『チョコラ!』Chokora!
ケニアのストリートで生きる思春期の子どもたち
儚くも強かな青空ぐらし 「チョコラ」とは?・・・スワヒリ語で「拾う」を意味する。
生活のためにくず拾いをするストリートチルドレンをさし、
侮蔑的な意味合いを含んでいる。
東アフリカ、ケニア共和国。首都ナイロビから車で1時間
、標高1500
mにある人口10万人の地方都市、ティカ。
この街のストリートで暮らす子どもたちは、鉄くずやプラスチックを拾い集めて生計を立て、夜の厳しい寒さや空腹を忘れるためにシンナーを吸う。そんな中でも彼らは仲間と出会い、助け合いながら生きていく。それぞれ人には言えない事情を抱えながら……
そんな子どもたちの気持にぴったりと寄添うのは、『わたしの季節』の監督・小林茂。
病身をおしての撮影だったが、子どもたちの目線まで腰を下ろし、ときには逆に彼らに気遣われながら、赤茶色の大地を走り回る彼らと共にすごした。『阿賀に生きる』の名カメラマンとしても知られる彼ならではの優しい眼差しは、言葉の壁などものともせずに、キラキラとした彼らの思春期をうつしとる。そして、映画全編に響く不思議な音色は、“親指ピアノ”と呼ばれるアフリカの民族楽器。奏でているのは、音楽界の風雲児・サカキマンゴー。エイズや貧困など生活環境はたしかに過酷だ。でも青空ぐらしのチョコラたちは、元気いっぱいストリートを駆け抜けていく。かなりやんちゃで危なっかしいけれど、私達は彼らの生きるエネルギーに圧倒される。
監督:小林茂
音楽:サカキマンゴー
撮影:吉田泰三
プロデューサー:矢田部吉彦
アソシエイト・プロデューサー:秦岳志
エンディング・テーマ曲:「Diakutumeni」(サカキマンゴー&Limba Train Sound System)
特別協力:佐藤真
後援:「小林茂の仕事」Oタスケ隊
助成:芸術文化振興基金 財団法人 新潟県国際交流協会
製作:カサマフィルム
配給:バイオタイド 2008年/94分/HD/スタンダード/カラー/日本
公式サイト http://www.chokora.jp/
【パネリスト紹介】
・小林茂 kobayashi shigeru
映画監督
1954年生まれ。同志社大学法学部卒業。足尾鉱毒、ハンセン病や水俣病患者救援活動に関わる。92年『阿賀に生きる』(佐藤真監督)の撮影により日本映画撮影監督協会第1回JSC賞受賞。『地域をつむぐ』(96年)、『闇を掘る』(2001年)で撮影を担当。一方、自身での監督・撮影作品として、障がいのある子どもを受け入れる学童保育所「つばさクラブ」を描いた三部作『こどものそら』(97〜00年)を発表。01年には重度障がい者と介助者たちの日常を描いた『ちょっと青空』を制作。04年には重度心身障がい児施設「第二びわこ学園」を描いた長編ドキュメンタリー映画『わたしの季節』で文化庁映画大賞や毎日映画コンクール記録文化映画賞などを受賞。
<写真集>『トゥスビラ・希望――ウガンダに生まれた子供たち』
<著書>『ぼくたちは生きているのだ』(岩波ジュニア新書)
『チョコラ! アフリカの路上に生きる子どもたち』(岩波ブックレット)を出版予定。
・勝俣 誠 katsumata makoto
国際平和研究所、明治学院大学国際学部教員
1946年東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒、パリ第一大学博士課程修了(開発経済学博士)。ダカール大学法経学部、モントリオール大学客員教員等を経て、現在明治学院大学国際学部教授、国際平和研究所所長、専門はアフリカ地域研究。
<著書>『現代アフリカ入門』(岩波書店)
『アフリカは本当に貧しいのか−西アフリカで考えたこと−』(朝日選書)
『サハラのほとり−サエルの自然と人びと』(共編著、TOTO出版)など。
<訳書>W・アーサー・ルイス『人種問題のなかの経済』(共訳、産業能率大学出版部)
M・ボー『資本主義の世界史』(共訳、藤原書店)など。
【共催】明治学院大学国際平和研究所、カサマフィルム、バイオタイド
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