研究会
このたび、明治学院大学国際平和研究所では、韓国より社会学者の金學載さんを招き、「板門店体制とはなにか:朝鮮戦争の克服と東アジアの平和のために」という研究会を開催いたします。
金學載さんは朝鮮半島の分断と平和体制についての研究を進めてこられ、2015年には『板門店体制の起源:朝鮮戦争と自由主義的平和プロジェクト』(フマニタス、ソウル)を刊行されました。
停戦協定により形成された不安定で流動的な軍事停戦体制を「板門店体制」と名付け、これを「失敗した平和プロジェクト」として把握する金學載さんの研究は、東アジアの平和への道筋をさぐるうえでの貴重な示唆を私たちに与えてくれるものと考えます。
ディスカッサントとして国際政治学者の武者小路公秀さんと歴史学者の鄭祐宗さんをお招きして、朝鮮戦争の克服のための条件を議論したいと考えております。これからの東アジアの平和のための課題を探る議論の場に、ぜひご参加ください。
報告者:
金學載氏(ソウル大学校統一平和研究院HK教授)
ディスカッサント:
武者小路公秀氏(PRIME客員所員)
鄭祐宗氏(学習院大学東洋文化研究所客員研究員)
報告者・ディスカッサントプロフィール
金學載(キム・ハクチェ)氏
ソウル大学校にて社会学の博士学位を取得後、ベルリン自由大学フリードリヒ・マイネッケ研究所地球史プロジェクト研究員(2011〜2013年)、ベルリン自由大学東アジア大学院(GEAS)ポスドク専任研究員(2013〜2016年)を経て、ソウル大学校統一平和研究院HK教授として在職中である。朝鮮半島の分断と平和体制を研究しており、主要著書に『板門店体制の起源』、「21世紀朝鮮半島平和の夢」(共著『夢の社会学』)、『韓国人の平和思想』(共著)、「三・一運動の一世紀:20世紀のヴィジョンと朝鮮半島の平和」(共著『三・一運動とロウソク』[近刊])、論文に「板門店体制の起源と平和」、「冷戦と熱戦の地域的起源」などがある。
武者小路公秀(むしゃこうじ・きんひで)氏
1929 年ベルギーブリュッセル生まれ。国際政治学者。専門は国際政治学、平和学。学習院大学、上智大学、国連大学(副学長)を経て 1989 年 4 月~1998 年 3 月明治学院大学教授。その後フェリス女学院大学教授、中部大学中部高等学術研究所長、大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター(CAPP)所長等。主要著書に『転換期の国際政治』(岩波書店、1996 年)、『人間安全保障論序説』(国際書院、2003 年)、『人の世の冷たさ、そして熱と光』(解放出版社,2003)。
鄭祐宗(チョン・ウヂョン)氏
1983年大阪府生まれ。2014年大阪大学にて博士(文学)を取得。大谷大学、関西学院大学、龍谷大学非常勤講師を経て、2015年4月~2018年3月大谷大学文学部講師。2018年4月より学習院大学東洋文化研究所客員研究員。現在、東アジア学研究プロジェクト「入江啓四郎の国際法・外交史研究と朝鮮問題」を進めており、国際法学者の朝鮮問題理解について研究している。主要論文に「植民地支配体制と分断体制の矛盾の展開—敗戦後山口県における対在日朝鮮人統治を中心に」などがある。
主催:明治学院大学国際平和研究所
明治学院大学国際平和研究所(PRIME)
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