明治学院大学教員有志による、

米国で起きた「同時多発テロ」事件に関する声明文

2001年9月26日

初めに、9月11日に米国で起きた「同時多発テロ」事件による犠牲者及びその家族、関係者に対し、深く哀悼の意を表します。
残念ながら米国政府はこの事件に対し、軍事的手段を中心とした報復行動を同盟国の協力のもとに行うべく、準備を整えています。
我々、平和と非暴力を理念とする明治学院大学教員有志は、あらゆる形の暴力や、それにより引き起こされる無差別殺戮に反対し、日本国憲法のもとで、こうした暴力行為を軍事力の行使によっては根絶できないと認識し、以下の諸点について、日本政府及び世界の世論に訴えます。

  1. 米国が「テロ」に対する報復の名の下に、これ以上多くの民衆に被害を及ぼすことを深く懸念し、米国及びそれに同盟する政府は、外交的手段による解決に最大限の努力を払うべきであると考える。
  2. 日本政府がアメリカの軍事行動を支持する事を前提に、日本国憲法の原則に関わる問題を十分に議論することなく、自衛隊の海外派兵を決定したことを強く懸念する。
  3. 日本政府は中立的立場で、中東和平に貢献するような外交政策を確立すべきである。同時にアメリカに対し中東政策の見直しを要求する。
  4. 今回のような無差別殺戮を再び起こさない為には、世界規模の貧富の格差と社会的不正をなくす努力が最も重要であると考える。そのためにも日本のODAと市民による社会開発を、大胆かつ大規模に促進すべきである。
  5. 今回の「同時多発テロ」に対しては、世界の平和および安全を維持することを目的に作られた国際連合を中心に対処し、容疑者は国際法廷で法に基づいて裁かれるべきであると考える。

 

以上

呼びかけ人:勝俣誠、上村英明
賛同人:熊井茂行、古市剛史、高原孝生、涌井秀行、吉原功、中山弘正、佐藤アヤ子、熊本一規、河合克義、橋本敏雄、竹中千春、森本栄二、竹尾茂樹、孫占坤、秋月望