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自分だけの物語が世界に広がる感動

2017.12.12
藤村明世
映画監督
Akiyo Fujimura 藤村 明世 2014年 文学部 芸術学科卒業

「映画監督って何するの?」とよく聞かれます。俳優さんの演技をつけることも勿論大切ですが、スタッフが持ってきた案の中から「どれが一番映画にとって良い選択なのか」を考え決定すること、これが映画監督として一番重要なことだったりします。

幼い頃から映画監督になりたかったので、大学時代は自主映画を作っていました。卒業後は、東宝系の商業映画の助監督をしていましたが、過酷すぎる労働環境の中、映画監督 の夢が遠ざかって行くことに憤りを感じ一年で辞めました。助監督を辞めてから、良いご縁に恵まれ『見栄を張る』という長編映画を監督しました。『見栄を張る』は国内の映画祭だけではなく、イタリア、ドイツ、アメリカ、オランダなどの海外の映画祭でも上映の機会をいただき、最初は自分の頭の中だけで完結していた物語が、映画になって世界中の人たちに観てもらえる感動を味わいました。現在は、是枝裕和監督がエグゼクティブプロデューサーを務めるオムニバス映画の準備をしています。

毎回監督だけではなく、脚本も自分自身で書くのでさまざまなプレッシャーはありますが、尊敬できるプロデューサーやスタッフと〈面白い映画の完成〉という一つの目標に向かっている毎日は、とても楽しく、充実しています。

学生へのメッセージ

大学時代はどうすれば映画監督になれるのかわからず、悩んでいた時期もありましたが、「何か行動しなければ」とわからないなりに自主映画を作っていました。その時は考えも及びませんでしたが、大学時代に作った映画が今になって自分の進みたい道を切り開いてくれたりします。何か目標がある人は、とにかく行動することが大事だと思います。

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