left2.gifup2.gifright2.gif pmjs 日本語版 20(2005.01.14)

11月、12月と編集の方の個人的な都合により勝手ながらpmjs日本語版をお休みしておりました。お詫び申し上げます。新年の第一号をお届け致します。本年も何卒よろしくお願い致します。

*「観音」の発音とローマ字綴りについてKwannon/Kannon
* 役職の翻訳
* 本朝水滸伝
* 『万葉集』Ishikawa Onako(?)
* 日本研究電子出版UM センター(UM Center for Japanese Studies Electronic Publications)
*『源氏物語』大会のお知らせ

メールの総数: 16
期間:2004年12月02日 - 2005年1月01月02日
リンクなどは最後にあります。

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【訳者注:以下観音のローマ字綴りについてのご質問は平安時代を題材にしたミステリーを執筆中の、イングリッド・パーカーさんからの質問です。】

Date: Thu, 2 Dec 2004 05:31:06 EST
From: Ingrid Parker <INGP...@....com>
Subject: Kwannon/Kannon

皆様
観音のローマ字綴りが、Kwannonなのか、Kannonであるのか明確化させることが出来ますなら、大変嬉しく思います。私の校正編集者がKwannonはあきれかえるほど古くさいとしてためらっています。

両方の綴りともに受け入れられるものならば、私としては平安朝の発音により近い方を選びたいのです。多分11,2世紀の音保持しているKwannonの始原は中国語のKuan-yinではなかと思うのですが。

謝。

I.J.Parker
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Date: Mon, 06 Dec 2004 09:49:02 +0900
From: William Wetherall <b...@...herall.org>
Subject:観音の発音とローマ字綴りについて

パーカーさんのご質問とても興味をそそられますね。言語学的な正確さのためや文学的な雰囲気をミステリーに加えるために、平安時代の発音の史的変遷を明確化する努力をはらう価値があるのかとか、またその発音がどういうものであったのかの問題についてはひとまず措いておいても、Kwannon のローマ字綴りは1945年に新仮名遣が紹介され広まる以前のかな正書法を反映しています。

ワ行音の正書法は大学名のkwansaiや kwanseiに遺っています。それからもちろんラフカディオ・ハーンのkwaidanは現在でもこの綴りのまま使われています。Yenは最も有名な例ですし、現代に遺るヤ行音です。他のヤ行音はハワイ州の議員Inouye氏の名字に遺っています。 Embree著 のSuyemuraは再版のどれかからSuemura に変わりましたし、Suyehiroも殆どSuehiroになっています。【訳者注:John F. Embree著、A Japanese village: Suye Mura (1946)。邦訳: 日本の村ー須恵村 / ジョン・F.エンブリー著 / 植村元覚訳。】

現在ではある種の歌手達が目的語の「を」をワ行音のwoと発音するように、明治、大正、昭和初期には「がいこく」の語を、実際gwaikokuと発音されたのかもしれませんが、大半はgaikokuと発音したでしょう。明治時代に貨幣単位がyenと綴られても、今日の日本語を母国語とする人々が発音するように、engと発音されていたのでしょう。

Kwannonの綴りは全く使われていませんが、設定が平安時代の物語においては、現代日本の発音の正しい表記法だというよりは、英語における見せかけ上の発音の綴りだと考える方が良いと思われます。Kannonの綴り方でさえも、現代においては、日本語を知らない読者の目にはいわゆるローマ字綴りの音韻的なパワーを見せられます。


William Wetherall
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Date: Mon, 06 Dec 2004 20:11:20 +0000
From: "James Guthrie" <rcg...@...mail.com>
Subject: 観音の発音とローマ字綴りについて

Kwannonは一般的には古い綴り方だと見なされています。「を」をoではなくwoと綴ることと同じです。ヘボン式では今はkannonの綴りが正しく、多分校正編集者が言っているのはそこだと思います。何かKwannonの発音を綴りに残したい特別な理由がおありでしょうか。

Best,
James Guthrie
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Date: Mon, 6 Dec 2004 18:57:10 -0800 (PST)
From: Charles DeWolf <cmdew...@...oo.com>
Subject: 観音の発音とローマ字綴りについて

William Wetherall氏の日本語音韻論に少し付け加えさせて下さい。

1.周知のように、ヤ行音にはyeや yiを表記する文字がありませんが、日本語にはyeの音は存在します。これはどのように説明できるのでしょうか。

音韻学の学生達はe音はye音より弱く、eやyeの中間音は言語的にe音になって、ye音にはならないとみなしています。同じように、円唇軟口蓋の半母音w音は付け加わるよりは、消滅してしまう可能性のほうが高いです。英語圏の話者はw音を伴うクエスチョン(question)という単語を古めかしく発音し、一方より先進的なフランス語圏の話者はケスチオン(question)と発音して、w音は消滅しています。

しかし日本語の歴史においては、ye音に関しては、無標音から有標音へという変遷を辿ったようです。【編集注:有標marked 無標unmarked 共に(プラハ学派の音韻論に端を発する)言語学用語、簡単には無標は一般的なもの、有標は特殊なもの】歴史的に日本語では「今日(きょう)」の音のようにkefu→kyeu→kyouのように口蓋音化の傾向があるようです。

ワ行のweとア行のeは中性化されて、ビールの品名にある「ヱビス」はWebisu→Ebisu→Yebisuとなり、wen(cf. 中国語由来のコリア語であるwon「円」)はen→yenとなったわけです。地図では江戸はローマ字でYedoと表記され、よって江戸のローマ字綴りが、遡ること19世紀の初頭に、我らの遠い祖先によってJedoと綴られたわけです。

2.源氏物語と今昔物語に、有名な碁の棋士、聖職者的な名前を持つ K(w)anren(寛蓮上人)が引かれています。今昔物語に出てくるこの人物の物語を翻訳したときに、私は円唇軟口蓋半母音w音を加えることにしました。もし名前などが日本で現在も使われているなら、英語のスペルもそれに倣うべきでしょう。もっとも、ヱビスビール(もともとはYebisuだが今は実際にはEbisuと発音されている)の場合のように、余計なyをくっつけて、ちょっと高くても、販売促進に役立っているということもありますけど。

ド・ウルフと発音されるべきですが、音韻的にドゥーフ(ドイツ語のアホ)という運命づけられてしまったCharles De Wolf

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Date: Tue, 7 Dec 2004 13:56:21 +0900
From: Iyanaga Nobumi <n-iya...@....bekkoame.ne.jp>
Subject: 観音の発音とローマ字綴りについて

こんにちは。

On Dec 6, 2004, at 9:49 AM, William Wetherall wrote:
>現在ではある種の歌手達が目的語の「を」をワ行音のwoと発音するように、明治、大正、昭和初期には「がいこく」の
>語を、実際gwaikokuと発音されたのかもしれませんが、大半はgaikokuと発音したでしょう。


明治生まれのキリスト教の牧師(90何歳かで約10年ほど前に亡くなりました)が、「教会」を "kyookwai"とミサなどで発音していました。普通の会話ではこの発音が使われていたかは気が付きませんでした。

Best regards,

Nobumi Iyanaga
Tokyo,
Japan
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Date: Tue, 7 Dec 2004 07:18:47 EST
From: Ingrid Parker <INGP...@....com>
Subject: 観音の発音とローマ字綴りについて

William Wetherall さんとJames Guthrieに御礼申し上げます。想像していた通りでした。執筆中の作品もそしてこのシリーズも80年代半ばにスタートしています。どちらの綴りも使われています。私は中国読みのKuan-yinの綴りについても考えていたのかもしれませんが、おそらく何も考えずにKwannonの綴りを使ったのだと思います。その後どの学術書でもKannonの綴りが使われています。「英語圏の愛着」ということについてはよくわかりませんが、ラフカディオ・ハーンらは当時聞いた通りのまま綴ったのでしょうが、その後発音が変化したのかと想像します。

William Wetherallの私がKwannonの綴りを残したがっているという質問に関してですが、特に強い愛着を持っているというわけでもないのですが、これまでもこの綴りを使ってきたのでこれからも使い続けるかもしれません。とはいえ、そちらのほうが平安時代の発音により近いというのが理由としてはもっともらしいでしょうが、希望はありますでしょうか。
もう一度ご返信ありがとうございました。

I.J.Parker
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Date: Wed, 8 Dec 2004 21:25:35 -0500
From: Aileen Gatten <agat...@...ch.edu>
Subject:観音の発音とローマ字綴りについて

>William Wetherallの私がKwannonの綴りを残したがっているという質問に関してですが、特に強い愛着を
>持っているというわけでもないのですが、これまでもこの綴りを使ってきたのでこれからも
>使い続けるかもしれません。とはいえ、そちらのほうが平安時代の発音により近いというの
>が理由としてはもっともらしいでしょうが、希望はありますでしょうか。

この質問にお答えするのは難しいですね。というのも平安時代に「観音」がどのように発音されたのかはわからないからです。好奇心から「観音」が仮名でどのように書かれているのか『源氏物語大成』をみてみました。
3回ほどでてきますが、うち2回は「手習」の巻でもう一つは「夢浮橋」です。最初の例は「くわんおん」で校異はありません。のこりの二つは「くわんをん」でこれらも校異はなしです。(三例とも長谷寺の観音のことを言っています)。最古の『源氏物語』の写本は平安後期ないしは鎌倉期でしょうから、12世紀に「観音」が仮名文字でどのように書かれていたのかをかなり正確に伝えているのではないでしょうか。

問題は、これらの仮名の一部ないしは全てが現在と同じ発音ではなかったということです。(一度俳優が「夕顔」の巻から平安時代の発音を再現して朗読するのを聞いたことがありますが、「ゆふがお」は、yufungafoと発音されfunに強いアクセントがおかれていました)。平安時代の発音に近づけたいなら、『源氏物語』の例に倣うということもできますが、Kannonに慣れている読者を混乱させるでしょう。Kwannonは平安以後の音のようです。Kannonの方が無難でしょう。

Aileen Gatten
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Date: Thu, 9 Dec 2004 23:02:13 +0000
From: Michael Watson <wat...@...eijigakuin.ac.jp>
Subject: 役職名の翻訳

皆様

James Vardaman (早稲田大学)はpmjsの会員ではありませんが、現在彼が翻訳注の梅原猛著『水底の歌 柿本人麿論』の翻訳をしていて、歴史用語の翻訳について二例ほど質問があるのでpmjsに載せてくれということです。

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以下の言葉はどのように英訳できるのでしょうか。
小錦下と朝集使
大半の古典語は『プリンストン・コンパニオン』に載っているのですがこの二つだけは見つかりません。[編集注:以下略]
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「広辞苑」には後者の項目があります。
どなたかご教示を。

水底の歌ム柿本人麿論 / 梅原猛著 (1973)
http://webcat.nii.ac.jp/cgi-bin/shsproc?id=BN01524658
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101244022/
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Date: Thu, 09 Dec 2004 17:26:30 -0700
From: Todd Brown <jtbr...@...rizona.edu>
Subject:役職名の翻訳

「広辞苑」が手元にありませんが、この役職名は初めて見ます。が、『大辞林』の定義が正しいならば、Governor's Liaison to the Great Council of Stateというところでしょうか。

もう一つの方(小錦下)は『日本紀』によれば、664年に修正施行された位です。アストンは、これがどのような役職であれ、単に字義通りにlower lesser brocadeと翻訳しています。

Todd Brown
University of Arizona
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Date: Fri, 10 Dec 2004 12:58:24 +0900
From: "M.Joly Jacques" <jacques.j...@...e.fr>S
Subject: 役職名の翻訳

フランシーヌ・エレイユ氏のフランス語訳の書物には平安朝宮廷の役職名などの何らかの一覧表があるのではないでしょうか。参考文献類を当たるとよいと思います。

Jacques Joly
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Date: Thu, 9 Dec 2004 22:14:41 -0800
From: Joan Piggott <joa...@...il.usc.edu>
Subject:役職名の翻訳

皆様こんにちは

「小錦下」、「朝集使」について:

拙著 <The Emergence of Japanese Kingship> 86ページに、推古朝から大宝時代までの官位システムを比較した一覧があります。また大化3年(647)の官位体系には私がGreater BrocadeとLesser Brocadeと翻訳した役職があります。天智3年(664)に上、中、下とになりました。ですから小錦下 (shoukinge)は天智朝以後の役職でLesser Brocade, Lower (Step)と翻訳されると良いかも知れません。明治大学の吉村武彦先生と拙著の出版前にこれらのさまざまな役職について話あった記憶があります。結局不確かな部分があるということで同意しました。吉田孝(『大系日本の歴史3 古代国家の歩み』小学館 50ページ)は「錦」の字は「金」を意味しているとしています。そしてこれらの役職の人間によって被られた帽子の飾りの色だったと考えられています。氏はLesser Gold, Lower (Step)という翻訳に一票を投じるのではないでしょうか。先の一覧表では、この大化3年と天智朝 のLesser Brocadeという職が後の大宝では五位に相当しています。

朝集使は国府や太宰府から朝廷へ年に一度の報告書や貢ぎ物を運ぶ四種の使者のひとつです。特に国司などの仕事の評価報告書を運んだのがこれらの使者です。この役職の初出は648年です。奈良時代には国司に使える(守、介、掾、主典)などの典型的な仕事でした。平安時代には更に下の位の人間がこういう仕事をするようになりました。

フランス語訳では、フランシーヌ・エレイユ氏がこれら地方官の四種についての書<Yodo no tsukai (四度使)>を著しています。1966年の出版です。多分朝集使の氏によるフランス語訳があると思いますので、明日研究室で調べます。

【Yodo no tsukai, ou, Le systeme des quatre envoyes = 四度使 / Francine Herail. Paris  Presses universitaires de France, 1966.
http://webcat.nii.ac.jp/cgi-bin/shsproc?id=BA1929483X】

これらの律令官位についての役に立つのが『国史大辞典』です。また阿部猛編『日本古代官職辞典』(高橋書店 1995年)はこういう調べものに最適です。

Best,
Joan Piggott
--
Joan R. Piggott
Gordon L. Macdonald Professor of Pre-1600 Japanese History &
Director of the Project for Premodern Japan Studies
History Department
University of Southern California
Social Sciences Bldg.
Los Angeles, CA 90089-0034
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Date: Sat, 11 Dec 2004 07:44:57 +0000
From: "Michael Wachutka" <michaelwachu...@...mail.com>
Subject: 役職名の翻訳

ドイツ語では以下の本がこのような官職の情報源として役に立ちます。公卿補任をもととしています。

_Japanische Regierungs- und Verwaltungsbeamte des 8. bis 10. Jahrhunderts_.
Edited by Gerhild Endress and Hans A. Dettmer
Part B (576 p.), 1995 (Wiesbaden: Harrassowitz); Part A (379 p.), 2000.

Best wishes,

Michael Wachutka
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Date: Wed, 15 Dec 2004 16:30:13 +0100
From: Ivo Smits <i.b.sm...@....LeidenUniv.nl>
Subject:本朝水滸伝

私が受け持っている学部生が建部綾足の『本朝水滸伝』について論文を書こうとしています。ただ英語ないしは、他のヨーロッパ言語による参考論文などを見つけることが出来ません。

何かありますでしょうか。

この学生は、例えば、Inge KlompmakerのKuniyoshi's ukiyo-e series (Hotei Publishing)などについては知っています。残念なことにLawrence E. Marceauの"Takebe Ayatari: A Bunjin Bohemian in Early Modern Japan" (Center for Japanese Studies, University of Michigan, 2004)はまだ着いていません。これは『本朝水滸伝』について触れられているでしょうか。

どのようなご教示も有り難く思います。

Ivo Smits
******************************************
Dr Ivo Smits
Centre for Japanese and Korean Studies
Leiden University
P.O. Box 9515
2300 RA Leiden
The Netherlands
E-mail: i.b.sm...@....LeidenUniv.nl (日本語もどうぞ)
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Date: Sun, 19 Dec 2004 21:14:22 +1100
From: Meredith McKinney <mered...@...idwood.net.au>
Subject: [pmjs] Ishikawa Onako

友人に七世紀の万葉歌人石川Onako 【訳者注:どちらの石川娘女のことか】について何か知っているか訊ねられました。この女性が存在したという事以外は何もわかりません。Ebersoleがこの女性を興味深い人物として論じていたと思いますが、もっと(出来れば友人が直接読めるように英語での)何か資料があるでしょうか。或いはどなたかもっとご存じの方のご教示を仰ぐことができるでしょうか。

Meredith McKinney

【Ebersole = Gary L. Ebersole著、Ritual poetry and the politics of death in early Japan (Princeton University Press, 1989)】
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Date: Wed, 22 Dec 2004 12:55:29 -0500
From: Bruce Willoughby <...@...ch.edu>
Subject: [pmjs] NEW! UM Center for Japanese Studies Electronic Publications

ミシガン大学 日本研究電子出版センター

当センターでは広範で様々な資料が検索、ダウンロードが可能なことをお知らせできることを嬉しく思います。

一回の検索で、サイト内の全資料の語彙検索ができます。本はページを追って電子テキストとしてあるいはイメージ・スキャンで読めます。或いは全テキストをpdfファイルとしてダウンロード出来ます。当センター蔵書の閲覧は無料です。またこれらをまもなくオンデマンド印刷でも入手可能とする予定です。

当センターの電子出版物は以下の三種に分けられています。

ミシガン・クラシック・オンライン

ミシガン・クラシック・オンラインは絶版の書物に第二の生命を与えます。本は専門家の審査(peer review)を経て選抜され、学部生の授業用としての可能性が低い古典シリーズに対するものとして電子図書として出版されます。絶版になっていて、手に入らない図書で電子化する価値のあるものがありましたら、ぜひご推薦下さい。

以下詳しくはリンクなどをご参照下さい。

CJS 教員シリーズ
CJS Faculty Series

絶版本オンライン
Out-of-Print Books Online

http://websvcs.itcs.umich.edu/cjs/publications/electronic.php

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Date: Sun, 2 Jan 2005 20:09:47 +0900
From: "Melissa McCormick" <mm1...@...UMBIA.EDU>
Subject:大会のお知らせ。『源氏物語』世界と日本

皆様

ハルオ・シラネ教授との共同オーガナイズによる二日間にわたる『源氏物語』大会のお知らせができますことを嬉しく思います。2005年、3月25日と26日コロンビア大学において開催されます。

大会プログラムなどは以下のドナルド・キーン・センターのサイトにあります。
http://www.columbia.edu/cu/ealac/dkc/

また大会前日の24日には瀬戸内寂聴氏がコロンビア大学において本年度の千(宗室)特別講義シリーズをなさいますこともお知らせしておきます。

3月の大会では皆様とお会いできるのを楽しみにしております。また新年のおよろこびを申し上げます。

Melissa McCormick
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Assistant Professor of Japanese Art
Dept. of Art History and Archaeology
Columbia University
http://www.columbia.edu/cu/arthistory/japan/


THE TALE OF GENJI IN JAPAN AND THE WORLD:
SOCIAL IMAGINARY, MEDIA, AND CULTURAL PRODUCTION
March 25-26, 2005
Columbia University, New York City

Organizers: Haruo Shirane (East Asian Languages and Cultures, Columbia U.) and Melissa McCormick (Art History and Archaeology, Columbia U.)

Funded and sponsored by Japan Foundation, Toshiba International Foundation, Donald Keene Center of Japanese Culture, and Department of East Asian Languages and Cultures and Department of Art History and Archaeology at Columbia University

This international symposium explores the impact of The Tale of Genji on Japanese culture and abroad from a multi-media, cross-historical, global perspective, analyzing the roles of genre (poetry, fiction, drama), media (painting, illustrated books, film, anime, manga), translation, and education, with particular attention to the larger issues of cultural identity, gender, and canon formation. The symposium takes an interdisciplinary approach, bringing together specialists in history, literature, drama, religion, art history, and cultural studies, whose topics range from Japan's medieval period through the 21st century.

For pre-registration and further information, email Yurika Kurakata, yk...@...umbia.edu.

FRIDAY, MARCH 25, 2005

501 Schermerhorn
W. 116th Street, Columbia University

Registration: 8:30-9:00AM
OPENING REMARKS

9:00-9:40 Haruo Shirane (Columbia), "The Tale of Genji, Social Imaginary, and Cultural Production"

COMMENTARIES, EDUCATION, AND GENDER
Chair: Edward Kamens (Yale)

9:40-10:20 Ii Haruki (National Institute for the Humanities), "The Tale of Genji, Curriculum, and Women"
10:20-11:00 Lewis Cook (Queens College), "Medieval Commentaries, Allegorical Readings, and The Tale of Genji"
11:00-11:10 Session Discussion

11:10-11:30 COFFEE BREAK

REWRITING THE TALE OF GENJI: MONOGATARI AND SETSUWA
Chair: Machiko Midorikawa (Kanto Gakuin)

11:30-12:10 Royall Tyler (Australia National), "Sagoromo monogatari and Hamamatsu chunagon monogatari: Fiction as Meta-commentary"
12:10-12:50 Komine Kazuaki (Rikkyo), "The Tale of Genji and Medieval Popular Narrative: Setsuwa and Otogi-zoshi"
12:50-1:00 Session Discussion.

1:00-2:00 LUNCH BREAK

VISUALIZING THE TALE OF GENJI: POWER AND MATERIAL CULTURE
Chair: Ikeda Shinobu (Chiba)

2:00-2:40 Yukio Lippit (Harvard), "Figure and Facture in The Tale of Genji Scrolls"
2:40-3:20 Melissa McCormick (Columbia), "Monochromatic Genji: The Hakubyo Tradition in Premodern Japan"

Chair: Naomi Fukumori (Ohio State)

3:20-4:00 Mitamura Masako (Ferris), "Imperial Possessions: Excerpting The Tale of Genji"
4:00-4:10 Session Discussion
4:10-4:30 COFFEE BREAK

ARISTOCRATIC AND WARRIOR CULTURES: POWER AND GENDER
Chair: Richard Okada (Princeton)

4:30-5:10 Matsuoka Shinpei (Tokyo), "Ashikaga Yoshimitsu and The Tale of Genji: Power and Performance"
5:10-5:50 Yamanaka Reiko (H?sei), "Female-Spirit Noh and The Tale of Genji"

Chair: Okuda Isao (Seishin/Columbia)

5:50-6:30 Gaye Rowley (Waseda) and Miyakawa Yoko (Shukutoku), "Aristocratic and Warrior Reception of the Classics in the Age of Tsunayoshi, the Fifth Shogun"
6:30-6:45 Session Discussion

SATURDAY, MARCH 26, 2005

501 Schermerhorn

Registration: 8:45-9:00AM

PRINT, POPULAR CULTURE, AND THE CLASSICS IN THE EDO PERIOD
Chair: Henry Smith (Columbia)

9:00-9:40 Nakajima Takashi (Waseda), "Classical Revival, Popular Fiction, and Pleasure Quarters"
9:40-10:20 Nakamachi Keiko (Jissen), "Tale of Genji Pictures in the Edo Period: Representations and Socio-Cultural Significance"
10:20-10:30 Session Discussion

10:30-10:50 COFFEE BREAK

Chair: Thomas Harper (Leiden)

10:50-11:30 Patrick Caddeau (Amherst), "Edo Commentaries: Norinaga and Hiromichi?s Appraisals of The Tale of Genji"
11:30-12:10 Michael Emmerich (Columbia), "Inaka Genji, Text-Image, and Popular Culture"
12:10-12:20 Session Discussion

12:20-1:30PM LUNCH BREAK

INTERNATIONAL TRANSACTIONS AND CULTURAL IDENTITY
Chair: Paul Anderer (Columbia)

1:30-2:10 Tomi Suzuki (Columbia), "Modern Literary Histories and The Tale of Genji: Genre, Gender, and Language"
2:10-2:50 Kawazoe Fusae (Tokyo Gakugei), "Translation and Modern Literature: Yosano Akiko, Arthur Waley, and Tanizaki Junichiro"
2:50-3:30 Kobayashi Masaaki (Aoyama), "Wartime Genji: Censorship and Resistance"
3:30-3:40 Session Discussion

3:40-4:00 COFFEE BREAK

MASS MEDIA AND POP CULTURE
Chair: Carole Cavanaugh (Middlebury)

4:00-4:40 Kitamura Yuika (Kobe), "Manga and Contemporary Translations: Tanabe Seiko, Yamato Waki, Setouchi Jakucho, Maki Miyako, Hashimoto Osamu, and Egawa Tatsuya."
4:40-5:20 Tateishi Kazuhiro (Ferris), "The Tale of Genji, Film, and Pop Culture"
5:20-5:30 Session Discussion

THEORETICAL PERSPECTIVES
Chair: Haruo Shirane (Columbia)

5:30-6:00 Joshua Mostow (British Columbia), "Final Comments and Theoretical Perspectives"
6:00-6:40 Closing Discussion

RELATED EVENTS

2005 SEN LECTURE

March 24, Thursday, 2005, 6-7:30PM, Low Rotunda, Low Library, W. 116th Street, Columbia University

Sen Lecture Sponsored by the Donald Keene Center of Japanese Culture

Setouchi Jakucho, "Fujitsubo and The Tale of Genji"

Introduction by Donald Keene

ADMINISTRATION

Associate Director of the Donald Keene Center: Yurika Kurakata
Columbia University PhD Student Assistants: Talia Andrei, Michael Emmerich, Chelsea Foxwell, Herschel Miller, Satoko Naito, Gian-Piero Persiani, Satoru Saito, Tomoko Sakomura, Saeko Shibayama, Satoko Shimazaki, Akiko Takeuchi, Mathew Thompson, Loren Waller, Anri Yasuda

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英語の原文は以下のページにあります。
http://www.meijigakuin.ac.jp/~pmjs/logs/2004/2004.10.html
http://www.meijigakuin.ac.jp/~pmjs/logs/2004/2004.11.html
http://www.meijigakuin.ac.jp/~pmjs/logs/2004/2004.12.html

pmjs メールアドレス: p...@...eijigakuin.ac.jp (直接リスト全体へ)
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日本語版の過去ログ http://www.meijigakuin.ac.jp/~pmjs/jpn/index.html
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