3月24日、81会議室で平和研の公開講座「もう一つの映像メディアを考えるーフランスTV5MONDEの活動」が開催された。
講師は、同局(フランス語国際放送局TV5)日本駐在員の山下郁子さん。所員の他、フランス文学科生、そのお母さん、経済学科や社会学科卒業生、エックス・アン・プロバンスからの留学生などの参加をえて、さながらサロン風の雰囲気の中で、報告、質疑応答が行われた。
TV5は、MTV(音楽専門)につぐ世界2位ネットワーク。3位のCNNが米国視点のニュース専門局なのに対し、TV5は「総合エンターテインメント」を標榜している。しかし商業主義的な娯楽とは違い、むしろ文化的色彩が強いという。
もう一つの特徴は発信源がパリ(フランス)のみならず、スイス、ベルギー、カナダやアフリカなどフランス語社会全体に広がっていることであり、したがってこの放送局を通じてフランス語圏全体の文化に触れることができるということだ。
サルコジ新大統領はこのTV5やフランスの国際ラジオ局などを統合して、フランスのCNN版である「フランス24」(国家の視点による国際放送)構想を打ち出しているが、TV5の特徴である多様性を消すものとして内外から反対の声があがっているという。
同局は、本放送のほか、さまざまなサービスを提供しており、「フランス語を学ぶ」(Apprendre TV ),教師用の「教える」(Enseigner TV )などがあり、生きた文化に触れながらフランス語を学び教えることができる。また人気番組として、フランス語圏の主なニュースがフランス語字幕付で視聴できる「地球の一週間」、フランス語圏で継承されている職人技を紹介するシリーズなどがある。
(同局へのアクセスはWWW.tv5monde.jp) |