メッセージ:社会福祉学科主任:岡 伸一
1年生も少しキャンパスライフに慣れてきたかな。「福祉」を学び始めるといろいろなことを考え出すのではないかな。例えば、「福祉ってなんだろう」って。私もよく考えたことがある。昔、留学中にこんなことを考えていた。
大学の授業料が安くて、しかも、親の所得によって違う。私立の幼稚園の納付金も親の所得によって違った。ドイツだと教育手当が社会保険として運営されている。学生寮費も同様に貧乏だと安くなる。障がい学生専用の寮も夫婦寮だってあった。結構きれいで良い寮だけど、民間のアパートには比べ物にならないくらい安い。これって福祉じゃないのか?
大学施設の一棟に「ソリダリティー(連帯)センター」という組織があった。卒業生や教職員等がいらなくなった家財や自転車、本、衣類等を寄付し、ここで在学生に安く販売し、その収益金を開発途上国の貧困児童への救済のために送ったり、国内の福祉施設に寄付している。すばらしいアイデアでしょう。これも福祉じゃない?
アイルランドでは、母子家庭の母親に公務員職を優先的に斡旋する制度がある。お金は1円もかからなくって、社会保障統計には出てこないけど。これも福祉じゃない。むしろ、本当の自立支援じゃないかな?
ベルギーでは休暇手当が労働法ではなく、一つの社会保険として成立している。保険料は全額企業持ちで、休暇をとると手当がもらえる。これは日本では「行き過ぎた福祉」と言われそうかな?さすが、バカンス好きの国だよね。この制度を廃止しろなんて言うヤボな人は誰もいない。
町中にあった有料保育園。いつでも何時間でも受け入れてくれて、かなり前だけど1時間数百円だった。この保育園、広いプレイルームがあって、何と個室がいくつも設置されていた。眠くなった赤ちゃんは個室のベッドでゆっくり休めるのだ。これって赤ちゃんの福祉じゃない?好きな時に寝る権利が認められている。日本の保育園で眠くもないのに時間になったからといって布団かぶって汗かきながら寝たふりしていた自分を思い出すよ。
社会保障給付として政府から受け取るものだけが福祉ではないと思う。「福祉」は街角にいくらでもころがっている。それが、ヨーロッパ。日本にだってたくさんある。福祉学科の講義で先生方の話をよく聞いてごらん。「そうか、これも福祉なのか」、「これぞ、福祉だ」という発見がたくさんあると思うよ。
学生諸君、君たちには現代社会のたくさんの福祉を学んで、その上に新しい時代の新しい福祉を開発し、提案し、そして、実践していってもらいたい。未来は君たちのものさ。