2014年度 現代世界と人間4/総合科目  
秋学期 横浜校舎 毎週金曜日5時限(16:45-18:15)6号館3階631教室

“広島・長崎講座~東アジアの平和”  
コーディネーター:張 宏波 (PRIME所員、教養教育センター教員)、渡辺 祐子(PRIME所員、教養教育センター教員)

学修目標
過去の戦争はどのような加害・被害をもたらしたのか、広島・長崎への原爆投下がいかなる戦後世界を生みだしたのか、米軍基地が首都圏にはほとんど存在しないのはなぜか、明治学院はどのような戦争協力を行ったのか――戦争や核についてわれわれがよく「知らない」でいることが、戦争や核がなくならない構造をいかに支えているかを理解することが目標である。平和や戦争といった問題群は自分とは遠い出来事と思われがちだが、東電福島第一原発事故とその影響で明らかになったように、われわれの日常そのものが平和や戦争と密接に繋がっていることを実感してもらいたい。
講義概要
第二次大戦後、「戦争をなくそう、核をなくそう」といった叫びは人類共通の課題となったが、一向になくならない。現代の世界がわれわれの願いとは裏腹に戦争と深く結びつきながら成り立っていることを物語っている。この事実を正面から捉え、戦争とは何かを知ることが戦争に翻弄されない世界を作り出す上での出発点になる。
今年度は「東アジアの平和」を統一テーマとして、近現代の東アジアで何が起きてきたのかについて、リレー方式で開講する。研究者だけでなく、戦争体験者や被爆者なども講師に迎えて当時の様子を伺うとともに、戦争をなくし、核をなくすために戦後どのような取り組みをおこなってきたのかについても話してもらう。
また、現在日本と中国大陸・台湾や、朝鮮半島との関係に注目が集まっているが、その戦後の歩みは日本の支配から脱して近代化、民主化する過程でもあった。そうした歴史を踏まえることで、「東アジアの平和」のために何が躓きの石となっているのかも見えてくる。そこで、後半では、韓国、中国、沖縄における平和の問題について検討していく。
なお、本講義は本学国際平和研究所の提供科目である。
講義概要 10月20日改訂(10月24日について、下記のとおり変更しました。なお、今後も講師の日程変更の可能性があります。)
第1回 
9/26 なぜ今、ヒロシマ・ナガサキなのか(渡辺祐子先生)


第9回 
11/21 韓国人歴史家の目から見た戦後日韓関係史(徐正敏先生) 

第2回 
10/3 近現代東アジアの戦争を振り返る-1-(鄭栄桓先生)
第10回 
11/28 中国の「忘れられた女性」たち(班忠義さん)
第3回 
10/10 近現代東アジアの戦争を振り返る-2-(鄭栄桓先生)
第11回 
12/5 日本と朝鮮半島の関係史概説(秋月望先生)

第4回 
10/17 戦争体験者の証言:軍隊経験と戦後の歩み(森井眞先生)*10/17のみ教室変更 631教室→8号館2階823教室
第12回 
12/12
平林たい子 がみた中国兵(嶋田彩司先生)

第5回 
10/24 明治学院と戦争:何を「心に刻む」の か?(中山弘正先生)*10/24のみ教室変更 631教室→8号館2階823教室
第13回 
12/19 基地が集中する沖縄の人々の声(池尾靖志さん)

第6回 
10/31 「原爆」と 「原発」:東アジア と核(小沼通二先生)
第14回 
12/26 なぜ今、ヒロシマ・ナガサキなのか(再論)(高原孝生先生)
第7回 
11/7 被爆者のコトバ(神戸美和子さん)
第15回 
1/9  講義のまとめ(張宏波先生)
第8回 
11/14 「従軍慰安婦」問題とは何か(渡辺祐子先生)

参考文献
伊東壮『1945年8月6日』岩波書店
長崎総合科学大学平和研究所編『ナガサキ-1945年8月9日』岩波書店
前田哲男監修『隠されたヒバクシャ―検証 裁きなきビキニ水爆被災』凱風社
野田正彰『戦争と罪責』岩波書店
吉田裕『日本人の戦争観』岩波書店
吉田裕『アジア・太平洋戦争』岩波書店
その他、適宜授業内で紹介する。
成績評価の基準
授業参加40%、レポート60%
関連URL
http://www.meijigakuin.ac.jp/~prime/
備考
詳細は国際平和研究所のHPで適宜更新されていくので、参照のこと。
なお、担当講師の都合等により内容や順番に変化が生じる可能性がある。

学内者・学外者の聴講も歓迎です。