東アジア平和カフェ
強制的に連行したってどういうこと?
「相模湖」と「秋田」への強制連行・強制労働の調査報告会
ここのところ、戦時中に朝鮮半島や中国から人々が「強制的に」連行されたのかどうかを問題視する政治家の発言が目立っています。そこで、戦時中に行われた日本への「強制連行・強制労働」の現場を訪れた最近の調査に関する報告会を持ちたいと思います。
皆さんのあいだでも観光に訪れた人もいるかもしれない「相模湖・ダム」も、多くの強制連行・強制労働によって建設されたものです。秋田県にある「花岡鉱山」も代表的な連行先の一つで、朝鮮半島や中国から何千人も連行されました。そこで連行された人たちがどのように過ごしたのか、そして彼らはいまどのように日本社会を見ているのか、歴史の解明に取り組み現地の日本人の活動とともに御報告します。「強制的な連行」の意味をともに考えてみましょう。
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報告者:石田隆至さん(PRIME研究員)、張宏波さん(PRIME所員)
コーディネーター:張宏波さん(PRIME所員、教養教育センター准教授)
▶実施報告書
相模湖(神奈川県)および花岡(秋田県)における強制連行・強制労働の実態調査(6月・7月に実施)に関する報告を、多数の写真や動画を投影しながら行った。
戦時中の日本では、朝鮮半島から数十万人、中国大陸から4万人といわれる人々が日本各地の数百の事業所に連行され、苦役を強いられた。現在ではその多くの現場で、強制連行・強制労働があったことを窺わせる痕跡を見出すことさえ難しい。今回調査を行った両現場では、地元の市民たちが「負の歴史」を掘り起こし、記録、保存、慰霊活動に取り組み、歴史的「事実」を真摯に語り継いでいた。報告会出席者にとって、連行の事実や被害の深刻さに加えて、それら事実が「忘却」されようとしている側面、そして「忘却」に抗おうとする人々の活動のかけがえのなさへの共感が共有された。強制連行や強制労働の事実が「場」や「記録」の保存、そして「社会的記憶」という形で継承されることで、強制連行を「否定」する言説が事実に基づかない妄言・暴論の類いであるという認識を広げる契機となることを確認しあった。
参加者は10名程だったが、留学生や教員を交えて意見交換を行い、出席学生からは今後の現地調査への参加を希望する声も上がった。
主催:明治学院大学国際平和研究所
http://www.meijigakuin.ac.jp/~prime/
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