公開シンポジウム
2011年に発生したシリア危機は、元々民主化を求める市民の運動でした。それが体制打倒を目指す軍事闘争と化し、さらにテロとの戦いの要素が加わり、いつの間にか諸外国がそれぞれの国益を巡って相争う場になりました。7年間に及ぶ戦闘は今も続き、この間多くのクラスター爆弾も使用され、相当な数の地雷が埋められています。戦争の残酷さに直面するシリア人たちの声に我々国際社会はどれだけ耳を傾けているでしょうか。シリアの友人は言います「私達は人形のよう。ただ従うだけ。今の世界に正義はない」と。シリア和平ネットワークのメンバーにはシリア人の友人が大勢います。その声を届けることで世論に働きかけ、非暴力でシリアに平和を創りたいと願っています。
シリア和平ネットワークとして昨年に続き第2回となる本シンポジウムでは、現在のシリア情勢について東京外国語大の青山教授に説明いただき、兵糧攻めとも呼ぶべき包囲作戦による飢餓等に苦しむ東グータの人々の生の声を、紛争前から家族のような交流を続けてきた明治学院大学の卒業生の葉狩氏・中野氏に伝えてもらう予定です。最後にシリア人としての今の想いをシリア危機の研究をされているアルタウィル・ラウィア氏から伺います。
益々先が見えなくなったシリアについて、地球に生きる一市民として何をすべきか。一緒に考えるきっかけにするために、シリアの友人の声に耳を傾けてみませんか。
登壇:
◆アルタウィル・ラウィア 氏 (シリア危機研究者)
◆青山弘之 氏 (東京外国語大学教授)
◆葉狩真悠子 氏 (同志社大学大学院生、難民研究フォーラム)
◆中野愛 氏 (小学校教諭、明治学院大学卒業生)
プログラム:
(13:30 開場)
14:00 開会
14:05 「2018年のシリア情勢」/青山弘之 氏
14:35 「ダマスカス郊外県・東グータの状況ーシリア人家族とのやり取りを通してー」/葉狩真悠子氏、中野愛氏
14:50 質疑応答
15:00 「7年を振り返って、シリア人の想い」/ アルタウィル・ラウィア 氏
※使用言語:日本語・英語(逐次通訳付)
15:45 質疑応答
16:00 閉会
登壇者紹介:
◆アルタウィル・ラウィア 氏
シリア危機研究者
ユニセフ中東・北アフリカ緊急事態担当官、
千葉大博士課程在籍
◆青山弘之 氏
東京外国語大学 教授
専門:現代東アラブ地域の政治、思想、歴史
著書:『シリア情勢:終わらない人道危機(岩波新書)』(岩波書店、2017年)他
「シリア・アラブの春顛末記(http://syriaarabspring.info/)」を運営
共催:シリア和平ネットワーク、明治学院大学国際平和研究所
シリア和平ネットワーク 担当:小泉
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