音楽が人と人をつなげる現場 誰かのために奏でる喜び

小山田 薫さん
2006年 文学部 芸術学科卒業

「ご職業は?」「カントールです」こう答えてすぐわかる日本人はごくわずか。日本にはない職業なので仕方ありません。カントールとは、ドイツキリスト教教会の礼拝で聖歌隊を指揮しオルガンを弾くなど、教会における音楽活動を取り仕切る職業です。

昨年着任したザクセン州ヴルツェン市の教会には、聖歌隊、児童合唱、金管アンサンブル、弦楽オーケストラなど9つのグループがあり、メンバーは信者以外も含む5歳から80代までのアマチュア。指導と並行して年間20以上ある演奏会の企画運営、経理、舞台設営など全てを統括し、常に教会を人と音楽で活性化させるのが私の仕事です。

明学時代は、芸術学科での学業と並行して管弦楽団、パイプオルガン講座、バッハアカデミー合唱団とまさに音楽漬けの日々。大学礼拝にはあまり通わなかったものの、”Do for Others”の言葉だけはずっと心にありました。明学からのワイマール音楽大学への交換留学(当時)をきっかけに始まったドイツでの学生生活、そしてカントールとしての日々を支えてくれるのは明学時代に積み上げたさまざまな経験と知識、そして、“Do for Others”。他者のために音楽を通して今何をするべきか。毎日が新たな挑戦です。

学生へのメッセージ:
大学時代は、荒波を乗り越えるための精神力と体力作りの最大のチャンス。いかに視野を広げ想像力を豊かにできるかで未来はいくらでも変わります。知識と経験はあなただけの財産であり武器。今あなたにできる小さなことからトライしてください! たまには休憩も忘れずに。

2019年、ヴルツェン大聖堂のクリスマスオラトリオ演奏会にて。満員のお客様に聞いていただきました。