初心者から明治学院で学んで研究者に

2016年6月13日

明治学院大学を卒業し、2010年から私はその母校で教壇に立っています。フランス語を教え、フランス文化を伝え、また翻訳の仕事もしたりしていますが、入学以前にフランス語を習ったことは全くなく、フランス文学についてもほとんど何も知りませんでした。では、なぜ、どのようにフランス語やフランスに関わる仕事に就くことになったのか?それはこの大学のフランス文学科に、学ぶ環境が整っていたからだと思います。フランス語を基礎から学ぶことができ、様々な時代の文学を扱う講義が揃い、また映画や美術、歴史などを知ることもできる。もちろん学生の頃は知らないことだらけでしたから、図書館に行っては関連する本を手に取り、少しずつ自分なりのフランスを開拓していきました。

とはいえ、もっとも私とフランスの関係が変わったのは、大学の協定留学のプログラムで約1年をフランスで過ごした時です。フランス語を日々使って生活する楽しさを味わい、日本とは全く異なる日常を過ごし、多くの友人と出会う中ですっかりフランスに魅了され、帰国した時には大学院へ進学して勉強を続け、もっとフランスと関わっていきたいと思うようになっていたのです。

こうして私は明治学院大学の大学院の修士過程を経て、博士課程まで進学し、その後はパリ第7大学に留学して指導を受けながら研究を進め、帰国後は博士論文を書いて博士の学位を得ることができました。留学中も論文の執筆中も楽しいことだけではありませんでしたが、パリでの生活は充実したもので、また長年かけて調べてきたものが論文という形になる喜びは、かけがえのない経験になっています。

講義を行う今では、常にフランス語と関わり、フランスのことを調べ続ける毎日で、日本にいながらフランスと離れることのない生活を送っています。大学入学当時、私にとってフランスは未知の文化と未知の言語の遠い国でした。フランスは奥が深く、フランスのことがわかったとは今でも簡単に言うことはできません。しかし少なくとも明治学院大学で学ぶ中で、フランスは私の中に接ぎ木され、そしてそのおかげで日々新たな発見と楽しみを得ることができています。  卒業生として、明治学院大学のフランス文学科で学ぶ皆さんにとってのフランスが、それぞれの人生を豊かにしてくれるものになるように願い、また教員として、それをサポートしていきたいと思います。(M.E)


※写真1枚目・・・留学先のパリ第7大学
※写真2枚目・・・パリ国立図書館

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