新バージョンをアップしました。マック OS X (v. 10.3.1, "Panther")にアップグレードしてみて、フォントのいくつかが使えないのがわかりました。新バージョンは2種類あります。ひとつは10.2x用、ひとつは OS 10.3x用です。この機会に新機能も追加しておきました。詳細は以下のアドレスで御覧下さい。
<http://www.bekkoame.ne.jp/~n-iyanag/researchTools/multiformat_nisus.html>
以下は何ヶ月か前に書いたマクロ/スクリプトです。(詳細は英語版を御覧下さい)。
Subject: 博士コース奨学金(ロンドン大学)
From: Michael Watson <wat...@...eijigakuin.ac.jp>
Date: 2003年12月17日 7:42:56:JST
博士コース奨学金
Prof Drew Gerstle (SOAS ロンドン大学), Mr. Tim Clark (British Museum 大英博物館) and Prof AKAMA Ryo(Ritsumeikan 立命館大学)は、British Arts and Humanities Board (AHRB)から研究プロジェクト「Creating Celebrity: Kabuki Actors, Poets and Artists in 19th Century Osaka and Kyoto(著名人の創造:19世紀大坂と京都における歌舞伎役者、歌人と芸術家」に対して研究基金を受けました。
目的の一つは大英博物館と日本国内2カ所におけるの展覧会の企画です。また基金の一部はロンドン大学東洋学部(SOAS)において当プロジェクトに関連したテーマで研究を行う博士コース(3年)の学生の奨学金として当てられます。博士論文は歌舞伎ないしは視覚芸術に関連したものでなければなりません。 AHRBによる応募資格の規定がありますので、以下のサイトを参照して下さい。詳細についてはDrew Gerstle (...@...s.ac.uk)までご連絡下さい。
http://www.ahrb.ac.uk/ahrb/website/apply/postgrad/doctoral_competition.asp).
Drew Gerstle
SOAS
University of London
Russell Sq.
London WC1H OXG UK
Tel. 44- (0)20-7898-4207
Fax 44-(0)20-7898-4399
Email: ...@...s.ac.uk
Subject: 博士コース奨学金(ロンドン大学)
From: Michael Watson <wat...@...eijigakuin.ac.jp>
Date: 2003年12月17日 21:44:47:JST
前回載せましたサイトアドレスに入れない人がいるとの情報を受けました。
AHRBのホームページは以下の通りです。そこからpostgraduateをクリックして応募資格のページを見て下さい。
http://www.ahrb.ac.uk/ahrb/website/
Michael Watson
Subject: 京都トレーニングコース2004年
From: Jonah Salz <a9267...@...kyou.ne.jp>
Date: 2003年12月18日 2:56:44:JST
Traditional Theater Training
July 17-Aug 6, 20...@...to Arts Center
20th annual Kyoto Performance Institute
Applications now being accepted
2004年7月17日から8月6日にかけて行われる3週間のトレーニングコースへの応募が始まりました。参加者は能楽、狂言、日本舞踊のどれかを選び、毎日夜6時から9時まで練習します。8月6日に発表会を行います。日本研究を始めたばかりの学生または専門家で更に深く学びたい方々(国籍を問いませんー含日本人)に未曾有の中身の濃いレッスンを授けます。
授業は京都芸術センターにおいて行われます。各教室募集定員は8名です。日本語能力は必要ありませんが、狂言クラスは日本語会話の基礎が必要です。
能楽の講師はShingo Katayama, Hiromichi Tamoi, and Noboyuki Oe
日本舞踊講師はSenrei Nishikawa
狂言の講師はAkira Shigeyama
以下詳細は英語版を御覧下さい。
For further information, please write:
T.T.T. 2002/Kyoto Art Center 546-2 Yamafusiyama-cho, Nakagyo-ku, Kyoto,
604-8156 JAPAN Tel 075-213-1000 Fax 075-213-1004 Haya...@....or.jp
http://www.kac.or.jp/event/kikaku/TTT/ttt_English.html
or Program Director Jonah Salz jo...@...ld.ryukoku.ac.jp
Jonah Salz
Faculty of Intercultural Communication
Ryukoku University, Seta, Shiga 520-2194
(thru 4/04) Visiting Fellow, Center for Humanities
Wesleyan University Middletown CT 06457
js...@...leyan.edu
Subject: 平安漢文ワークショップ
From: michael watson <wat...@...eijigakuin.ac.jp>
Date: 2003年12月24日 0:18:11:JST
南カリフォルニア大学歴史学部 前近代日本プロジェクトは2004年7月12日から8月6日にかけて以下のワークショップを行います。
READING HEIAN KAMBUN(平安漢文を読む)
夏期ワークショップの第一回として、院生ならびに教員による漢文リーディング・ワークショップを行います。史料編纂所の加藤友康氏が平安時代史料に関する2004年のワークショップを主導します。ワークショップは主に日本語でおこなわれます。各セッションは7月12日から8月6日の月曜日から金曜です。参加者は大学キャンパスに隣接した宿泊施設に滞在してもらいます。
参加費用(昼食代込み)2700ドルです。若干の奨学金制がありますが、参加者はそれぞれの所属大学の基金をまずご利用下さい。また参加者は日本語会話に堪能であり、日本古典の一般知識を備えていることが望まれます。また漢文ないしは古典中国語のコースを修了している必要があります。詳しくは以下のページにて御覧下さい。
<http://www.usc.edu/dept/LAS/history/>
情報についてのの問い合わせ以下 Professor Joan Piggottまで。
telephone 213-821-5872; email <joa...@....edu>
Subject: 奨学金(南カリフォルニア大学大学院)
From: Michael Watson <wat...@...eijigakuin.ac.jp>
Date: 2003年12月24日 0:21:28:JST
The Department of History and
the Project for Premodern Japanese Studies at the
University of Southern California
announce
PhD Program Merit Fellowships for 2004-5
http://www.usc.edu/dept/LAS/history/GraduatePages/GraduateProgram.html
詳しくは英語版を御覧下さい。
英語の原文は以下のページにあります。
http://www.meijigakuin.ac.jp/~pmjs/logs/2003/2003.10.html
pmjs メールアドレス: p...@...eijigakuin.ac.jp (直接リスト全体へ)
pmjs 編集メールアドレス: wat...@...eijigakuin.ac.jp (編集を通してリストへ)
pmjs ホームページ(英語)http://www.meijigakuin.ac.jp/~pmjs/
pmjs ホームページ(日本語)http://www.meijigakuin.ac.jp/~pmjs/indexj.html
日本語版の過去ログ http://www.meijigakuin.ac.jp/~pmjs/jpn/index.html
pmjs 購読(休み、中止)http://www.meijigakuin.ac.jp/~watson/pmjs/kodoku.html
---------------------------------------------------------------------