金融論・国際金融論の期末テストについて

期末テストの採点をしました。お伝えしておきたいことをメモ書きしておきますので、興味のあるかたはお読みください。一部の正解についてもメモしました。

佐々木百合



・平均的には、例年よりやや点数が低いと思います。考えられる理由としては、最後のほうは就職活動が始まったことです。これはしょうがないのですが、今後企業側には時期をずらすことを(せめて2月以降に)検討してほしいと思っています。

・成績上位の人たちは頑張っていい解答をしてくれました。ほとんどの成績上位者が、出席率が高く、質問をたまにするなど、積極的な学生で占められていました。国際経営、経営の人はマクロの基礎がなくて大変でしたが、これを機にマクロを理解したい、と意欲的に勉強してよい成績をとった人も結構いました。

・論述で用語を答えるところの正答率が低かったです。「オーバーナイトコール」も知らないで金融関係の就職活動をしているとか・・・ありえないと思います。経済学部の学生としても、最低限しっておいてほしい言葉です。

・グラフの軸が間違っている解答がいくつかありました。軸が間違っているのに、線と線のシフトはあっていたりするのは、おそらく意味を理解しないままにシフトの方向を暗記したのだと思います。しかしそれではその問題を理解できたとはいえないです。

・単位を出す基準は、その学生が将来「金融論」「国際金融論」の講義を受けた、といったときに恥ずかしくないレベル・・・にしたいと思っています。どこかで「『金融論』をとっていました」といったとして、その人が金融政策のターゲットすら知らなかったら・・・「いったい誰に習ったんだ!こらぁ!」と思われてしまいます。みなさん、就職活動や、家庭の事情や、いろいろ大変だと思いますが、単位というのは、この講義の内容をある程度理解できているかどうか、を基準にしているのであり、どんな事情があっても、講義内容の基本すら理解できていない人に単位を出すことはできません。


参考:

金融論:
5.の(1)〜(6)の解答
(1)金融政策決定会合
(2)量的緩和政策
(3)(無担保)オーバーナイトコールレート
(4)包括緩和
(5)プロシクリカリティ
(6)タイムインコンシステンシー
6.は、LM曲線が右下にシフトする形になります。Y切片は、上から順に31.5、10、7の三つが書かれていればOKです。

国際金融論:
【5】解答
(1)TPP
(2)a+a*>1(≧も○)
(3)不胎化介入
(4)バスケットペッグ制(バスケットカレンシー制も○。バスケット通貨制、バスケット制も部分点あり。)
【6】は、軸があっていること、IS-LM-AAがかけていること、AA線が右下にシフトしていること、IS曲線が一度右上にシフトして、その後元に戻ること、がかいてあれば正解。完璧でなくても、部分点はかなりつけました。
【7】は下が正解。あのグラフは、マンデルフレミング(またはオープンマクロ)のモデルによると、財政政策の効果は変動相場制ではほとんどなく、固定相場では大きい、という理論的なインプリケーションを実際のデータで証明しているものです。(講義のときに二回か三回にわたってこのことを強調したつもりでしたが、正答率はそれほど高くありませんでした)