これまで継続してきた「沖縄文学」研究をまとめるとともに、さらに短詩型文学である「短歌」の実証研究を開始したところである。短歌という形式は我が国の伝統的な表現形式でありながらも現代的な対象と感性をも表現できる形式あり、かつ素人でも入門しやすい文化であることが注目されるところである。
文学および芸術は横糸に対象の説明や意味を、縦糸に表現者の感情を読み込んだ「織物」と捉えることができる。とすれば文学内容とは横軸に社会的意味を縦軸に個人的感情を読み込んだ複雑な織物として考察、分析できるものである。これは社会学の永遠の課題であった「社会と個人の統合的理解」の最も手軽な対象ということになる。文化社会論ないし文学社会論の課題は大きい。
文化社会論ないし文学社会論の長所は社会学の永遠の課題である「社会と個人の二律背反」を止揚する立場に立てるところにある。つまり集合表象としての縦糸と個人感情としての横糸とによって編まれた「織物」として文学作品を内容分析していけば、そこに社会と個人を綜合した関係が透視できるからである。
この方法論を会得できれば、将来文化的領域で仕事をする時にも必ずやこの研究方法は生かされるはずである