「特定秘密保護法案反対声明」 

明治学院大学国際平和研究所(PRIME) 所員および関係者有志

今次、特定秘密保護法案では、①「特定秘密」の範囲が広く、極めて曖昧であること、②「特定秘密」が政府・官僚の意のままに決められること、③知ること=情報が「もれる」ことに関して、処罰範囲が広く刑罰が重く、言論の自由や知る権利が侵害される恐れが大きいことが指摘できる。たとえば原発情報が「特定秘密」と指定されれば、SPEEDIなどの放射能の拡散情報を知ることが処罰されることになる。以上の点からこの法案は国民の知る権利を侵害する法案である。なお、民主主義あるいは市民による政府の統制のためには、秘密の保護ではなく、むしろ可能な限りの情報公開が進められるべきである。

私たち平和学・平和研究に携わる研究者にとっても、真実を探る自由な研究活動が妨げられる恐れがある。

さらに憂うべきは、集団的自衛権容認への動きが進むなかで、本法案が国家安全保障会議法案とセットで、今国会に提出されようとしていることである。アメリカ軍の軍事行動と連携して、日本が戦争に巻き込まれる事態も特定秘密保護法の闇の中に隠され、国民は知ることもできず、知ろうとしても、報道しようとしても罰せられる。

したがって、われわれは特定秘密保護法案に強く反対する。

 

賛同有志(アイウエオ順)
青柳寛、阿部望、石原俊、伊藤るり、猪瀬浩平、大村真樹子、岡田信弘、勝俣誠、小沼通二、齋藤百合子、桜井均、佐藤アヤ子、宋立水、高原孝生、田中桂子、鄭栄桓、寺田俊郎、戸谷浩、中野佳裕、中山弘正、浪岡新太郎、箱山富美子、服部圭郎、東澤靖、平山恵、藤川賢、古市剛史、松島泰勝、丸山直起、宮地基、森まゆみ、森本泉、吉原功、涌井秀行、渡辺祐子、賴俊輔、中田英樹

2013年11月29日現在
明治学院大学 国際平和研究所(PRIME)